ガイザーが3連勝を果たし(2位-1位)ポディウムの中央に登壇
モトクロス世界選手権第3戦が、アルゼンチン中西部のネウケン州ラアンゴストゥーラ村の近くにある、パタゴニア・サーキットで開催されました。絶好調のポイントリーダー、ティム・ガイザー(Team HRC)は、今大会でもオーバーオールウイナー(2位-1位)となり、3連勝を飾りました。
当地における最後のグランプリは、2019年の開幕戦。その後は新型コロナウイルスの影響により、開催地がヨーロッパに限定されたため、アルゼンチンGPは延期されていました。中止ではなく「延期」だったことは、この大会に対する期待の表れだったと言えるでしょう。3年ぶりのグランプリとあって、この風光明媚でダイナミックなハイスピードコースには、土曜から大勢の観客が詰めかけました。
予選レースでは、ガイザーがトップ争い中にブレーキトラブルによりペースダウンしたため、7位でフィニッシュする番狂わせが起きました。僚友のミッチェル・エバンス(Team HRC)は、12位でチェッカーを受けて決勝に進みました。
レース1では、ルーベン・フェルナンデス・ガルシア(Honda 114 Motorsports)が1周目からトップに立ちましたが、転倒により最下位まで後退。ガイザーは4番手、エバンスは8番手で1周目をクリアしました。5周目にはガイザーが3番手に浮上。トップのポール・ジョナス(ハスクバーナ)、マキシム・ルノー(ヤマハ)を追いかけ接戦を繰り広げました。12周目にジョナスが転倒し、トップ争いはルノーとガイザーの一騎打ちとなります。周回遅れを処理しながらルノーの背後につけて、チャンスをうかがっていたガイザーですが、ジャンプでショートするなどのミスもあってパッシングはならず。最終的にガイザーは、2秒のビハインドで2位となりました。エバンスは10位、フェルナンデスは15位でチェッカーを受けました。
レース2では、イン側7番目のグリッドから飛び出したガイザーが、あざやかなホールショットを取りました。一瞬ホルヘ・プラド(ガスガス)に先行されますが、すぐに逆転してガイザーがリーダーに。フェルナンデスは1周目4番手、エバンスは6番手の好位置につけました。やがて2番手はプラドからルノーに入れ替わりましたが、ガイザーは4~5秒差の安全圏を独走、周回を重ねるごとにリードを広げて行きました。一方フェルナンデスは、14周目にジョナスをパスして4番手に躍進。その後ファイナルラップにプラドも抜き去ったフェルナンデスは、見事3位をゲットしました。エバンスは今季ベストの8位。3戦連続で総合優勝(2位-1位)を飾ったガイザーは、ポイントリードを17点に広げました。
MX2 ルビーニが総合6位、フレドリクセンは総合11位
MX2クラスでは、初めてこのコースを訪れるライダーが多く、プラクティスから予選レースに向けて徐々に習熟度を上げていく取り組みが見られました。ハコン・フレドリクセン(Honda 114 Motorsports)も同様で、土曜の段階では予選レース13位。一方、2017年と2018年に出場経験のある、ステファン・ルビーニ(Team Ship to Cycle Honda SR Motoblouz)は、予選でシングルフィニッシュ8位を得ていました。
レース1では、ルビーニが10番手、フレドリクセンが13番手で1周目をクリアしました。中盤トップグループで転倒が発生したため、フレドリクセンは11番手まで上がりましたが、その後に1台先行を許し、12位でチェッカーを受けました。ルビーニは8位に食い込みました。
レース2はレッドフラッグにより再スタートとなりましたが、ルビーニが7番手、フレドリクセンが9番手で1周目を消化。2周目にはフレドリクセンが8番手に浮上し、ルビーニを追走しました。中盤以降は後方からのアタックを受ける展開が続き、フレドリクセンは10位でフィニッシュ。一方ルビーニは、総合6位(8位-8位)に入賞しました。