【2022シーズン総集編】デニス・フォッジャが総合3位 ルーキー2人のHonda Team Asiaも健闘
2022年のMoto3クラスは全20戦が行われ、昨年総合2位で終わったLeopard Racingのデニス・フォッジャが4勝を挙げて総合3位にランクインし、NSF250RW勢では最上位となった。また、今季ともにMoto3初参戦となったHonda Team Asiaのルーキー、古里太陽とマリオ・アジも随所で速さを見せ、注目を集めた。
開幕戦でミニョ、第2戦でフォッジャが優勝 Honda勢が好スタートを切る
カタールで行われた開幕戦。緒戦から激しい優勝争いが続き、終盤までどうなるかわからないレースに。NSF250RWを駆るアンドレア・ミニョ(Rivacold Snipers Team)が接戦を制しゴール、開幕Vを達成した。フォッジャは予選で科せられたペナルティーにより28番手スタートとなるも、怒涛の追い上げを見せて7位でゴールした。
インドネシアでの第2戦では、予選でルーキーのアジがフロントローを獲得し、地元のファンの期待に応えた。決勝では7番手スタートのフォッジャが序盤でトップに立ち、独走で今季初優勝。アジは14位までポジションを落としたが、初めてポイントを獲得した。
フォッジャは第3戦アルゼンチンGP、第4戦アメリカズGPと続けて2位表彰台に上がり、総合2位から首位に順位を上げ、タイトル争いに名乗りを上げた。また、この大会でHonda勢はリカルド・ロッシ(SIC58 Squadra Corse)が9位、鈴木竜生(Leopard Racing)が10位に入るなどそれぞれポイントを獲得した。
苦戦が続いた中盤戦
第5戦となるポルトガルGPではHonda勢は苦戦。フォッジャは8位でフィニッシュし総合2位へ順位を落とした。アジは予選でフロントロー2番手を獲得する活躍を見せたが、決勝では上位を争えず16位。苦しい状況は続き、第6戦、第7戦でもHonda勢は表彰台に立てずに終わる。
状況を打開したい第8戦イタリアGPで、鈴木が活躍を見せる。11番手スタートからトップ争いに加わり、ロングラップペナルティーを受けながらも追い上げて、3位で今季初の表彰台に登った。
第9戦カタルニアGPでは前回に続き鈴木が3位でフィニッシュした一方で、チームメートのフォッジャはトラブルによりリタイア。第10戦ドイツGPでは集団での優勝争いとなったものの、そこから抜けたイサン・グエバラ(ガスガス)が優勝、フォッジャは2位争いを制した。フォッジャにとって今季4回目の表彰台となり、総合4位から3位へ順位を上げた。古里は20番手スタートから13番手争いに加わるも、惜しくも17位。最終ラップのミスで順位を落としたが、ポイント獲得まであと一歩というところまで粘りをみせた。
第11戦オランダGPでは、今季2回目のフロントロー2番グリッドから挑んだ鈴木が大接戦の末、4位でフィニッシュ。Honda勢のなかでは唯一トップ10入りという厳しい戦いとなった。
後半戦で3勝を挙げたフォッジャ
第12戦、サマーブレイク明けのイギリスGPでは、フォッジャが目まぐるしくポジションが入れ替わる激戦を制して今季2勝目を挙げた。オーストリア、レッドブルリンクで開催された第13戦では鈴木が快走を見せ、終盤追い上げてきた佐々木歩夢(ハスクバーナ)に僅差で敗れるも2位表彰台に登壇。これまでオーストリアでは7位が最高と、得意なコースではなかったにも関わらず高順位を記録し、今後に期待が高まった。
第14戦サンマリノGPでは、ホームGPのフォッジャが7番手から優勝争いに加わり、6台の争いを切り抜けて今季3勝目をマーク。この優勝でフォッジャは総合首位との差を35点に縮めた。
古里が初ポイントをホームGPで獲得
第15戦アラゴンGPでは鈴木の12位がHonda勢ベストと不本意な結果となり、迎えた第16戦日本GP。予選では鈴木が地元の大声援を受けてポールポジションを獲得するも、5周目に転倒を喫してリタイア。チームメートのフォッジャが優勝争いに加わり2位で表彰台に登った。また、ルーキーの古里が14位に入り、初ポイントをホームGPで獲得した。
第17戦のタイGPでは終盤、三つ巴の優勝争いを抜けたフォッジャがポール・トゥ・ウインを果たし、総合3位から2位に浮上。今季なかなか調子を上げられずにいたロッシが今季初の3位表彰台と結果を出した。
しかし第18戦オーストラリアGPでは、フォッジャは9位に終わり、総合順位が3位にダウン。総合首位のイザン・グエバラ(ガスガス)が優勝し、2戦を残してタイトル獲得を決めた。
第19戦マレーシアGPでは、レース序盤を牽引していたフォッジャだったが、終盤の順位の入れ替わりで惜しくも6位。しかしトップとの差は0.371秒とわずかだった。
そして迎えた最終戦、バレンシアGP。フォッジャは序盤、4位争いの集団後方に追いやられるものの、終盤華麗な追い上げを見せ4位でゴール。総合4位の佐々木(ハスクバーナ)を抑えてフィニッシュし、総合3位の座を守り切って今季を終えた。
また、鈴木が14位、ミニョが15位でそれぞれポイントを獲得。Honda Team Asiaのアジは怪我が災いして27位、古里は15周目に転倒を喫してリタイアとなった。
史上最長20戦のシーズンを戦い終えて、鈴木は3度表彰台に上がり総合7位、開幕戦で勝利を挙げたミニョが総合9位となった。フォッジャは来季Moto2への参戦が決まっており、ライダーの移籍も行われる中、誰が来季のHonda勢を引っ張っていくか注目だ。
Race Report
Rd.01 カタールGP:アンドレア・ミニョが接戦を制して開幕V
Rd.03 アルゼンチンGP:フォッジャが接戦の中、2位表彰台を獲得
Rd.04 アメリカズGP:フォッジャが今シーズン3回目の表彰台を獲得しランキングトップ
Rd.05 ポルトガルGP:ミニョ、フォッジアがトップ10入りを果たす
Rd.06 スペインGP:オグデンが12位でHonda勢最上位
Rd.07 フランスGP:赤旗中断でレースは14周に減算。デニス・フォッジャがHonda勢トップの4位
Rd.09 カタルニアGP:鈴木竜生が2戦連続の表彰台を獲得
Rd.10 ドイツGP:フォッジャが2位で今季4回目の表彰台に登壇
Rd.11 オランダGP:鈴木竜生がアッセンで表彰台争いの末4位
Rd.12 イギリスGP:フォッジャがし烈なトップ争いを制して優勝
Rd.13 オーストリアGP:鈴木竜生が0.064秒差で惜しくも2位
Rd.14 サンマリノGP:ホームGPのフォッジャが優勝を果たす
Rd.15 アラゴンGP:厳しい結果となったHonda勢。最上位は鈴木竜生の12位
Rd.16 日本GP:フォッジャが2位表彰台。古里太陽がホームGPで初入賞
Rd.17 タイGP:フォッジャが今季4勝目を挙げランキング2番手に浮上
Rd.18 オーストラリアGP:フォッジャが9位フィニッシュ
- Standings
Pos. | Rider | Num. | チーム | Constr. | Pts |
---|---|---|---|---|---|
1 | Izan GUEVARA | 28 | Valresa GASGAS Aspar Team | GasGas | 319 |
2 | Sergio GARCIA | 11 | Valresa GASGAS Aspar Team | GasGas | 257 |
3 | Dennis FOGGIA | 7 | Leopard Racing | Honda | 246 |
4 | Ayumu SASAKI | 71 | Sterilgarda Husqvarna Max | Husqvarna | 238 |
5 | Deniz ÖNCÜ | 53 | Red Bull KTM Tech 3 | KTM | 200 |
6 | Jaume MASIA | 5 | Red Bull KTM Ajo | KTM | 177 |
7 | Tatsuki SUZUKI | 24 | Leopard Racing | Honda | 130 |
9 | Andrea MIGNO | 16 | Rivacold Snipers Team | Honda | 103 |
14 | Riccardo ROSSI | 54 | SIC58 Squadra Corse | Honda | 87 |
23 | Scott OGDEN | 19 | VisionTrack Racing Team | Honda | 21 |
25 | Lorenzo FELLON | 20 | SIC58 Squadra Corse | Honda | 11 |
26 | Mario Suryo AJI | 64 | Honda Team Asia | Honda | 5 |
27 | Taiyo FURUSATO | 72 | Honda Team Asia | Honda | 2 |