ボウ世界選手権通算200勝

　開幕戦は6月12日、スペイン・タラゴナで行われた。初日、トニー・ボウは2位、ガブリエル・マルセリは6位で終えた。しかし2日目には前日のミスを改善し、それぞれ1位、5位と順位を上げた。

第2戦はアンドラで行われた。滑りやすい川に用意された厳しいセクションを前に、ボウは初日にミスが続き、長年のライバルであるアダム・ラガ(TRRS)に勝利を明け渡す結果となった。しかし総合ランキングではボウがトップをキープ。3試合を終えた時点で2位に8ポイント差をつけることができた。マルセリはこの大会で総合6位に。
2日目、ボウは本来の調子を取り戻し見事勝利。ボウはインドア・アウトドアあわせて個人世界選手権200勝という金字塔を打ち立てた。

ボウ、トップで前半戦を終える

　ドイツ・ノインキルヒェンで迎えた第3戦、初挑戦となるセクションにボウも苦労させられたが最初から最後までトップをキープ。20ポイントを獲得し、総合2位との差を18ポイントとした。

　2日目は嵐の後のレースとなり難易度が上がったが、この日はトニー・ボウ、ハイメ・ブスト(ベルティゴ)、マテオ・グラタローラ(ベータ)の3人を主役とした激しいトップ争いとなった。ボウはこの大接戦を制し総合2位との差は23ポイントに拡大。ここから独走状態を築き始めていった。

一ヶ月余りの夏休みが終了し、後半戦の始まりはベルギーの田舎町コンブラン・オ・ポン。ボウはこの日も僅差で制し、幸先のいい後半戦スタートを切った。マルセリは強敵を相手に互角の戦いを演じ、4位入賞の好成績をおさめた。

フランス・カオールでの第5戦。ボウは減点を少なく抑え、2ラップ目では2位に倍以上の差をつける圧勝となった。マルセリは1ラップ目6位。しかし2ラップ目では1ラップ目の失敗をほとんど修正してぐいぐいとスコアを好転させていった。1ラップ目と2ラップ目の総合順位は3位と1点差の4位となり、惜しくも表彰台は逃したものの総合ランキングを6位に上げた。

またしても圧倒的な強さでタイトル防衛

　最終戦はイタリア。アルプスの麓に位置する新会場ポンテ・ディ・レーニョで、2日間にわたって行われた。高い標高、生い茂る樹木、滑りやすい岩、連続する川もあるセクションとなっていた。初日、ボウは2位に入り、この結果をもってボウは総合2位のライダーに44ポイント差で、X-Trialと合わせて通算32個目のタイトルを決定した。マルセリは最後のセクションまで表彰台争いに加わり力強く走り抜き、4位を獲得。総合6位をキープし、2日目を残して総合5位との差はわずか2ポイントとなった。

イタリアでの2日目、ボウは最後まで力を抜かず、2位にダブルスコア以上の差をつけ圧勝。マルセリは1ラップ目にミスを重ねるも2日目に素晴らしいパフォーマンスで追い上げた。表彰台には届かなかったが、ランキングを一つ上げて、Repsol Honda Teamでの最初のシーズンを総合5位で終えた。

Race Report

Rd.01 スペイン(Day 1)：開幕戦でトニー・ボウが2位表彰台獲得

Rd.01 スペイン(Day 2)：激戦の末、トニー・ボウが1点差で勝利。ガブリエル・マルセリは5位

Rd.02 アンドラ(Day 1)：アンドラトライアルGP初日、トニー・ボウは2位獲得

Rd.02 アンドラ(Day 2)：トニー・ボウ、アンドラの2日目に本領発揮で世界選手権200勝

Rd.03 ドイツ(Day 1)：トニー・ボウ、ドイツで大勝利、ランキングリードを広げる

Rd.03 ドイツ(Day 2)：ボウがドイツで完全勝利しリーダーの座を確たるものに

Rd.04 ベルギー：トニー・ボウ、最後の最後に逆転勝利でポイントリードを広げる。マルセリは4位

Rd.05 フランス：トニー・ボウ、圧勝で勝利を重ね、16回目のタイトルに王手

Rd.06 イタリア(Day 1)：トニー・ボウ、16回目のアウトドア世界タイトルを獲得

Rd.06 イタリア(Day 2)：トニー・ボウ、圧勝の最終戦で2022年シーズンを締めくくる。マルセリはランキング5位を獲得

Trial - ポイント