大津弘樹がキャリア初優勝。野尻智紀が5位入賞で初のシリーズチャンピオン獲得
10月16日(土)~17日(日)、栃木県のツインリンクもてぎで2021年度全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ第6戦が開催されました。新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が解除となり、競技者にもビザが発行された結果、シリーズ第3戦以降欠場していた#12 タチアナ・カルデロン(Threebond Drago CORSE)が復帰。今年初めてレギュラードライバー全員が顔をそろえる一戦となりました。
土曜日は朝から曇り空となり、高い気温と、路面温度となった第5戦とは対照的なコンディションで走行が始まりました。午前中のフリー走行を経て、午後の公式予選ではQ1、Q2セッションが今回も2組に分けられ、そこで選抜された8台が最終的にQ3を争うという形式で行われました。
時折り霧雨が降る中で行われた公式予選では、Q1B組で#12 カルデロン、Q2A組で#5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、Q2B組で#51 松下信治(B-MAX RACING TEAM)がノックアウトされ、8台で争われるQ3には#1 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)、#6 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、#15 大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)、#16 野尻智紀(TEAM MUGEN)、#64 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)の5台が進出しました。
10分間のQ3セッションは、途中で霧雨の量が変わり、レインタイヤとスリックタイヤの難しい選択を迫られるコンディションとなりましたが、スリックタイヤで走行を続けた#15 大津が自身初めてのポールポジションを獲得。レインタイヤで走行した#1 山本が2番手、#16 野尻が3番手に続きHonda勢がスターティンググリッド上位に並ぶこととなりました。
決勝日のツインリンクもてぎは朝から雨模様で、10時50分からのフリー走行はヘビーウエットで行われましたが、午後2時45分に決勝レースがスタートする時点では路面は濡れているものの雨は止み、天候は回復する兆しを見せていました。全車レインタイヤを装着してスタートが切られ、#1 山本がスタートダッシュを決めて#15 大津に並びかかりましたが、#15 大津は引かず、2コーナー先で#1 山本を押さえ込んで先頭を守る、という展開でレースが始まりました。シリーズチャンピオンをかけて3番手からレースに臨んだ#16 野尻は、濡れた路面を考慮して無理な接戦を避け、1周目に#6 牧野を含む後続車にかわされて7番手、2周目には8番手へ後退してしまいました。計算上、前方を走る#19 関口雄飛(トヨタ)の順位次第ではチャンピオン決定が最終戦へ持ち越しになるポジションです。
その後路面は急激に乾き出し、スリックタイヤへ交換する選手も出始めましたが、そのうちの1台が10周目にコースオフしたため、セーフティカーがコースイン。このタイミングで#15 大津、#6 牧野、#16 野尻、#51 松下はピットインしてスリックタイヤへ交換を行いましたが、#1 山本、#5福住はレインタイヤのままコースにとどまる作戦を選びました。しかし14周目からレースが再開されるとコースコンディションはさらに好転し、作戦が外れる形となった#1 山本と#5福住はスリックタイヤ交換のためにピットイン。大きく順位を下げてしまいました。
17周目、#12 カルデロンが2コーナー先でコースオフしたため再びセーフティカーがコースインしました。この時点でトップは#15 大津、3番手が#6 牧野、4番手に#16 野尻とチャンピオンを争っている#19 関口と続き、#16 野尻は5番手まで順位を上げて、このままの位置関係ならば#16 野尻がチャンピオンを獲得できる状況に持ち込んでいました。20周終了時点でリスタートが切られましたが、その直後、#1 山本を含む多重アクシデントが発生したため、またもやセーフティカーがコースインしました。
24周終了時点でリスタートすると、トップの#15 大津は後続車から激しく攻め寄られました。しかし#15 大津はこれをうまく押さえ込むと逆にスパートし、ファステストラップを連発して後続車を突き放してポジションを守り、そのまま残り周回数を走りきって自身初の優勝を飾ることとなりました。3位に#6 牧野が入賞、#16 野尻は5位でチェッカーフラッグを受けて選手権ポイントを重ね、シリーズ最終戦を待たずに、これも自身初、Honda勢としては2年連続となるシリーズチャンピオンを獲得してレースを終えました。