世界選手権トライアルGPは2022年第3戦をドイツで迎えました。ドイツでのトライアルGPはこの6年間、開催されていませんでした。久々にドイツに戻ってきたトライアルGPです。会場のノインキルヒィンはこれまでになかった新しい会場で、設営されていたセクションはトリッキーでハイレベル、ライダーを苦しめるものになっていました。人工的に配置された岩も難度が高いものでしたが、斜度のきつい森の中のセクションも、今回の勝負のハイライトの一つでした。特に第11セクションは、結局最後まで、誰も抜け出すことができませんでした。たいへんな難関だったことがわかります。
トニー・ボウは、この新しく難度の高い会場で、圧倒的勝利をおさめました。さすがのボウも第11セクションには苦労させられ、ふたつの5点をマークしてしまいましたが、それでも全体的には最初から最後までトップを守り、その実力を遺憾なく発揮して勝利へ突き進みました。ボウの減点は29点、2位が39点ですから、圧勝といっていいでしょう。それにもまして今回の収穫は、ランキングポイントで、さらに大きなリードを築いたことでした。優勝して20ポイントを新たに獲得したボウは、タイトル争いのライバルに18ポイント差。シーズン序盤から中盤にかけてのこの時期にこの点差は、見事というしかありません。
ボウのチームメート、Repsol Honda Teamのルーキー、マルセリにとって、ドイツの初日はあまりいい日とはなりませんでした。マルセリは過去に負った左足のケガの回復途中に感染症を患ってしまい、その影響もあって、1ラップ目には慎重すぎるライディングとなってしまったようです。マルセリはこの日8位でゴールして、シリーズランキングは7位となっています。
トライアルGPドイツ大会は、翌日日曜日にも、同じノインキルヒェンで開催です。最初のライダーのスタートは午前9時となっています。