Day 1
TrialGP 2022
Round 4

トニー・ボウ、最後の最後に逆転勝利でポイントリードを広げる。マルセリは4位

be Comblain au Pont

日曜日1日のみの開催となるベルギーGP。今回もまた、コンブラン・オ・ポンが会場に選ばれました。16年連続のタイトル獲得を目指すトニー・ボウは、最後の1セクションまで勝負の行方がわからない大接戦を僅差で制し、幸先のいい後半戦スタートを切りました。ガブリエル・マルセリは、強敵を相手に互角の戦いを演じ、4位入賞の好結果を得ています。

トニー・ボウ、最後の最後に逆転勝利でポイントリードを広げる。マルセリは4位

1カ月ちょっとの夏休みが終わって、トライアルGPの後半戦がスタートしました。後半戦のはじまりは、西ベルギーの田舎町、コンブラン・オ・ポンをパドックとする深い森の会場でした。ライダーに要求されるものは多岐にわたり、グリップのほとんどない地形をどう克服するか、すべてのライダーが頭をかかえるものとなりました。

ボウは、ベルギーで見事な勝利をつかみとり、チャンピオンシップポイントのリードをさらに広げることになりました。16連覇に向け、その体制も盤石です。しかし今回の戦いは、ボウにとっても簡単ではありませんでした。大会序盤から終盤まで、ボウは2位の座に甘んじながら、じっと勝機を狙っていました。残すところ3セクションとなってライバルがミス、ここでようやくボウにチャンスが訪れたのです。残るセクションをきっちりと走りきって、ボウは今シーズン5回目の勝利を飾りました。そしてこの勝利は、ボウのこの会場で5回目の勝利ともなりました。アウトドア世界選手権全体を見れば、今回の勝利はボウの130回目の勝利となります。

チャンピオンシップポイントを見ると、ボウは5回の勝利と2回の2位で、134ポイントを獲得しています。2位の選手には26ポイント差。これは勝利1回以上の点差となり、大差を築いたといっていいでしょう。しかしまだまだ油断は禁物です。今日の勝利が最後の最後につかみ取ったものであるように、すべての戦いは最後の最後まできっちり戦い抜かなければなりません。

ボウのチームメート、今年チーム入りをしたマルセリは、今回もまた積極的な試合運びを見せてくれました。夏休み前のマルセリはけがからの復調に悩んでいましたが、その悩みはすっかり解消しました。1ラップ目にはすばらしいパフォーマンスを見せて暫定3位となります。2ラップ目、マルセリは1ラップ目の失敗を克服し、さらに好スコアをマークするのですが、上位争いはたいへんにし烈でした。そしてマルセリは、最終的に4位を得て、ベルギー大会を終了するに至ったのです。マルセリのチャンピオンシップポイントは72点。ランキングは7位のまま変わりませんが、ランキング6位とは同ポイント、ランキング5位ともわずか2点差なので、今後の戦いが楽しみです。

TrialGP世界選手権の次戦は、フランスのカオールで1週間後の8月28日に開催されます。


Toni Bou
Toni Bou 1
Repsol Honda Team
たいへんな大接戦でした。ミスができない戦いだったのですが、1ラップ目の第3と第11セクションでミスをして、多くのポイントを失ってしまいました。2ラップ目はミスのないようにと心を引きしめて挑みましたが、第2セクションでクリーンを狙ったところが大きなミスにつながってしまいました。さらにまた、戦況を打破しようとリスクを冒す選択をしたために、かえって状況が厳しくなってしまったのです。しかしその後の私はよい走りをキープでき、ゴールに集中し続けました。結果、最後に勝利をつかむことができました。この勝利は、たいへんに重要で、大きな勝利です。この会場は、私が得意とするものではありませんが、それでもライバルを追いつめ、そして逆転する過程では、落ち着いてライディングすることができました。勝利を得て、チャンピオンシップのリードをさらに広げられたのは、とてもすばらしい結果となりました

Gabriel Marcelli
Gabriel Marcelli 38
Repsol Honda Team
今回の会場は、クラシックなトライアルのスタイルで、昔ながらのライディングスキル、マシンの扱い方が要求されたように思います。今回の私のパフォーマンスについて、私自身はとても満足しています。というのも、こういうシチュエーションのトライアルは、私の得意とするものではありません。そんな中でこの走りができて、この結果を得られたのは、とても大きな収穫となりました。序盤はやや苦労をしてしまったのですが、すぐに乗り方を修正してなすべき方向を獲得できました。こういうコンディションでの4位入賞は、もちろんいい結果ですし、選手権の戦いの仕上げに向けても、すばらしいものになったと思います。まだ上の順位はありますし、さらに上位が欲しかった、表彰台に乗りたかったという思いもありますが、今日のところはたいへんよい結果だったのだと思っています

Takahisa Fujinami
Takahisa Fujinami
Repsol Honda Team
ボウの勝利はすばらしいものでした。1ラップ目、ボウは第3と第11で大失敗をして、それがボウの勝利への道を大きくさまたげるものに見えました。実際、1ラップ目のボウは2位でした。そこから追い上げなければいけない2ラップ目、第2セクションで再びの5点。しかしそこからも立ち直って、最後には勝利したのですから、これは見事というしかありません。最終結果を見ると、そこそこの大差のようにも見えますが、終盤戦に至っても、レースはたいへんな大接戦でした。

マルセリについては、1ラップ目で3位となっていました。2ラップ目、2位、3位を狙うべく最後までがんばったのですが、第8、第11、ふたつのセクションでミスをおかして、4位に後退してしまったのは残念でした。しかし彼は、今回の結果を誇っていいと思います。今年は選手権の戦いもまた大変に接戦です。マルセリのランキングはまだ7位のままですが、残る終盤戦でポジションを上げるために、今回の4位は大きなジャンプボードになったと思います。次のフランスのカオールで、ボウとマルセリがともに表彰台に上がるよう、祈っています


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