Team Honda HRCは、450SXクラス参戦3年目を迎えるチェイス・セクストンと、今年から新加入となる21年250SX東地区チャンピオン、コルト・ニコルズというチーム体制で新シーズンに挑んだ。

タイトルを争うセクストン
ニコルズはケガで4戦欠場に

 1月7日、エンゼル・スタジアム・オブ・アナハイムで行われた開幕戦。セクストンが一時はトップに立つなどドラマチックなレースをみせて3位表彰台に上がり、シーズンの好スタートを切った。クラスデビュー戦となったニコルズはいきなりホールショットを奪う活躍をみせ、最終的に6位でフィニッシュ。250SXチャンピオンの実力の片鱗をみせた。

今シーズンは第4戦アナハイム、第7戦アーリントン、第12戦グレンデールの3大会にて、決勝3レース制「トリプルクラウン」が適用された。これは、12分+1周という短いレースフォーマットで3レースを行い、総合成績に対してシリーズポイントが付与される。シーズン最初のトリプルクラウンが行われた第4戦、セクストンはレース1、レース3でトップチェッカーを受け、今季初勝利。続く第5戦、第6戦で2位に入ったセクストンは、ポイントリーダーを2点差までに迫っていく。一方のニコルズはセクストンが上位フィニッシュを続けて首位を争う中、第8戦の計時予選でクラッシュ、脳震とうを起こしてしまい、第11戦までの欠場を余儀なくされた。 

シーズン折り返しの第9戦インディアナポリス。セクストンは7周目に転倒、10位となるも、ポイントランキングは3位をキープ。第10戦はイリノイ州出身のセクストンにとってホームグラウンドの1つといえる、デトロイトでのレース。1周目7番手とやや出遅れたものの、最初の5分で2番手争いの集団に追いつき、折り返しまでに2番手へ。ラスト2周でトップに立ち、今シーズン2度目の勝利を飾った。

終盤3連勝でセクストンがチャンピオン獲得

トリプルクラウンの第12戦ではニコルズが復帰し、3レースともに8位と安定した走りをみせた。第13戦アトランタでは、セクストンが1周目からトップに立つとそのまま独走、シーズン3勝目をマーク。ナッシュビルでの第15戦では、セクストンがスタートで5番手につけると、ランキング首位を争うライバルをかわしてトップに浮上、2位に14.5秒の差をつけて優勝し、ポイントランキングも2位へ。ニコルズも450SXの自己ベストとなる4位入賞と好成績を収めた。

第16戦でもセクストンは勝利し2連勝。このレースでチャンピオン争い中のライバル、イーライ・トマック(ヤマハ)が転倒してノーポイントに終わり、シーズン残り1戦でセクストンはついにポイントリーダーとなる。

  タイトルに王手をかけて臨んだ最終戦。セクストンは好スタートでホールショットを奪うと、そのまま25周全ラップにわたって独走を貫き、2位に18秒の差をつけてフィニッシュ。6勝目を挙げてシーズンを締めくくり、450SXクラス3年目にして自身初、Hondaとしては20年ぶりの最高峰クラス制覇を成し遂げた。

ニコルズは2度の負傷で5戦を欠場したものの、ランキング14位で450SXルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。

【250SX】ローレンス兄弟が東西両地区を制す

Team Honda HRCの250SXクラスは、昨季イーストチャンピオンのジェット・ローレンスがウエストシリーズに、ハンター・ローレンスと新加入のチャンス・ハイマスがイーストシリーズに参戦。東西制覇達成を目指してシーズンに臨んだ。

ジェット・ローレンスは開幕戦アナハイムで勝利を挙げて好スタートを切ると、その後も安定して勝利を重ね、9戦中6勝、全戦で表彰台登壇という圧倒的な成績を残し、タイトルを獲得。2年連続のタイトルで、250SX東西制覇を成し遂げた。

第5戦から始まったイーストシリーズでは、ハンター・ローレンスが躍動。開幕から6戦中5勝してシリーズをリードした。ナッシュビルで行なわれた第15戦でシーズン7勝目を挙げ、初の250SXイーストチャンピオンに輝いた。

第5戦から第8戦までの4戦に参戦したハイマスは、250SXデビューシーズンながらもトップ10フィニッシュを続け、第8戦で6位のベストリザルトを残した。

ウエストをジェット・ローレンス、イーストをハンター・ローレンスが制したことで、史上初となる兄弟での250SX東西制覇を達成。450SXも合わせて、Team Honda HRCは単一チームでは史上初の3冠達成と、記録ずくめのスーパークロスシーズンとなった。

Race Report

Rd.01 アナハイム1：ドラマチックなレースを演じたセクストンが3位表彰台をゲット

Rd.03 サンディエゴ：セクストンが転倒後の追い上げでトップ5フィニッシュを果たす

Rd.04 アナハイム2：セクストンがトリプルクラウンを制し(1-5-1)今シーズン初優勝を飾る

Rd.05 ヒューストン：セクストンが2位入賞を果たしランキング単独2位へ

Rd.06 タンパ：セクストンがランキング首位に2ポイント差と迫る

Rd.02 オークランド：セクストンが3位ポディウム登壇を果たす

Rd.07 アーリントン：今シーズン2度目のトリプルクラウン実施ラウンドでセクストンが総合2位(3-3-2)に入賞

Rd.08 デイトナ：セクストンが3位表彰台をゲット、三つ巴のタイトル争いは続く

Rd.09 インディアナポリス：セクストンがクラッシュしながらもランキング3位をキープ

Rd.10 デトロイト：セクストンが今シーズン2勝目を挙げる

Rd.11 シアトル：ランキング3位のセクストンが痛恨のクラッシュで連勝を逃す

Rd.12 グレンデール：セクストンがレース2で勝利しトリプルクラウン2位をゲット

Rd.13 アトランタ：Team Honda HRC完勝! 450SXではセクストンが今季3勝目をマーク

Rd.14 イーストラザフォード：セクストンが生き残りをかけたマディレースで4位完走

Rd.15 ナッシュビル：Team Honda HRCがダブルウインを達成。ハンター・ローレンスが初のタイトル獲得

Rd.16 デンバー：今季5勝目を挙げたセクストンがランキングトップに浮上

Rd.17 ソルトレイクシティ：セクストンが450SXチャンピオンに輝き、Hondaに20年ぶりの最高峰タイトルと今季三冠制覇をもたらす

450SX - ポイントランキング

250SX East - ポイントランキング

250SX West - ポイントランキング