【2022シーズン総集編】ガイザーがライバルたちを圧倒。10大会で総合優勝を挙げ、4度目の最高峰クラスタイトルを獲得
2022年のモトクロス世界選手権は全18大会36レースが行われ、Team HRCは最高峰MXGPクラスに2台のCRF450RWを投入。ライダーは、4度目の世界タイトルを狙うティム・ガイザーと、ケガによる長期離脱から復帰したミッチ・エバンスを起用した。
MXGPでは新型コロナウイルスの流行を受けて、2020年シーズン途中からワンデーフォーマットが採用されていたが、今シーズンは開幕戦から従来のスケジュールが復活し、土曜にプラクティスと予選レース、日曜にウォームアップと決勝2レースが行われることとなった。
2月末、イギリスのマタリーベイズンで行われた開幕戦。ガイザーはプラクティスから好調を維持し、レース1で幸先よく1位フィニッシュ。レース2は2位に入り、大会総合優勝を得てシーズンの好スタートを切った。
第2戦ロンバルディア(イタリア)大会から、ランキングトップの証であるレッドプレートを付けたガイザーは、第4戦まで各大会1勝ずつを挙げてシリーズをリード。第5戦ピエトラムラタ(イタリア)大会では、母国スロベニアからのファンが多く駆け付け、大声援に応えてシーズン初のパーフェクトウインを達成した。これで勢いを加速させたガイザーは、続く第6戦ラトビア、第7戦イタリアでもパーフェクトウイン。ポイントリードを一気に81点まで拡大し、独走態勢を築いた。
第8戦サルデーニャ(イタリア)で体調を崩し、本来の調子が戻らないまま第9戦スペイン、第10戦フランスまでやや苦戦が続いたガイザー。しかし、第11戦ドイツで調子を取り戻して再び表彰台の最上段に上がり、ポイントリードを101点まで伸ばした。さらに、第12戦インドネシア大会では今季4度目のパーフェクトウインを達成。その後も各戦で確実にポイントを積み重ね、2大会を残して第16戦フィンランド大会でシリーズチャンピオンを確定。MXGPクラスで2年ぶり4度目、MX2クラスと合わせて5度目の世界タイトルを獲得した。
ガイザーはタイトル確定後も手を緩めず、残る2大会で総合優勝。開幕から一度もレッドプレートを譲らず、18大会中の10大会で総合優勝、14レースで勝利、全レースでポイントを獲得、763ポイントで2位に106点差をつける圧倒的な成績を残した。
一方、ケガからの復活を期すシーズンとなったエバンス。序盤は下位に沈んだが、徐々にトップ10圏内での争いにカムバックしていき、第11戦で7位、第12戦で6位、第13戦で7位。第15戦のレース2でシーズンベストの4位に入り、ポイントランキング10位でシーズンを終えた。
また、Honda 114 Motorsportsのルーベン・フェルナンデスは、初のMXGPクラスフル参戦ながら2度表彰台に登壇する活躍を見せ、ランキング8位に。2023年はTeam HRCへの加入が決まっており、さらなる飛躍が期待される。
Race Report
Rd.01 イギリス:ガイザーが総合優勝(1位-2位)を果たす
Rd.02 ロンバルディア:ガイザーがオーバーオール(2位-1位)を飾り2連勝
Rd.03 アルゼンチン:ガイザーが3連勝を果たしポディウムの中央に登壇
Rd.04 ポルトガル:今季4勝目を挙げたガイザーが2位表彰台をゲット
Rd.05 トレンティーノ:ガイザーが今季初のパーフェクトウイン
Rd.06 ラトビア:ガイザーが2戦連続完全優勝 フェルナンデスがポディウム初登壇
Rd.08 サルデーニャ:ガイザーはやや苦戦するもレッドプレートをキープ
Rd.09 スペイン:ポイントリーダーのガイザーが灼熱のスペインラウンドで善戦
Rd.11 ドイツ:ガイザーがポディウム最上段にカムバック。7度目の総合優勝で首位独走
Rd.12 インドネシア:ダブルウインを挙げたガイザーが125ポイントリード
Rd.13 チェコ:ガイザーが125ポイントリードを保持し首位独走
Rd14 フランダース:ディープサンドに苦戦しながらもガイザーがポイントリードを守る
Rd.15 スウェーデン:ガイザーが表彰台にカムバックしチャンピオンシップに王手。エバンスはベストリザルト4位をゲット
Rd.16 フィンランド:ガイザーが5度目の世界チャンピオンに輝く
MXGP - ポイント
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合 |
---|---|---|---|---|
1 | 243 | Tim Gajser | Honda | 763 |
2 | 91 | Jeremy Seewer | ヤマハ | 657 |
3 | 61 | Jorge Prado | ガスガス | 589 |
4 | 959 | Maxime Renaux | ヤマハ | 578 |
5 | 259 | Glenn Coldenhoff | ヤマハ | 575 |
6 | 189 | Brian Bogers | ハスクバーナ | 428 |
8 | 70 | Rubén Fernández | Honda | 382 |
10 | 43 | Mitch Evans | Honda | 308 |
16 | 29 | Henry Jacobi | Honda | 236 |
24 | 128 | Ivo Monticelli | Honda | 64 |
26 | 16 | Benoit Paturel | Honda | 38 |
30 | 147 | Miro Sihvonen | Honda | 18 |
32 | 99 | Jorge Zaragoza | Honda | 12 |
34 | 105 | Cyril Genot | Honda | 9 |
40 | 76 | Sergio Villaronga | Honda | 6 |
58 | 225 | Charles Lefrancois | Honda | 1 |