小川友幸、最後に堂々の逆転優勝 氏川政哉は6位となる
全日本選手権トライアルは、第2戦に熊本県へやってきました。矢谷渓谷トライアル場を舞台としたトライアルは6年ぶりとなります。
天気は雨予報で、かなり厳しい戦いが予想もされたのですが、朝まで降った雨はスタートする頃にはほとんど止んで、その後はおおむね曇り模様の中、競技は進むことになりました。前回中部大会は雨でたいへんなコンディションでしたが、今回の雨はそこまで泥沼化することなく、しかし滑るところは思いきり滑る、難しいトライアルとなりました。
前半、好調なスコアを積み上げたのは小川友幸(TEAM MITANI Honda)でした。結果的に全員5点となった第3、第10での5点以外は1点、2点と最小減点で走り抜け、1ラップ目のスコアは15点。2番手に9点差、大差といっていいアドバンテージを築きました。
一方、氏川政哉(TEAM MITANI Honda)は、ゲートマーカー接触などの減点が多く、1ラップ目の5点は5つにも及んでしまいました。1ラップ目は減点30点。7番手で折り返して、巻き返しを図ります。
2ラップ目、今度は小川友幸に不運な5点が重なります。第5、第6と、1ラップ目にはきっちり抜けていたセクションで連続5点となるなど、5つもの5点で減点は28点、1ラップ目のアドバンテージを切り崩してしまいます。
10セクション2ラップが終わってSSを前に、小川友幸は2番手。トップは2ラップ目に追い上げた小川毅士(ベータ)でしたが、しかしその差は1点。SSでの逆転を誓います。
2ラップ目の氏川のスコアは22点。2ラップ目では、小川毅士の16点に次ぐ好スコアをマークしました。7番手から一気に4番手まで順位を戻して、SSに挑みます。
SS第1は、苔むした2段の登りをクリアしていく難セクションでした。ここで氏川は失敗、5点となってしまいます。クリーンするのは難しいセクションでしたが、3点で抜け出る選手がいた中、氏川は4番手までばん回していたポジションを再び落としてしまいました。
小川友幸はここを3点で抜けて、小川毅士が5点となったため、トップに1点差だった小川友幸でしたが、ここで1点差ながら逆転トップに立ちました。そしていよいよ、最後のSS第2です。
前半に設けられた空中丸太は非常に滑りやすくテクニカルでしたが、見どころは強烈なヒルクライム。斜度がきつく、距離が長く、走破は限りなく不可能に思われました。しかし、うまくスピードを乗せて全開で挑むと、かすかなチャンスが生まれることがわかると、トップグループにはこのセクションを走破する使命が生まれました。
氏川はここでも5点となって、今回の順位は6位。5位に3点差の悔しい結果となりました。
そして小川友幸のトライ。小川はうまく加速をつなげ、3点でマシンを頂上に運び上げました。この難セクションでは、まず上出来の結果といっていいでしょう。最後にトライした小川毅士は登りきれずの5点。小川友幸の優勝が決定です。
開幕戦2位、そして今回勝利の小川友幸は、これでポイントランキングでもトップに立つことができました。しかもランキング2位には9ポイント差、第2戦を終えてのアドバンテージとしては、大きなものとなりました。
次回は6月5日、モビリティリゾートもてぎで第3戦が開催となります。
決勝リザルト
Pos. | Num. | ライダー | マシン | 総減点 | クリーン数 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 小川友幸 | Honda | 49 | 8 |
2 | 6 | 小川毅士 | Beta | 52 | 6 |
3 | 4 | 野崎史高 | ヤマハ | 56 | 7 |
4 | 5 | 柴田暁 | TRRS | 58 | 6 |
5 | 2 | 黒山健一 | ヤマハ | 59 | 7 |
6 | 3 | 氏川政哉 | Honda | 62 | 6 |
12 | 10 | 藤原慎也 | Honda | 88 | 1 |
16 | 9 | 武井誠也 | Honda | 93 | 0 |
19 | 17 | 村田慎示 | Honda | 100 | 0 |