小川友幸、2戦連続の圧勝で今季3勝目。氏川政哉2位でワンツーフィニッシュ
コロナ禍で2年続けて中止となっていた北海道大会が復活。3年ぶりに全日本ライダーが北の大地に集結しました。会場は変わらず和寒町わっさむサーキットです。今回は7セクションが設定され、これを3ラップ、IASクラスについては、さらに二つのSS(スペシャル・セクション)で勝敗が決せられます。
週末の天候はよい予報がなかったのですが、当日朝、雨は降らず、徐々に日が差してきて暑い一日となりました。しかし午後から雨が降るという予報もあり、雨が降る前のコンディションでトライをしたいライダーが、いつもより早いペースでレースを進めていきました。
トップグループで、最も早いペースでセクションを回ったのが小川友幸(TEAM MITANI Honda)でした。早く回ることで、他のライダーのトライを見るチャンスは少なくなります。戦い方としては、遅いスタートの優位性を活かし、最後にトライするのが定石ですが、今回はライバルを置き去りにして、次々にセクションをトライしていきます。
早いトライにもかかわらず、小川のライディングの正確性はそのまま。ライバルが5点を取りながら試合を進めていく中、小川には5点がありません。1ラップ目は1点が3つ、2ラップ目は1点と2点、そして3ラップ目はついに、一つの減点もなく7セクションすべてをクリーンしてみせました。
3ラップのトータルは6点、これはライバルのスコアを大きく引き離すもので、点数的にはSSを待たずに、小川の勝利は決定的となりました。
小川に次ぐ2位は、小川のチームメートであり後輩の氏川政哉(TEAM MITANI Honda)。氏川は1ラップ目に2つの5点で出ばなをくじかれてしまいましたが、2ラップ目3ラップ目をそれぞれ3点1回でまとめ、3ラップ終了時点で2番手まで追い上げてきたのでした。
とはいえ、氏川と同点の19点の3番手に小川毅士(ベータ)が迫り、さらに5点差で黒山健一(ヤマハ)が控え、SSの結果次第で、順位の変動の可能性もありました。
SSは第1も第2も難度の高いものでしたが、ちょうどこの頃、天気予報通りに雨が降り始め、セクションは見る見る滑りやすいものになっていきました。雨コンディション用に若干の手直しは受けたものの、岩も土も他には例を見ないほどツルツルに滑る状態でした。
SS第1は黒山健一が1点で抜けた以外は、次々に5点です。氏川も5点で、2番手争いは氏川のリードながら、その差は1点差に縮まりました。とにかく滑る土が岩の上に乗り、岩の上ではなすすべなく滑ってしまって5点になってしまうのですが、最後にトライした小川友幸は、さすがにここを黒山と同じく1点でまとめて王者ぶりをアピールしたのでした。
続くSS第2は、最終第7セクションを手直ししたもので、最後には2mの直角の壁が立ちはだかっています。ここが最大の難関ですが、そこまでのすべてのポイントがツルツルで、どこでも失敗できる難しい状況です。逆転をかけた黒山が、最後の直角壁で失敗し5点。続く小川毅士は1点となり、氏川のトライ。氏川が2点以内なら、氏川の2位が決まります。氏川は、1ラップ目に失敗したブロックもきれいにあがり、完ぺきなトライでクリーン。最終的に、小川毅士に2点、黒山に6点差で氏川の2位が決まりました。
最後のトライは小川友幸。小川は氏川に勝る完ぺきさでSS第2をクリーン。2位氏川に17点の大差をつけて、第4戦北海道大会を制したのでした。
次回は8月20日と21日、IASクラスのみのショーアップトライアル、City Trial Japan大会が大阪府泉南りんくう公園で開催されます。
決勝リザルト
Pos. | Num. | ライダー | マシン | 総減点 | クリーン数 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 小川友幸 | Honda | 7 | 17 |
2 | 3 | 氏川政哉 | Honda | 24 | 17 |
3 | 6 | 小川毅士 | ベータ | 25 | 15 |
4 | 2 | 黒山健一 | ヤマハ | 30 | 13 |
5 | 4 | 野崎史高 | ヤマハ | 42 | 12 |
6 | 5 | 柴田暁 | TRRS | 46 | 10 |
8 | 10 | 藤原慎也 | Honda | 66 | 7 |
9 | 9 | 武井誠也 | Honda | 70 | 5 |
IAS ポイントランキング
Pos. | Num. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
1 | 1 | 小川友幸 | Honda | 95 |
2 | 2 | 黒山健一 | ヤマハ | 69 |
3 | 3 | 氏川政哉 | Honda | 59 |
4 | 6 | 小川毅士 | ベータ | 56 |
5 | 4 | 野崎史高 | ヤマハ | 56 |
6 | 5 | 柴田暁 | TRRS | 45 |
9 | 9 | 武井誠也 | Honda | 21 |
10 | 10 | 藤原慎也 | Honda | 20 |