【2022シーズン総集編 IA1】ルーキー大城が2勝を挙げ総合4位
全日本モトクロス選手権の国内最高峰クラスであるIA1が今年も開催。昨年まで3連覇していた王者山本鯨が電撃引退し、Honda Dream Racing Bells は新たに2021年IA2チャンピオンの大城魁之輔、同2位の大倉由揮を起用し、各地で行われた全7大会に参戦した。
大城、大倉ともに序盤で初表彰台
開幕戦の会場は国内有数のワイドオープンコースであるHSR九州。ヒート1では大城が好スタートを切り1周目を4番手でクリア。その後4周目でトップの能塚智寛(カワサキ)の転倒で順位を上げると、3番手のポジションを守ってチェッカー。IA1クラスデビュー戦にして3位表彰台に登った。
続くヒート2でHonda勢はやや出遅れたものの、3周目で小方誠(TEAM HAMMER)が4番手、大倉が5番手、大城が6番手に浮上。小方はそのまま3位でフィニッシュしたが、大倉は3位争いに加わりながらも12周目でエンストを喫して5位、大城は6位と、ルーキー2人は一筋縄ではいかないIA1の厳しさを味わった。
第2戦関東大会が行われたのはオフロードヴィレッジ。今大会は3ヒート制(15分+1周)で実施された。ヒート1では大倉が3位に入り、クラス初表彰台を獲得。ヒート2では小方がトップグループに加わって3位に。大城はヒート1でリタイアを喫したものの、ヒート2で4位、ヒート3では3位表彰台と、尻上がりの成績を残した。
大城がクラス初優勝
第3戦が行われたスポーツランドSUGOでは開催前日に大雨に見舞われたためにレース時間の短縮、3ヒート制が2ヒート制に変更されるなどの処置が行われたが、決勝日にはドライコンディションとなった。ここで大城が快走を見せる。ヒート1では1周目5番手となるものの、中盤以降ペースを上げて3位でフィニッシュ。ヒート2ではホールショットを奪うと、後ろにつけてきていた富田俊樹(ヤマハ)を9周目に突き放し、13周のレースでトップチェッカー。IA1昇格後3戦目にして初優勝を勝ち取った。
折り返しとなる第4戦は3年ぶりの近畿大会、名阪スポーツランド。大会前、大城はトレーニング中に負傷したため、大事をとって欠場した。ヒート1で大倉は3番手につけるが、バトルの中で最終ラップに転倒を喫し、5位でフィニッシュ。ヒート2では小方が好スタートを切って表彰台争いに食い込むも、惜しくも4位。大倉はヒート1に続き5位入賞となった。
第5戦は今季2回目、開幕戦も行われたHSR九州。今回は大城も復帰し、3ヒート制でレースが繰り広げられた。ヒート1では大城がホールショットを奪うも富田の先行を許して2番手に後退。富田に引き離され、3番手の渡辺祐介(ヤマハ)にも肉薄される気が抜けない状態となるも、3周目以降は渡辺を引き離し2位でゴール。
ヒート2は4位、ヒート3では5位に入り、総合3位で表彰台に登壇。復帰戦としては上々の結果となったが、大城本人は「自分としては悔しさしかありません」と話し、残り2戦でのリベンジに闘志を燃やした。
再びオフロードヴィレッジで行われた第6戦。ヒート1では小方がトップを走りリードするが、4番手から追い上げてきた大城が7周目に小方を抜いてトップに立つ。大城はそのまま逃げきり、第3戦以来2度目の優勝を飾った。
ヒート2では最初のコーナーで転倒した小方に巻き込まれる形で計6台が転倒するマルチクラッシュが発生。立ち直りに時間をとられ、小方は周回遅れで復帰した。最初のラップを渡辺が制し、大城はそれを追いかけたが、転倒で7番手に後退。再び追い上げるも、4位でレースを終えた。7番手から追い上げた大塚豪太(T.E.SPORT with GOSHI)が3位でゴールし、今季初となる表彰台登壇を遂げた。
最終戦で大城が7度目の表彰台
シリーズ最終戦、第60回の節目を迎えたMFJ-GPモトクロス大会がスポーツランドSUGOで行われた。ヒート1では序盤、大城が2番手、大倉が3番手と好調な滑り出しを見せる。しかし大倉は6番手まで後退、大城も抜かれ4番手と順位を下げてしまう。その後大倉は順位を下げ、8位と奮わず。大城も3番手の富田に何度か仕掛けようとするも、チャンスをつかめず4位に終わった。
最後の戦いであるヒート2では序盤大倉がトップに踊り出た。しかしその後先行を許し3番手に。大城は出遅れるも5番手にまで順位を上げた。終盤9~10周目で大倉と大城が3番手争いを繰り広げ、10周目で大城が先行。大倉は1~2秒後ろでマークを続けたが、バックマーカーの処理に手間取って差が広がってしまい、勝負あり。大城が3位、大倉が次いで4位という結果に。
ともにIA1ルーキーながら、大城は2勝含む7回の表彰台登壇で総合4位、大倉は第2戦で表彰台を経験して総合6位と好成績を収め、大会に新たな風を吹かせた。経験を積んだ若い2人、今後の活躍に期待が高まる。
Race Report
Rd.01 HSR九州:大城魁之輔が最高峰クラスのデビューレースで表彰台登壇!
Rd.02 関東大会:大倉由揮、小方誠、大城魁之輔がヒートレースで3位獲得
Rd.03 SUGO大会:大城魁之輔がヒート2で最高峰クラス初優勝
Rd.04 近畿大会:大倉由揮が両ヒート5位、小方誠がヒート2で4位
Rd.05 HSR九州:ケガから復帰した大城魁之輔が総合成績3位を獲得
- Standings
1 | 富田 俊樹 | 2 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | Yamaha | 345 |
2 | 能塚 智寛 | 3 | Team Kawasaki R&D | Kawasaki | 251 |
3 | 渡辺 祐介 | 4 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | Yamaha | 236 |
4 | 大城 魁之輔 | 22 | Honda Dream Racing Bells | Honda | 213 |
5 | 小方 誠 | 5 | TEAM HAMMER | Honda | 164 |
6 | 大倉 由揮 | 23 | Honda Dream Racing Bells | Honda | 149 |
7 | 大塚 豪太 | 7 | T.E.SPORT with GOSHI | Honda | 142 |
10 | 小島 庸平 | 6 | Bells Racing | Honda | 101 |
12 | 道脇 右京 | 14 | TEAM KOHSAKA with CARVEK | Honda | 95 |
17 | 小野 千成 | 19 | T.E.SPORT | Honda | 30 |
19 | 池谷 優太 | 17 | TEAM HAMMER | Honda | 15 |
21 | 鈴木 龍星 | 01 | TEAM HAMMER | Honda | 8 |
23 | 道脇 白龍 | 20 | TEAM KOHSAKA | Honda | 3 |