【2022シーズン総集編】ルーキー岩佐歩夢が2勝を挙げ総合5位でシーズンを終える
全14戦で行われた2022年のFIA-F2選手権には、岩佐歩夢(DAMS)が参戦した。岩佐はHondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)の一環としてヨーロッパを拠点に活動しており、20年にはフランスF4選手権でチャンピオンを獲得。21年はFIA F3選手権のルーキーイヤーながら、第4戦ハンガリーGPで初優勝を飾るなど活躍し、FIA F2選手権にステップアップを果たした。
22シーズンのFIA F2選手権は、フォーマットが変更。土曜日には予選順位上位10位がリバースグリッドとなるスプリントレース、日曜日に予選順位でスタートしタイヤ交換が義務付けられるフィーチャーレースが開催されることとなった。
第4戦バルセロナでFIA F2選手権初表彰台に登壇
バーレーンで行われた開幕戦。スプリントレースは最後尾スタートだったものの、終盤の追い上げで8位に入賞し、初レースで初のポイントを獲得。続く第2戦サウジアラビアでスプリントレース、フィーチャーレースともに入賞を果たすと、イタリア・イモラで行われた第3戦のフィーチャーレースでも5位に入る。初参戦にも関わらず、3戦連続で着実にポイントを加算する上々の滑り出しを見せると、第4戦バルセロナのスプリントレースでは、3列目5番手から好スタートを決めてポジションを上げ、後続との差を広げ2番手でフィニッシュ。FIA F2選手権初の表彰台を獲得した。
第5戦モナコではペナルティーや接触があり不調に終わったものの、第6戦アゼルバイジャンでは、スプリントレースで8位となりポイントを獲得。第7戦イギリスのスプリントレースでは、17周目からファイナルラップまでファステストラップを連続してトップを追撃したものの、0.9秒及ばず2位。悔しくも、岩佐にとっては第4戦スペイン以来の表彰台登壇となった。
ルーキーイヤーながら初優勝を飾る
オーストリアで行われた第8戦スプリントレースは、8番手で終えたもののペナルティーが科され最終的に10位。フィーチャーレースはウエットレースの難しいコンディションで警告とペナルティーが多発する中、7位入賞を果たし6ポイントを獲得した。
総合13位で臨んだ第9戦フランスのスプリントレース。追い抜きが難しいコースながら、岩佐は9番手スタートからタイヤマネジメントを活かし終盤に順位を上げ、8番手でフィニッシュ。レース後に上位陣を含むマシンにタイムペナルティーが科され、6位に繰り上がった。フィーチャーレースはフロントロー、2番手からのスタート。1周目でトップに立った後、2周目には後続のアクシデントでセーフティカーが導入。その後のリスタートを絶妙のタイミングで決めた岩佐は2番手に約1秒の差をつけ、徐々に2番手を引き離していった。終盤に入っても周回を重ねるごとにその差を広げ、最終的には2位に8秒以上をつけて、FIA F2選手権ルーキーイヤーにして見事初優勝を飾った。
続く第10戦ハンガリーのフィーチャーレースでも2戦連続となる3位表彰台となり、第10戦終了時点でシリーズポイントは合計90ポイント。ランキングも7位まで浮上した。
FIA F2選手権の挑戦初年度は総合5位でフィニッシュ
第11戦ベルギーでは、初日にポイントを獲得できなかったものの、翌フィーチャーレースは終盤の追い上げで8位入賞。第12戦オランダのフィーチャーレースでは、3度ものセーフティカーの導入、赤旗中断という波乱のレース展開の中、最後まで果敢に攻めて3番手でフィニッシュ。今季5回目の表彰台に登壇した。
残り2戦の時点で岩佐はトータル114ポイントを獲得しており、シリーズランキングは6位。しかし、イタリア・モンツァで行われた第13戦では、マシンのペースが上がらず初日は16位。翌日は3位でフィニッシュしたが、マシンのフロアに違反を指摘され失格となってしまう。
そして迎えたアブダビでの最終戦。スプリントレースは13位でノーポイントに終わったものの、フィーチャーレースはポールポジションでのスタート。1周目を終えた時点からトップを守り、終盤戦31周目と最終ラップのターン8~9では、第13戦でチャンピオンを確定していたフェリペ・ドルゴヴィッチと激しいサイドバイサイドの戦いを繰り広げたが、最後までポジションを守り切り、トップでチェッカーフラッグを受けた。最終戦の最終レースを優勝という形で終えた岩佐のシリーズポイントは合計141ポイント。ルーキーイヤーの総合ランキングは5位で2022年シーズンを終えた。
Race Report
Rd.01 バーレーン(Sprint):F2最初のレースで8位フィニッシュしポイントを獲得
Rd.01 バーレーン(Feature):最終ラップにトラブルに見舞われ無念の16位に終わる
Rd.02 サウジアラビア(Sprint):スプリントレースで2列目4番手からスタートし6位入賞を果たす
Rd.02 サウジアラビア(Feature):フィーチャーレースで7位入賞。連続ポイント獲得でランキング10位に上昇
Rd.03 イタリア(Sprint):スプリントレースで岩佐歩夢は9位フィニッシュ
Rd.03 イタリア(Feature):波乱のレースで5位入賞 10ポイントを加算しランキング9位に
Rd.04 スペイン(Sprint):好スタートから2位フィニッシュでF2初表彰台を獲得
Rd.04 スペイン(Feature):6番手スタートも序盤にアクシデント 最後尾からの追い上げで12位フィニッシュ
Rd.05 モナコ(Sprint):予選でペナルティーが科され19番手スタート。スプリントレースも19位に終わる
Rd.05 モナコ(Feature):岩佐歩夢、12番手からスタートし果敢に攻めるも、接触してストップ
Rd.06 アゼルバイジャン(Sprint):13番手スタートから8位フィニッシュ。入賞を果たし1ポイントを獲得
Rd.06 アゼルバイジャン(Feature):セーフティカー3回の荒れた展開に。13番手スタートの岩佐歩夢は、アクシデントで14位完走に終わる
Rd.07 イギリス(Sprint):終盤の猛追もわずかに及ばず2位。F2で2度目の表彰台と初のファステストラップを獲得
Rd.07 イギリス(Feature):序盤4番手を好走もピットインのロスが響き 、岩佐はフィーチャーレースを12位でフィニッシュ
Rd.08 オーストリア(Sprint):6番手スタートから8番手フィニッシュ レース後タイムペナルティーが科され10位に終わる
Rd.08 オーストリア(Feature):微妙なコンディションとペナルティーが多発で波乱の展開。4番手スタートの岩佐は7位入賞を果たす
Rd.09 フランス(Sprint):9番手スタートから8番手フィニッシュ レース後の複数ペナルティーで6位に繰り上がり
Rd.09 フランス(Feature):完ぺきなレースでF2初優勝を飾る。シリーズランキングは9位に浮上
Rd.10 ハンガリー(Sprint):予選トップの岩佐歩夢はリバースグリッドで10番手スタート。安定した走行で8位入賞を果たす
Rd.10 ハンガリー(Feature):ポールポジションスタートの岩佐歩夢はスタートで出遅れ3位フィニッシュ
Rd.11 ベルギー(Sprint):13番手スタートの岩佐歩夢は9位フィニッシュ
Rd.11 ベルギー(Feature):13番手スタートの岩佐歩夢、終盤の追い上げで8位入賞
Rd.12 オランダ(Sprint):6番手スタートから6位フィニッシュし3ポイントを獲得
Rd.12 オランダ(Feature):3度のSCと赤旗中断の波乱レースで、5番手スタートの岩佐歩夢は3位表彰台を獲得
Rd.13 イタリア(Sprint):4番手スタートの岩佐歩夢はマシンのバランスに苦しみペースが上がらず16位に終わる
Rd.13 イタリア(Feature):7番手スタートの岩佐歩夢、波乱のレースで3位フィニッシュもレース後の車検で無念の失格に
Rd.14 アブダビ(Sprint):予選1番手の岩佐はリバースグリッドにより10番手スタート。 マシンバランスに苦しみ13位フィニッシュ
- Standings
1 | Felipe DRUGOVICH | 11 | MP Motorsport | MP Motorsport | 265 |
2 | Théo POURCHAIRE | 10 | ART Grand Prix | ART GRAND PRIX | 164 |
3 | Liam LAWSON | 5 | Carlin | Carlin | 149 |
4 | Logan SARGEANT | 6 | Carlin | Carlin | 148 |
5 | Ayumu IWASA | 17 | DAMS | DAMS | 141 |
6 | Jack DOOHAN | 3 | Virtuosi Racing | Virtuosi Racing | 128 |
7 | Jehan DARUVALA | 2 | PREMA Racing | PREMA Racing | 126 |
8 | Enzo FITTIPALDI | 22 | Charouz Racing System | Charouz Racing System | 126 |
9 | Frederik VESTI | 9 | ART Grand Prix | ART GRAND PRIX | 117 |
10 | Dennis HAUGER | 1 | PREMA Racing | PREMA Racing | 115 |
11 | Jüri VIPS | 8 | Hitech Grand Prix | Hitech Grand Prix | 114 |
12 | Richard VERSCHOOR | 20 | Trident | Trident | 103 |
13 | Marcus ARMSTRONG | 7 | Hitech Grand Prix | Hitech Grand Prix | 93 |
14 | Clément NOVALAK | 12 | MP Motorsport | MP Motorsport | 40 |
15 | Ralph BOSCHUNG | 15 | Campos Racing | Campos Racing | 40 |
16 | Jake HUGHES | 24 | Van Amersfoort Racing | Van Amersfoort Racing | 26 |
17 | Amaury CORDEEL | 25 | Van Amersfoort Racing | Van Amersfoort Racing | 26 |
18 | David BECKMAN | 24 | Van Amersfoort Racing | Van Amersfoort Racing | 25 |
19 | Roy NISSANY | 16 | DAMSㅤ | DAMS | 20 |
20 | Roberto MERHI | 15 | Campos Racing | Campos Racing | 15 |
21 | Olli CALDWELL | 14 | Campos Racing | Campos Racing | 12 |
22 | Marino SATO | 4 | Virtuosi Racing | Virtuosi Racing | 6 |
23 | Calan WILLIAMS | 21 | Trident | Trident | 5 |