福住が4シーズン目にして、初優勝を達成
6月19日(土)~20日(日)、宮城県のスポーツランドSUGOで2021年度全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ第4戦が開催されました。スポーツランドSUGOはシーズンオフのあいだに改修工事を受け、ピットロードやメインストレートの幅が変わっています。なお、#12 タチアナ・カルデロン(Threebond Drago CORSE)は前回のレースに引き続き日本再入国時の隔離期間を満たすことができず欠場し、代役を塚越広大が務めました。
マシンや機材の搬入が行なわれた金曜日までは晴天だったものの土曜日は朝から雨となり、9時10分からのフリー走行は小雨の降るなか、完全ウエットコンディションで行なわれました。滑りやすい路面のうえ、3回に渡って停止車両排除のため赤旗が提示されてセッションは中断しました。90分のセッションを終了した段階では#5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が1分18秒363を記録してトップ、#6 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が4番手、現在シリーズランキングトップの#16 野尻智紀(TEAM MUGEN)が8番手につけてセッションを終えました。
今回、雨模様となったことを受けて、急きょ公式予選のフォーマットが変更されました。現時点のポイントランキング順にもとづいてA組、B組と2グループに分け、それぞれ10分間のQ1セッションを実施することは当初の予定どおりでしたが、Q2にも同様の2グループ制を採用することとなりました(Q1の各組上位7台が、Q2A組/B組に分かれて実施。各組上位4台、計8台がQ3へ進出)。
A組には、#1 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)、#6 牧野、#15 大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)が出走し、3人ともQ2へ進出しましたが、Q2では#6 牧野、#15 大津が通過したものの、#1 山本はQ3に進出できませんでした。
B組には、#64 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)、#5 福住、#12 塚越、#16 野尻、#51 松下信治(B-MAX Racing Team)が出走し、#12塚越を除く4人がQ2へ進出しました。強まった雨のなかで行なわれたQ2セッションでは#5 福住と#64 大湯がQ3へ進出。さらに雨が強まるなか、Q3セッションはヘビーウエットコンディションで行なわれ、#6 牧野が2番手、#5 福住が5番手、#64 大湯が7番手、#15 大津が8番手で公式予選を終えました。
日曜日朝、スポーツランドSUGOの上空には雲が低く垂れ込めていましたが降雨はなく、午前9時からのフリー走行はドライコンディションで行なわれました。走行終了後、にわか雨が降ったものの、決勝レース前には晴れ、太陽が射すなかで決勝レースが始まりました。
スタートの瞬間、フロントローの#6 牧野は加速に失敗して遅れ、入れ替わりに#5 福住、#64 大湯が順位を上げて、ポールポジションからトップに立った#19 関口雄飛(トヨタ)、2番手の#39 阪口晴南(トヨタ)を追う展開で始まりました。3周目の1コーナーでは軽い接触をともないながら#5 福住が#39 阪口をオーバーテイクし2番手に、同周には#64 大湯も3番手へとそれぞれポジションを上げました。その後、#64 大湯は規定の10周終了後にタイヤ交換義務を果たすためピットインしましたが、#5 福住は#19関口の動向に合わせ走行を続行しました。
トップの#19 関口は18周目でピットイン。それを確認した#5 福住はオーバーテイクシステムを積極的に活用して次周にピットイン。素早いピット作業でロスタイムを最小限に抑えた結果、#19 関口の前でコースに復帰、事実上のトップに立ちました。19周目にはタイヤ交換直後でペースの上がらない#19 関口を#64 大湯がオーバーテイクして2番手へ進出、M-TEC/HONDAエンジン搭載車が1-2体制を築きました。
トップに立った#5 福住は2番手に続く#64 大湯との間隔を6秒強確保し、#64 大湯は3番手#19 関口に約2秒の差をつけて1-2体制を固め、残りの周回数を危なげなく走り、そのままチェッカーフラッグを受けました。#5 福住は2018年に全日本スーパーフォーミュラ選手権にスポット参戦して以来、4シーズン目にして初めての優勝を遂げることとなりました。
また、現在シリーズポイントランキングトップの#16 野尻は、10番グリッドからスタートし、ピットインを42周目まで引っ張る作戦を採り、結果6位でフィニッシュ、選手権ポイントを5点追加してランキングトップの座を守りました。