FIA Formula 2

【FIA F2 2023総集編】岩佐3勝でランキング4位 スーパーライセンス取得条件を満たす

全14戦で行われた2023年のFIA F2選手権には、2年目の岩佐歩夢(DAMS)が参戦した。 岩佐はホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)の一環としてヨーロッパを拠点に活動しており、20年にはフランスF4選手権でチャンピオンを獲得。21年はFIA F3選手権、22年にはFIA F2選手権にステップアップを果たし、2勝を挙げて総合ランキング5位。2年目となった23年シーズンはタイトル獲得を目指して戦いを繰り広げた。

【FIA F2 2023総集編】岩佐3勝でランキング4位 スーパーライセンス取得条件を満たす

スプリント初優勝をマーク
ランキングトップに浮上

バーレーンで行われた開幕戦。シーズン最初のレースとなったスプリントレースでは、4位入賞を果たし5ポイントを獲得。フィーチャーレースでも8位に入賞し、まずまずのスタートを切った。

第2戦サウジアラビアでは予選6番手を獲得。リバースグリッドとなるスプリントレースでは2列目4番手からスタートを切ると、2番手で第1コーナーへ。2周目でトップに立つと、その後の接近戦を制してトップでチェッカーを受け、スプリントレース初勝利をマーク。フィーチャーレースでは4位に入賞し、ランキングは3位に浮上した。


岩佐歩夢/第2戦サウジアラビア
岩佐歩夢/第2戦サウジアラビア

続く第3戦オーストラリアでは、予選でポールポジションを獲得。フィーチャーレースで好スタートを切った岩佐はトップを守って1周目を終え、その後ピットインし5番手でレースに戻った。徐々に順位を上げて、セーフティカーの導入タイミングで首位に浮上。最後は残り3周でのリスタートを危なげなくこなし、トップでチェッカー。今季2勝目を挙げて、トータル58ポイントでシリーズランキング1位に浮上した。

第4戦アゼルバイジャンではトラブルにも見舞われてノーポイントに終わり、ランキング3位に後退。第5戦イタリア大会は豪雨災害のため中止となり、第6戦はモナコの市街地コースで開催された。スプリントレースで2番グリッドからスタートすると、6周目にはトップへ。2番手に迫られる場面もあったが、最終的に6.6秒の差をつけてトップでゴール。今季3勝目を挙げた。


岩佐歩夢/第6戦モナコ
岩佐歩夢/第6戦モナコ

第8戦オーストリアのフィーチャーレースでは、16番手スタートから大きく順位を上げて、最後はトップと0.4秒差の2位でフィニッシュ。第10戦ハンガリーのスプリントレースでも2位表彰台を獲得するなど、好調を維持してサマーブレイクを迎えた。

最終盤のタイトル争い

サマーブレイク前(第11戦ベルギー終了)の時点で、岩佐はランキング3位。3戦を残してトップとの差は34ポイントで、チャンピオンの可能性を残していた。

第12戦オランダは波乱のレース展開となり、ノーポイントに終わった岩佐。続く第13戦イタリアのスプリントレースはマシントラブルでリタイアとなったが、フィーチャーレースでは15番手スタートから大きくばん回して、2位表彰台を獲得。ランキング3位をキープして、最終戦へ向かうこととなった。


岩佐歩夢/第13戦イタリア
岩佐歩夢/第13戦イタリア

そして迎えた最終戦アブダビでは、スプリントレースで8位に入賞。シーズン最後のレースとなったフィーチャーレースでは、スタート直後から激しいポジション争いが始まり、1周目を4番手でクリア。25周目に全車がタイヤ交換を終えたところで、岩佐は3番手。終盤はペースが上がらず、1つポジションを落として4位でフィニッシュ。

最終戦でランキングは4位となったが、F1参戦に必要なスーパーライセンス取得の条件をクリア。着実にF1へのステップを踏んだ岩佐は、24年シーズンはスーパーフォーミュラへ参戦することが発表されている。


Race Report

Rd.01 カタール:岩佐は終盤タイヤに苦しみながらも8位に。開幕戦2レースで連続入賞を果たす

Rd.02 サウジアラビア:5番手スタートの岩佐、ペースに苦しみながらも4位入賞。開幕から4レース連続でポイントを獲得しランキング3位

Rd.03 オーストラリア:岩佐、ポール・トゥ・ウインで今季2勝目。シリーズランキングトップに浮上

Rd.04 アゼルバイジャン:17番手スタートの岩佐は12位フィニッシュ。タイヤ戦略で上位を狙うも、入賞には届かず

Rd.06 モナコ:岩佐、9番手からスタートし10位入賞。タイヤ戦略がうまくいかず上位進出を逃す

Rd.07 カタルニア:岩佐、4番手スタートから4位フィニッシュ。終盤、後続の猛追をしのぎ12ポイントを獲得

Rd.08 オーストリア:16番手スタートの岩佐が2位表彰台を獲得。最終周トップに迫るもわずかに届かず

Rd.09 イギリス:3度のセーフティカーが導入される波乱のレース。岩佐は3番手スタートから好スタートでトップに立つも、ペースが上がらず5位でフィニッシュ

Rd.10 ハンガリー:6番手スタートの岩佐は4位入賞。上位との差を縮めランキング3位をキープ

Rd.11 ベルギー:16番手スタートの岩佐、1周目にアクシデントで無念のリタイア。シリーズランキングは3位をキープ

Rd.12 オランダ:ウエットが混じるコンディションで波乱のレース展開に。12番手スタートの岩佐は、アタックでコースオフし13位に終わる

Rd.13 イタリア:15番手スタートの岩佐は、波乱のレースで2位表彰台獲得

Rd.14 アブダビ:岩佐は4位入賞 シリーズランキング4位で23年シーズンを終える


ポイントランキング

Pos. Rider Num. チーム Constr. Pts
1 Théo POURCHAIRE 5 ART Grand Prix ART Grand Prix 203
2 Frederik VESTI 7 PREMA Racing PREMA Racing 192
3 Jack DOOHAN 14 Invicta Virtuosi Racing Invicta Virtuosi Racing 166
4 Ayumu IWASA 11 DAMS DAMS 165
5 Victor MARTINS 6 ART Grand Prix ART Grand Prix 149
6 Oliver BEARMAN 8 PREMA Racing PREMA Racing 130

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