【2021シーズン総集編】野尻智紀が初のチャンピオン。Honda勢が全7戦で6勝を挙げる
2021年度の全日本スーパーフォーミュラ選手権は国内5カ所のサーキットを舞台に全7戦が行われ、Honda勢は6チーム8台が参戦した。シリーズチャンピオンに輝いたのは、第1戦でポール・トゥ・ウインを飾り、幸先のよい開幕を迎えた#16 野尻智紀(TEAM MUGEN)。昨年シリーズチャンピオンとなった#1 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)に続き、Honda勢が2年連続で国内トップフォーミュラシリーズを制覇した。
開幕戦で表彰台を独占 野尻が2連勝スタート
#16 野尻ばかりではなく、Honda勢は開幕から好調だった。4月3日(土)~4日(日)、富士スピードウェイで開催された第1戦では#16 野尻がポールポジションを獲得、以下#64 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)、#6 笹原右京(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、#5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と続いて、Honda勢がグリッド2列目までを独占した。
決勝レースでは、スタートで出遅れながらも巻き返した#16 野尻がトップに立ち、そのまま自身4回目となる優勝のチェッカーフラッグを受けた。2位には#64 大湯、3位に#5 福住が続いてHonda勢が表彰台を独占する結果となった。
開幕戦を制した#16野尻はその後、鈴鹿サーキットで行われた第2戦でも予選2番手から優勝し2連勝。オートポリスで開催されたシリーズ第3戦では、予選7番手と苦戦しながら、雨で赤旗打ち切りとなった決勝レースでは5位でフィニッシュを果たし、確実にポイントを重ねてランキングトップの座を固める強さを見せた。このレースでのHonda勢最上位は、#51 松下信治(B-Max Racing Team)の3位だった。
福住が初優勝 野尻はポイントランキングトップを独走
6月19日(土)~20日(日)、スポーツランドSUGOで開催されたシリーズ第4戦では、予選5番手からスタートした#5 福住が上位を追い上げたうえ、レース半ばでピット戦略をうまく働かせてトップに立った。2番手には#64 大湯を従え、Honda勢が1-2体制でフィニッシュ。#5 福住にとっては、2018年に全日本スーパーフォーミュラ選手権にスポット参戦して以来、4シーズン目にして初めての優勝。#16 野尻はここでも6位に入賞して、着実にシリーズポイントを積み重ねた。
第3戦、第4戦と表彰台に上がれなかった#16 野尻であったが、8月28日(土)~29日(日)にツインリンクもてぎで開催されたシリーズ第5戦では、土曜日の走り出しのセッションからベストタイムを記録。公式予選ではコースレコードでポールポジションを獲得すると、決勝でもポール・トゥ・ウインを飾る完勝で今季3回目、通算6回目の優勝を飾った。この結果ランキング2番手と大きく差を広げ、シリーズチャンピオンに王手をかけた状態で残り2戦に向かうこととなった。
参戦8シーズン目の悲願達成
10月16日(土)~17日(日)に行われた、第6戦ツインリンクもてぎ。 #16 野尻にとってツインリンクもてぎは、4輪レースにステップアップする以前の2006年、全日本カート選手権FAクラスシリーズチャンピオンとなった思い出の地でもある。このレースでは、#16 野尻のチームメートであり後輩でもある#15 大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)が、公式予選で濡れた路面の中であえて一人だけドライタイヤを選択してタイムアタックを敢行、見事ポールポジションを獲得。#16 野尻は予選3番手につけ、決勝では変化するコースコンディションのなかで着実なレース運びをみせて5位でフィニッシュ。シリーズポイントランキングで2番手以降との差をキープし、最終戦を待たずにシリーズチャンピオン獲得を決めた。国内トップフォーミュラ参戦8シーズン目での悲願達成であった。ポールポジションスタートの#15 大津は激しい追い上げを受けたものの逃げきり、自身初めての優勝でチームメートのチャンピオン獲得に華を添えた。
シリーズ最終戦は10月30日(土)~31日(日)、JAF鈴鹿グランプリのタイトルを冠して行われた。シリーズチャンピオンとなった#16 野尻にとっては、『鈴鹿サーキット・レーシングスクール・フォーミュラ』(SRS-F)時代から走り込んでいるホームコース。ここでもHonda勢は快調で、#51 松下が自身初めてのポールポジションを獲得、以下#64 大湯、#5 福住、#6 牧野、#16 野尻と予選5番手までを独占した。
レースでは#51 松下がジャンプスタートのペナルティーを受けて後退し、#5 福住と#16 野尻がトップ争いを展開。レース終盤にはトップの#5 福住の背後に2番手の#20 平川亮(トヨタ)が背後まで迫ったが、#5 福住が逃げきって今季2回目の優勝。#16 野尻は3位表彰台に上がり、チャンピオンらしい安定した強さを見せてシーズンを締めくくることとなった。
最終的に#5 福住は、シリーズチャンピオンとなった#16 野尻に続くランキング2位でシーズンを終了。ランキング5位には#64 大湯、6位には#15 大津が続いた。#15 大津は、ルーキーのなかで、獲得ポイントがもっとも高いドライバーに贈られる「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」を獲得。Honda勢は全7戦中6戦でポールポジションと勝利を収め、充実のシーズンとなった。
Race Report
Rd.01 富士スピードウェイ 野尻がポール・トゥ・ウイン、大湯2位、福住3位でHondaが表彰台独占
Rd.02 鈴鹿サーキット 野尻が開幕2連勝。笹原が初表彰台となる3位
Rd.03 オートポリス 降雨の影響により、11周時点でレースが終了。松下が3位に入る
Rd.04 スポーツランドSUGO 福住が4シーズン目にして初優勝を達成
Rd.05 ツインリンクもてぎ 野尻智紀がポール・トゥ・ウイン! シリーズチャンピオンに王手
- Standings
Pos. | Driver | Num. | チーム | Constr. | Pts |
---|---|---|---|---|---|
1 | Tomoki NOJIRI | 16 | TEAM MUGEN | Honda | 86 |
2 | Nirei FUKUZUMI | 5 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | Honda | 55 |
3 | Yuhi SEKIGUCHI | 19 | carenex TEAM IMPUL | Toyota | 55 |
4 | Ryo HIRAKAWA | 20 | carenex TEAM IMPUL | Toyota | 46 |
5 | Toshiki OYU | 64 | TCS NAKAJIMA RACING | Honda | 41 |
6 | Hiroki OTSU | 15 | Red Bull MUGEN Team Goh | Honda | 38.5 |
7 | Sena SAKAGUCHI | 39 | P.MU/CERUMO・INGING | Toyota | 35.5 |
8 | Nobuharu MATSUSHITA | 51 | B-Max Racing Team | Honda | 33.5 |
9 | Tadasuke MAKINO | 6 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | Honda | 24 |
10 | Ritomo MIYATA | 37 | Kuo VANTELIN TEAM TOM’S | Toyota | 22 |
11 | Giuliano ALESI | 36 | Kuo VANTELIN TEAM TOM’S | Toyota | 20 |
12 | Ukyo SASAHARA | 6 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | Honda | 18 |
13 | Naoki YAMAMOTO | 1 | TCS NAKAJIMA RACING | Honda | 13 |
14 | Kenta YAMASHITA | 3 | KONDO RACING | Toyota | 8 |
15 | Sho TSUBOI | 38 | P.MU/CERUMO・INGING | Toyota | 6 |
16 | Sacha FENESTRAZ | 4 | KONDO RACING | Toyota | 4 |
17 | Kazuki NAKAJIMA | 36 | Kuo VANTELIN TEAM TOM’S | Toyota | 4 |
18 | Yuji KUNIMOTO | 18 | KCMG | Toyota | 3 |
19 | Kazuya OSHIMA | 14 | NTT Communications ROOKIE | Toyota | 2.5 |
20 | Kamui KOBAYASHI | 7 | KCMG | Toyota | 1 |