ガイザーが今季初のパーフェクトウイン
モトクロス世界選手権第5戦トレンティーノGPが、イタリアのピエトラムラタで開催されました。隣国スロベニアから駆け付けるファンが最も多いグランプリ会場ですが、今回はティム・ガイザー(Team HRC)がシーズン初の完全優勝(1位-1位)を飾り、気炎を揚げる応援団に応えました。
モンテカザーレ山麓にあるこのコースでは、昨年トリプルヘッダーが開催されたこともあり、今回は趣きを変えるため、周回方向が通常とは逆方向となる時計回りにアレンジされました。予選レースではガイザーがトップチェッカーを受けてポールポジションを獲得。ミッチェル・エバンス(Team HRC)も3位で通過し、2人揃って有利なゲートピックを確保しました。
MXGPクラスの決勝では、1コーナーで発生するクラッシュ対策として、イン側から6ヵ所のスターティングゲートが閉鎖されてのスタートとなりました。レース1では、ガイザーが1番目(7番目)、エバンスがその隣りをチョイス。スタートから序盤のポジションは、ガイザーが2番手、エバンスが5番手。先行するグレン・コルデンホフ(ヤマハ)に対し、ガイザーは1秒を切るマージンで追走を続け、11周目にトップに躍り出ました。終盤になると6秒以上の独走態勢を築いたガイザーですが、ラスト2周は余裕のペースダウンをしながら優勝。エバンスは13周目まで5番手を維持していましたが、そこから後続に飲み込まれ10位でゴールしました。ルーベン・フェルナンデス・ガルシア(Honda 114 Motorsports)は、スタート14番手から11位まで追い上げました。
レース2のスタートでは、ガイザーが3番手、フェルナンデスが7番手、エバンスが13番手。ガイザーは1周目にホルヘ・プラド(ガスガス)、ジェレミー・シーワー(ヤマハ)の前に出て、レースリーダーとなりました。第2集団の混戦とコースコンディションが荒れてきた状況もあり、後方では転倒が発生しましたが、ガイザーは4周目で8秒差の独走状態。その後も10秒以上のマージンを蓄え、レースの主導権を握りました。フェルナンデスは中盤に一時後退しながらも、7位に戻してフィニッシュ。エバンスは9位までポジションアップを果たしました。ガイザーは今シーズン初のパーフェクトウイン(1位-1位)によって、ポイントリードは33点となりました。今大会のフェルナンデスは総合8位(11位-7位)、エバンスは総合9位(10位-9位)を得ています。
MX2 ルビーニがシングルフィニッシュを連ね総合9位に入る
MX2クラスのタイムドプラクティスでは、ステファン・ルビーニ(TEAM SHIP TO CYCLE HONDA SR MOTOBLOUZ)が1分45秒713で11位、ハコン・フレドリクセン(Honda 114 Motorsports)が1分45秒754で12位という僅差の争いになりました。予選レースでは、ルビーニが9位、フレドリクセンは12位に入り、各々決勝レースでのゲートピックを得ました。
レース1のスタートでは、ルビーニが8番手、フレドリクセンが18番手。序盤は混戦の中でポジションを落とすこともありましたが、ルビーニはトップ10のボーダーライン前後、フレドリクセンはやや遅れて16番手付近を走行していました。レース後半に差しかかると、ルビーニは自己ベストラップを更新しながら、アイザック・ギフティング(KTM)を抜いて9位をゲット。フレドリクセンは20位まで後退してレースを終えました。
レース2では、ルビーニが9番手、フレドリクセンが22番手で1周目をクリアしました。トップ数台の後方では、あまり差がない10台ぐらいのグループによる接戦が続きましたが、ルビーニはシモン・レンゲンフェルト(ガスガス)をパスして8番手に浮上しました。フレドリクセンの追い上げも順調で、中盤には14番手に到達。最終的にルビーニは9位、フレドリクセンは15位でフィニッシュしました。