全日本トライアル選手権

【2022シーズン総集編 IAS】小川友幸が10連覇達成。氏川はクラス初勝利を挙げランキング3位

2022年全日本トライアル選手権IASクラスは、コロナ禍の影響で一部大会中止を余儀なくされた2021年とは異なり、全8戦がつつがなく行われた。TEAM MITANI HondaはRTL300Rを2台投入。前人未到10連覇を狙う小川友幸と、クラス初優勝を目指す氏川政哉が参戦した。

【2022シーズン総集編 IAS】小川友幸が10連覇達成。氏川はクラス初勝利を挙げランキング3位

悪条件に苦戦した開幕戦

開幕戦を飾る中部大会が開かれたのは、昨年の最終戦が行われたキョウセイドライバーランド。前日の悪天候が災いして、クリーンばかりか5点をとることなく走りきることも難しいというコンディションの中、全日本9連覇中の小川友幸(TEAM MITANI Honda)は2ラップ目でトップと9点差の2番手、氏川は3番手につき奮闘した。しかし小川、氏川ともに惜しくもSS第2で5点となってしまい小川は2位、氏川は4位で試合が終了。開幕戦はTEAM MITANI Hondaにとって苦い結果となった。


小川友幸/第2戦九州大会
小川友幸/第2戦九州大会

小川が3連勝でランキングトップへ

苦い思いを払拭したい第2戦、九州大会。小川は前半、第3・第10での5点以外は最小減点で走り抜け、2番手に9点の大差をつけ引き離した。一方の氏川はゲートマーカー接触などの減点が続き、5点が5つに及ぶという苦しい状況に。ばん回を狙う氏川は途中4位にまで順位を上げるも、SSで減点が続き、6位という悔しい結果に終わる。小川友幸は2ラップ目に小川毅士(ベータ)に逆転されるも、SSで好成績を残し再逆転、今季初勝利を挙げた。また、ポイントランキングでもトップに立ち、今後に期待が高まる結果を残した。


小川友幸/第3戦関東大会
小川友幸/第3戦関東大会

続く第3戦、関東大会は小川が圧巻の走りを見せた。1ラップ目ではほとんどのセクションをクリーンで走り抜け、2ラップ目にして2番手に倍以上の大差をつけて優勝を決定的なものに。SSでは観客を楽しませる走りを見せて、モビリティリゾートもてぎに集まったファンを沸かせた。

氏川は3番手でSSに進み、逆転2位も狙える状況ではあったものの、SS第2で細かいミスを出してしまい3位に。今シーズン初めて表彰台に上がり、ひとまず安心するとともに、さらに上の順位を目指す姿勢を見せた。


小川友幸/第4戦北海道大会
小川友幸/第4戦北海道大会

第4戦はコロナ禍で2年連続中止となっていた北海道大会。
小川は遅いスタート順の優位性を捨て最速でセクションを回ったにも関わらず正確な走行を重ね、3ラップ目はついに7セクション全てをクリーンしてみせた。この好成績によって、SSを待たずに小川の優勝は決定的となった。氏川も1ラップ目では5点を出してしまうなど不安定な部分があったものの、SS第2では華麗なトライを見せ2位に。小川氏川の1-2フィニッシュで北海道大会は幕を閉じた。


氏川政哉/第5戦City Trial Japan
氏川政哉/第5戦City Trial Japan

負傷で厳しい戦いも首位をキープ

第5戦は、こちらも3年ぶりとなる大阪で2日間にわたって開かれたCity Trial Japan。全日本選手権の一戦として開催されるのは初めてのことであった。
1日目の予選では小川が8セクションオールクリーンという圧巻の走りを披露。氏川も3番手につけ、2日目に希望が持てる結果に終わった。
しかしながら2日目、前日は絶好調であった小川が一転、最初のセクションで失敗し、2ラップ目でも飛び降りた際に古傷の足首を痛めてしまうイレギュラーな事態に。氏川はファイナルの3つ目のセクションで5点を出したものの順調に3位を獲得、小川は前半のミスが響き5位で表彰台を逃すという波乱の結果となった。


小川友幸/第6戦中国大会
小川友幸/第6戦中国大会

シーズンも終盤に差し掛かる第6戦中国大会。前回の結果をばん回したい小川だが、ケガの影響もあってなかなか思うようなライディングができず、2ラップ目を終えて3番手、それも2~4番手が同点という大接戦に持ち込まれる。SSでは確実にクリーンしていったものの、あと一歩のところで2位に終わった。氏川はミスが続いてしまい6位と芳しくない結果に終わってしまう。


氏川政哉/第7戦近畿大会
氏川政哉/第7戦近畿大会

クラス5年目念願の初優勝

ヒルクライムや大岩を使った難セクションが待ち受ける第7戦近畿大会。小川が2ラップ目ではクリーンなしとなり、今大会の難しさが見て取れる。そんな中で、氏川が2つのクリーンをたたき出し、トップに躍り出る。SSで小川は逆転を狙ったが、SS第2で失敗したことで逆転かなわず3位。氏川はIASクラス昇格5年目にして念願の初優勝を成し遂げた。

10連覇&12度目のチャンピオン

そして迎えた最終戦東北大会。ランキングトップの小川は、5位に入ればタイトルが確定するという状況の中、スポーツランドSUGOのセクションに挑んだ。
1ラップ目、小川は2番手に4点差をつけトップに躍り出る。続く2ラップ目は減点をわずか4点に抑え、SS1つ目でクリーンしたことで優勝を確定。最終戦を勝利で締めくくり、史上初の10連覇、史上最多12回目のタイトルを獲得。氏川は3位に入り、昨年と同じランキング3位に滑り込んだ。


小川友幸/第8戦東北大会
小川友幸/第8戦東北大会

ケガのハンデがある中で、4勝を挙げて王座を守り切った小川、悲願のクラス初優勝を成し遂げた氏川。TEAM MITANI Hondaにとって充実の2022年シーズンが幕を閉じた。



IAS ポイントランキング

Pos. Num. ライダー マシン 総合ポイント
1 1 小川友幸 Honda 167
2 2 黒山健一 ヤマハ 147
3 3 氏川政哉 Honda 126
4 4 野崎史高 ヤマハ 125
5 5 柴田暁 TRRS 95
6 6 小川毅士 ベータ 79
8 9 武井誠也 Honda 52
12 10 藤原慎也 Honda 32
15 17 村田慎示 Honda 14

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