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【2021シーズン総集編】Civic Type R TCRが3勝 グエリエリが最終戦までタイトル争いに食い込む

昨年同様、新型コロナウィルスの影響により、スケジュールが変更されたFIAワールド・ツーリングカー・カップ(WTCR) 2021年シーズン。Hondaチームが3勝を挙げ、Civic Type R TCRの長年変わらないレース性能の高さを実証した。

【2021シーズン総集編】Civic Type R TCRが3勝 グエリエリが最終戦までタイトル争いに食い込む

ALL-INKL.DE Münnich Motorsportのティアゴ・モンテイロとアッティラ・タッシ、ALL-INKL.COM Münnich Motorsportのネストール・ジロラミがそれぞれ1勝を挙げ、エステバン・グエリエリ(ALL-INKL.COM Münnich Motorsport)は3度表彰台に登壇。グエリエリはコンスタントにポイントを獲得し、最終戦までタイトルを争った。また、スケジュールも大幅に変更され、ハンガロリンクで予定されていた開幕戦は8月まで延期。代わりにニュルブルクリンクが開幕戦として6月3~5日に行われた。

実際にシーズンが開幕すると、これ以上にない好調な滑り出しを見せる。開幕戦ニュルブルクリンクでのレースでは、ジロラミが2年連続でポールポジションとなり、グエリエリは3番グリッドを獲得。さらに、レース1でモンテイロが最終ラップでリードをとり、2年ぶりの開幕戦優勝を決めると、続くレース2ではジロラミが3位入賞と、その強さを発揮した。


レース1で2年ぶりの開幕戦優勝を果たしたモンテイロ
レース1で2年ぶりの開幕戦優勝を果たしたモンテイロ

第2戦ポルトガルのエストリルでもグエリエリを先頭にトップ5グリッドを独占。レース中はモンテイロやジロラミがリード、Civic Type R TCRがトップ3を走る場面も見られた。レース1では、ポールポジションからスタートライトが見えづらく、グエリエリが出遅れてしまったことや、好調だったモンテイロもポンネットに問題が発生するなど不運に見舞われたものの、レース2では22歳のタッシがWTCR初勝利を収めた。

続く第3戦アラゴン(スペイン)、第4戦ハンガリーでは、コンペンセーション・ウエイトの追加により不調気味だったが、ジロラミがハンガロリンクで予選4番手を奪取。レース2では2番手でフィニッシュするも、ペナルティーにより5位となった。


第2戦ポルトガル レース2でタッシがWTCR初勝利を飾った
第2戦ポルトガル レース2でタッシがWTCR初勝利を飾った

第4戦直前に、シーズン後半のスケジュールの大幅な変更が発表され、アジアラウンドがキャンセル。代わりに、WTCR初となるチェコ・モスト、フランス・シルキュイ・ポー=アルノ、イタリア・アドリア(8月初旬より延期)と、F1も開催されるロシア・ソチが追加されることとなった。

第5戦チェコ・モストでは、3戦連続で60kgの最大コンペンセーション・ウエイトを搭載したにも関わらず、 Civic Type R TCRは健闘を見せる。まずジロラミが、1コーナーで背後からの接触がありながらレース1で優勝。グエリエリも9番手スタートから同じハプニングをかわし、チームメートに続き2位でフィニッシュ。シーズン前半で表彰台に登れなかったグエリエリは、続くレース2でもポイントリーダーからのプレッシャーを跳ね除けて3位でゴールし、再度表彰台に登壇した。


ジロラミがアクシデントを乗り越えて第5戦レース1優勝
ジロラミがアクシデントを乗り越えて第5戦レース1優勝

さらにグエリエリは、第6戦フランスのシルキュイ・ポー=アルノでもレース1で4位、レース2で7位入賞を果たし、Hondaドライバー中でベストリザルトを獲得。一方ジロラミは、グエリエリを見事にサポートしたものの、レース2ではパンクのため6位から順位を落とすといった残念な結果となった。モンテイロは、レース1で接触により高速でクラッシュ。しかし、ALL-INKL.DE Münnich Motorsportチームの最大限の修復作業によって、レース2スタート直前にマシンを送り出すことに成功。12位でレースを終えた。


第6戦シルキュイ・ポー=アルノでグエリエリがレース1で4位、レース2で7位入賞
第6戦シルキュイ・ポー=アルノでグエリエリがレース1で4位、レース2で7位入賞

第7戦アドリアでもグエリエリは躍動。3度目の表彰台を獲得し、ランキング総合3位まで浮上した。しかし、グエリエリの優勝争いは、最終第8戦ソチで難しいものとなる。雨が降る中スタートを切ったレース1のオープニングラップで、タイトル争いをしているドライバーにサーキットから押し出され、コントロールを失ってクラッシュ。大破したマシンの修理がレース2に間に合わず、またモンテイロも肺感染症の疑いがあり欠場していたため、シーズンフィナーレは2台のCivic Type R TCRで戦うこととなった。そんな中、レース1で7位だったタッシが、12番手スタートから4位でフィニッシュ。予選で3番グリッドを獲得してCivic Type R TCRの1ラップの強さを示したジロラミも、7位でゴールした。

シーズンを終えてALL-INKL.COM Münnich Motorsportのチームランキングは総合4位。また2021年の3回の優勝は、Honda Civic Type R TCRに「WTCR史上唯一、参戦したすべてのシーズンで優勝した車」という栄誉をもたらしている。


Honda Civic Type R TCRは現在までWTCR通算20勝を挙げている
Honda Civic Type R TCRは現在までWTCR通算20勝を挙げている


  • Standings
Pos. Driver Num. チーム Constr. Pts
1 Yann EHRLACHER 68 Cyan Racing Lynk & Co Lynk & Co 222
2 Frederic VERVISCH 22 Comtoyou Team Audi Sport Audi 201
3 Jean-Karl VERNAY 69 Engstler Hyundai N Liqui Moly RT Hyundai 177
4 Yvan MULLER 100 Cyan Racing Lynk & Co Lynk & Co 169
5 Santiago URRUTIA 12 Cyan Performance Lynk & Co Lynk & Co 167
6 Esteban GUERRIERI 86 ALL-INKL.COM Münnich Motorsport Honda 164
7 Mikel AZCONA 96 Zengő Motorsport Cupra 158
8 Norbert MICHELISZ 5 BRC Hyundai N LUKOIL Squadra Corse Hyundai 146
9 Thed BJÖRK 11 Cyan Performance Lynk & Co Lynk & Co 141
10 Gilles MAGNUS 16 Comtoyou Team Audi Sport Audi 136
11 Néstor GIROLAMI 29 ALL-INKL.COM Münnich Motorsport Honda 131
12 Gabriele TARQUINI 3 BRC Hyundai N LUKOIL Squadra Corse Hyundai 115
13 Nathanaël BERTHON 17 Comtoyou DHL Team Audi Sport Audi 112
14 Attila TASSI 9 ALL-INKL.DE Münnich Motorsport Honda 96
15 Luca ENGSTLER 8 Engstler Hyundai N Liqui Moly RT Hyundai 86
16 Tom CORONEL 32 Comtoyou DHL Team Audi Sport Audi 83
17 Tiago MONTEIRO 18 ALL-INKL.DE Münnich Motorsport Honda 75
18 Rob HUFF 79 Zengő Motorsport Cupra 73
19 Jordi GENE 28 Zengő Motorsport Cupra 10
20 Bence BOLDIZS 55 Zengő Motorsport Cupra 9
21 Kirill LADYGIN 20 Lada Sport Rosneft Lada 3
22 Jessica BACKMAN 26 Target Competition Hyundai 2
23 Mikhail MITYAEV 30 Lada Sport Rosneft Lada 2
24 Andreas BACKMAN 19 Target Competition Hyundai 1

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