ケガから復帰した大城魁之輔が総合成績3位を獲得

HSR九州

開幕戦以来、半年ぶりに全日本選手権が開催されたHSR九州。コースの一部をビギナー用として割くため、一新されたレイアウトにはS字コーナーなどが追加されました。日曜は時折り小雨が降る天気でしたが、マディになるほどの降水量ではなく、安全性とテクニカルな演出を追求したサンド路面で、好レースが繰り広げられました。

●IA1 ヒート1

ホールショットを奪ったのは大城魁之輔(Honda Dream Racing Bells)でしたが、富田俊樹(ヤマハ)の先行を許して2番手に後退。大塚豪太(T.E.SPORT with GOSHI)は星野優位(ヤマハ)に次ぐ5番手、大倉由揮(Honda Dream Racing Bells)は6番手からのレースとなりました。2周目、大城は富田に約2秒のリードを許し、背後には渡辺祐介(ヤマハ)に肉薄されました。

しかし3周目には大城が渡辺をやや離し、3台がそれぞれ約2秒間隔に。次周の段階で、このトップグループは4番手争いを続ける星野と大塚を約8秒離しました。7周目には、大城がペースを上げて富田まで約1秒差に接近。しかし次周にまた1秒ほど離され、トップ3台は2～3秒間隔になりました。そしてレースは10周でチェッカーとなり、大城は2位でゴール。大塚は5位、大倉は7位でした。

●IA1 ヒート2

大城が5番手、大倉が6番手、道脇右京(TEAM KOHSAKA with CARVEK)が7番手、大塚が8番手で1周目をクリア。2周目、内田篤基(カワサキ)を抜いて大城が4番手に順位を上げました。3周目、大倉も内田をパスしましたが、逆に能塚智寛(カワサキ)と大塚の先行を許して7番手に後退。次周、大塚は転倒で13番手まで順位を下げ、4番手の大城は背後に能塚を引き連れながら前を走る星野に迫りました。

5周目、大城は能塚の先行を許す一方で星野をパスして、4番手をキープ。6周目以降、大城は能塚についていくことができず、それでも星野は離して単独走行に近い状態となっていきました。6周目、6番手だった大倉が安原志(カワサキ)と接触転倒。13番手まで順位を落としました。そして大城が4位、道脇が7位、小方誠(TEAM HAMMER)が8位、大塚が9位、大倉が11位でレースを終えました。

●IA1 ヒート3

スタート直後、大倉が3番手の好位置を確保。大城はやや出遅れましたが、小方誠(TEAM HAMMER)らをパスして1周目を6番手でクリアしました。2周目以降、4番手の大倉から8番手の大塚まで5台が、縦に長いセカンドグループを形成。3周目の段階で大倉はトップ3に4秒ほど離され、次周にはその背後に内田と大城が僅差で接近しましたが、それでも大倉は6周目までポジションを守り続けました。

7周目、大倉は内田の先行を許して5番手に後退。続いて、大城も大倉を抜きました。このバトルの間に、4秒ほど離されていた7番手の小方と、これをマークしていた大塚が、大倉の背後に接近。8周目から、僅差の6番手争いが開始されました。しかしレースは、ヒート1やヒート2より1周短い9周で終了。これにより大城が5位、大倉が6位、小方が7位、大塚が8位のままゴールしました。

大城魁之輔 ²²

Honda Dream Racing Bells

ヒート1はホールショットでしたが、そこで硬くなってしまいました。1周目からアグレッシブな走りでこちらのリズムを崩すのが、富田俊樹選手の狙いだったのかもしれませんが、まんまとそれにハマってしまいました。途中でプッシュしてもう一度追いついたのですが、勝負するところまではいきませんでした。ヒート2とヒート3は似たような感じで、スタート直後の1コーナーで順位を下げ、その後はペースが上げられない感じでした。前戦の直前に鎖骨を折って手術し、チームの人たちは「まあ復帰戦だから」と言ってくれましたが、自分としては悔しさしかありません。ケガの影響というのは限りなく少ないと感じていますし、まだ残り2戦あるので、もう一度でも今シーズン中に勝てるよう、全力で取り組みます。

大倉由揮 ²³

Honda Dream Racing Bells

前戦と今大会の間に、アメリカで開催されたモトクロス・オブ・ネイションズに日本チームのメンバーとして出場させてもらい、とても高いレベルの中で貴重な経験をさせていただきました。それを活かそうと思って臨んだ今大会でしたが、予選の段階からうまく乗れず、かなり焦りのある状況。ヒート1はペースがかなり悪く、少し改善できたヒート2は他車に突っ込まれて転んでしまいました。ヒート3はスタートが決まったのですが、そこから先はやはりペースが上がらず、IA1ルーキー同士の勝負に負けました。シーズンは残り2戦。隔週でレースが続くので時間がなく、やれることは限られていると思いますが、今回歯車がかみ合わなかった原因がどこにあるのか考え、次戦までに少しでも解決できるよう取り組んでいきます。