ノインキルヒェンの木々が生い茂った深い森は、その勝負を厳しいものに演出しました。土曜日にセクションの難易度は確認ができましたが、土曜日の表彰式の後にあったちょっとした嵐で、また難度が異なることになりました。そんな中、ボウはスタート直後からその実力を遺憾なく発揮し始めたのでした。
この日のハイライトは、ボウを含む、ハイメ・ブスト(ベルティゴ)、マテオ・グラタローラ(ベータ)の3人を主役とした激しいトップ争いでした。ボウは1ラップ目を2位で終え、2ラップ目もライバルとの緊迫した戦いを続けることになりました。勝負は残り2セクションになってもまだ決着をみません。この最後のセクションをきっちりと走りきって、ボウはこの大接戦を見事勝利することになったのでした。
ボウのこの勝利は、2011年のドイツ大会で勝利、2016年ゲフレースで2勝、そして今回の2勝と、ドイツGP5連勝を意味します。久しぶりに開催されたドイツ大会で、トニー・ボウの存在感を改めて知らしめることになりました。そしてまた、今回の2連勝で、チャンピオンシップポイントのリードをさらに広げることになりました。ドイツGPを終えてボウのポイントは114ポイント。ボウを追うランキング2位の選手には23ポイントの差をつけて、独走状態を築き始めています。
ガブリエル・マルセリは、ドイツGPの2日目で積極的なトライに取り組みました。負傷している左足は改善なく、マルセリには逆境となりましたが気持ちは前向きで、負傷に負けていませんでした。マルセリは最後の最後まで5位獲得のチャンスを持ちながら、最終的には6位がこの日の順位となりました。チャンピオンシップランキングでは、引き続き7位。マルセリの獲得ポイントは59ポイントとなります。
3大会6試合を終えて、2022年トライアルGPは折り返しを迎えました。これからトライアルGPは、5週間の夏休みを迎えます。夏休み明けの8月20日と21日、コンブレン・オー・ポンを舞台としてベルギーGPが開催されます。ベルギーGPの大会は、日曜日だけの1日制で行われます。