土曜日は薄い雲が空に広がるものの、時おり強い日差しも照りつける晴天となりました。A組/B組に分かれて行なわれた予選Q1セッションを通過したHonda/M-TECユーザーは、#15 大津弘樹(RedBull MUGEN Team Goh)、#5 福住仁嶺 (DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、#12 タチアナ・カルデロン(ThreeBond DragoCORSE)(以上A組)、#16 野尻智紀(TEAM MUGEN)、#64 大湯都史樹 (TCS NAKAJIMA RACING)、そして病気療養中の牧野任祐に代わって#6のステアリングを握った 笹原右京 (DOCOMO TEAM DANDELION RACING)(以上B組)の6名。Honda/M-TECユーザーとして出走した7名のうち6名がQ2セッションへ進出し、ただ1人、昨年のシリーズチャンピオンで今季チームを移籍したばかりの#1 山本尚貴 (TCS NAKAJIMA RACING)のみがQ1セッションで敗退するという大番狂わせが起きました。
Q2セッションに進出した6名のうち、#12 カルデロンを除く5名がQ3セッションに進出し、最終的には#16 野尻がポールポジションを獲得、2番手に #64 大湯、3番手に#6 笹原、4番手に#5 福住と続いて、Honda/M-TECユーザーがグリッド2列目までを独占しました。
日曜日、曇天のもと午後2時10分に決勝レースのスタートが切られました。ポールポジションからスタートした#16 野尻はわずかにクラッチミートを失敗し、好スタートを切った#64 大湯にトップの座を明け渡したものの2番手は堅守。その野尻の後方に#5 福住、#6 笹原が続く展開となりました。一方、16番手グリッドからスタートした#1 山本は一気にジャンプアップし、1周目を10番手、2周目を9番手で終え、猛烈な追い上げを始めました。
#16 野尻は当初、義務周回数の10周を終えた段階でピットインしてタイヤ交換を行なう作戦を考えていましたが(先頭車両が10周目に入ってから最終周に入る前までにタイヤ交換を行なう規則)、その10周目に#64大湯のスキを突いてオーバーテイクに成功し先頭に立ったため急きょステイアウトへと戦略を切り替え、そのまま周回を重ね始めました。その後、#5 福住が#64 大湯を攻めて24周目に2番手へと順位を上げました。さらに、25周目には#6 笹原が#64 大湯をかわし3番手に浮上。4番手までポジションを落とした#64 大湯は25周目を終了したところでピットインし、タイヤ交換を行ないました。
28周目には#5 福住、29周目には#6 笹原がピットインしましたが、先にタイヤ交換を終えていた#64 大湯のペースが上がっているのに対し、福住と笹原はコースに戻った段階でちょうど小雨が降っていたためにタイヤの暖まりが悪く、ラップタイムを上げづらい状況に陥っていました。さらに、笹原はタイヤ交換作業で大幅なタイムロスを喫していました。
29周目にはウエット宣言が発出されたものの、雨はそれ以上強まらず、各車ドライタイヤのまま走り続けました。#16 野尻はフィニッシュ2周前の39周目にピットインしてタイヤ交換義務を果たし、トップのままコースに復帰。最後は#64 大湯に1.5秒差まで迫られたものの、自身4度目となる優勝のチェッカーフラッグを受けました。2位に#64 大湯、3位に#5 福住が続いてHonda/M-TECユーザーが表彰台を独占したばかりか、5位に#6 笹原、6位に#1 山本が入賞。上位6名中5名がHonda/M-TECユーザーという大戦果を挙げて幸先のいい開幕スタートを切ることとなりました。