氏川政哉、3位表彰台を獲得!小川友幸は5位でランキングトップを守る
3年ぶりにCity Trial Japanが帰ってきました。今回は海の向こうに関西空港が見える泉南ロングパークでの開催。全日本選手権の1戦としての開催は、今回が初めてです。
全日本選手権となって、IASライダー全員が参加となった今大会は土曜日と日曜日の2日制。土曜日の予選では、日曜日の決勝のスタート順と、11位以下の選手の順位が決まりました。日曜日は10人でセミファイナルを走り、上位6人がファイナルを走って勝敗を決するという試合形式です。
土曜日の予選で圧巻の走りを見せたのが、小川友幸(Team MITANI Honda)でした。ここまで全日本選手権3連勝を挙げている小川は、土曜日の8セクションをすべてクリーンして、日曜日の大会に大きな期待が持てる力走でした。氏川政哉(Team MITANI Honda)は3番手で、こちらもよりよい走りを描きつつ、翌日に希望をつなぎました。
日曜日、未明に激しい雨が降り、特に天然木を使用したセクションはツルツルに滑る最難関コンディション。しかし大会が始まる頃には雨は止み始め、やがて灼熱の太陽が降り注ぐ気候となりました。雨で湿度が高く、ライダーには厳しい環境です。
セミファイナル、最初のセクションで小川がまさかの失敗。きのうの絶好調から一転、厳しい戦いとなりました。それでも残る2セクションをうまくまとめた小川は、2番手の柴田暁(TRRS)と同点ながらセミファイナルを1ラップ目をトップで終えました。氏川は1ラップ目を3番手、2ラップ目以降にばん回を誓います。
2ラップ目、ここで再びよもやの番狂わせ。小川が3セクションすべてで5点となってしまいます。しかも2つめのセクションで飛び降りた際、古傷の足首を痛めて、かなり苦しい状況になってしまいました。
氏川は2ラップ目を終えて減点12点の3番手。しかし2番手に1点差、トップにも2点差と、優勝争いの渦中にいます。一方、小川のここまでの減点は21点。計算上は優勝の可能性もありますが、現実的にはかなり厳しい状況となったのは否めません。
そしてファイナルの4セクション。まっ先にトライすることになった小川は、直角に置かれたケーブルコアが難所とされた最初のセクションを、見事クリーン。その後にトライした5人のライダーは、いずれもこのポイントを攻略できずに5点となっています。ここで、小川が今シーズンもたびたび見せている王者ならではの逆転劇が見られるか、期待されるところとなりました。
しかし、次なるセクションで小川は再びまさかの5点。ここをクリーンした黒山健一(ヤマハ)、野﨑史高(ヤマハ)、そして氏川が、優勝争いに大きく躍り出ることになりました。
ファイナルの3つ目のセクション、ここで小川が美しいクリーン。ここは野崎、氏川、廣畑伸哉が5点になった難関でした。小川の最後の踏ん張りです。
最後のセクションは、みな華麗にクリーンとなりました。ファイナルの戦いは1点を争う大接戦となりましたが、終わってみると、小川は4位に2点差、2位にも5点差の5位となっていました。ファイナル最初の失敗がなければ、2位の可能性はあった、ということです。
一方、氏川はファイナル3つ目のセクションを5点としたにもかかわらず、3位表彰台を獲得しました。これで3戦連続の表彰台獲得となった氏川は、ランキングでも野崎と大接戦の3位争いを展開中です。
次戦は2週間後の広島県灰塚ダムでの中国大会となります。
決勝リザルト
Pos. | Num. | ライダー | マシン | 総減点 | クリーン数 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 黒山健一 | ヤマハ | 16 | 5 |
2 | 4 | 野崎史高 | ヤマハ | 21 | 5 |
3 | 3 | 氏川政哉 | Honda | 22 | 5 |
4 | 5 | 柴田暁 | TRRS | 24 | 3 |
5 | 1 | 小川友幸 | Honda | 26 | 4 |
6 | 11 | 廣畑伸哉 | GasGas | 29 | 3 |
IAS ポイントランキング
Pos. | Num. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
1 | 1 | 小川友幸 | Honda | 106 |
2 | 2 | 黒山健一 | ヤマハ | 94 |
3 | 4 | 野崎史高 | ヤマハ | 76 |
4 | 3 | 氏川政哉 | Honda | 75 |
5 | 5 | 柴田暁 | TRRS | 58 |
6 | 6 | 小川毅士 | ベータ | 56 |
10 | 9 | 武井誠也 | Honda | 29 |
12 | 10 | 藤原慎也 | Honda | 25 |