1カ月ちょっとの夏休みが終わって、トライアルGPの後半戦がスタートしました。後半戦のはじまりは、西ベルギーの田舎町、コンブラン・オ・ポンをパドックとする深い森の会場でした。ライダーに要求されるものは多岐にわたり、グリップのほとんどない地形をどう克服するか、すべてのライダーが頭をかかえるものとなりました。
ボウは、ベルギーで見事な勝利をつかみとり、チャンピオンシップポイントのリードをさらに広げることになりました。16連覇に向け、その体制も盤石です。しかし今回の戦いは、ボウにとっても簡単ではありませんでした。大会序盤から終盤まで、ボウは2位の座に甘んじながら、じっと勝機を狙っていました。残すところ3セクションとなってライバルがミス、ここでようやくボウにチャンスが訪れたのです。残るセクションをきっちりと走りきって、ボウは今シーズン5回目の勝利を飾りました。そしてこの勝利は、ボウのこの会場で5回目の勝利ともなりました。アウトドア世界選手権全体を見れば、今回の勝利はボウの130回目の勝利となります。
チャンピオンシップポイントを見ると、ボウは5回の勝利と2回の2位で、134ポイントを獲得しています。2位の選手には26ポイント差。これは勝利1回以上の点差となり、大差を築いたといっていいでしょう。しかしまだまだ油断は禁物です。今日の勝利が最後の最後につかみ取ったものであるように、すべての戦いは最後の最後まできっちり戦い抜かなければなりません。
ボウのチームメート、今年チーム入りをしたマルセリは、今回もまた積極的な試合運びを見せてくれました。夏休み前のマルセリはけがからの復調に悩んでいましたが、その悩みはすっかり解消しました。1ラップ目にはすばらしいパフォーマンスを見せて暫定3位となります。2ラップ目、マルセリは1ラップ目の失敗を克服し、さらに好スコアをマークするのですが、上位争いはたいへんにし烈でした。そしてマルセリは、最終的に4位を得て、ベルギー大会を終了するに至ったのです。マルセリのチャンピオンシップポイントは72点。ランキングは7位のまま変わりませんが、ランキング6位とは同ポイント、ランキング5位ともわずか2点差なので、今後の戦いが楽しみです。
TrialGP世界選手権の次戦は、フランスのカオールで1週間後の8月28日に開催されます。