全日本モトクロス選手権

【2021シーズン総集編】ドラマチックな幕切れで、山本鯨が3年連続4度目のチャンピオンに輝く

全日本モトクロス選手権は、2021年からタイトルスポンサーを冠し、D.I.D 全日本モトクロス選手権と改められた。今年は開幕全7戦が予定されていたが、新型コロナウイルス感染症の影響により第2戦中国大会が延期、第5戦近畿大会が中止となり、全6戦で争われた。希望ゼッケンが廃止され、前年の成績順にゼッケンが割り振られた中、「1」を付けたのは、2019年から2連覇中の山本鯨(Honda Dream Racing Bells)。しかし、その開幕戦は波乱の幕開けとなった。

【2021シーズン総集編】ドラマチックな幕切れで、山本鯨が3年連続4度目のチャンピオンに輝く

開幕戦HSR九州は、決勝(15分+1周)3ヒート制で実施された。ヒート1で山本は1周目をトップでクリアするものの、9周目最終ラップで転倒し、3位でゴール。ヒート2ではゴーグルの中に土が入るトラブルが発生し6位。ヒート3はホールショットを奪うものの、ヒート1で受けた負傷とマシントラブルに泣かされて5位でフィニッシュした。小方誠(Honda Dream Racing HAMMER)がヒート2で3位、ヒート3で2位に入る中、満足できるとは言えない結果に終わった。


小方誠がヒート2で3位、ヒート3で2位となった
小方誠がヒート2で3位、ヒート3で2位となった

第2戦中国大会が延期となり、迎えた第3戦関東大会で、山本は開幕戦の不調を払しょくするような見事な走りを見せる。ヒート1、ヒート2ともに優勝し、1ポイント差ながらも総合首位に立った。一方、小方はヒート1、ヒート2とも3位入賞。Honda勢2人が表彰台に立った。

スポーツランドSUGOで開催された第4戦は、第1戦と同じく決勝が3ヒート制で行われた。まずヒート1は山本が順位を守り切り3位、小方も山本に続き4位に入った。ヒート2では山本が転倒を喫し、小方が2位、山本が4位という結果に。最後のヒート3は、混戦の中で惜しくも山本が4位、小方が5位となり、それぞれ総合3位、4位でシーズン後半戦に臨むこととなった。


山本鯨は第3戦で両ヒートを制覇
山本鯨は第3戦で両ヒートを制覇

中止が発表された第5戦近畿大会を挟み、約4か月ぶりの10月に第6戦九州大会が行われることとなった。HondaのホームHSR九州で、山本が圧巻の走りを見せて両ヒートを独走状態で制覇し、総合2位に浮上。小方は予選1位となったものの、ヒート1、ヒート2ともに5位に終わった。

第7戦はMFJグランプリとして開催された。ヒート1でホールショットを奪った山本は、そのままレースを支配。逃げ切って今季5勝目となる優勝を飾ると、ヒート2でも3位でゴール。この結果、総合2位の富田俊樹(ヤマハ)とたった1ポイント差のランキング総合1位となり、シーズン優勝争いの行方は最終戦に持ち込まれることとなった。


第7戦終了時点で山本鯨がランキング総合1位に
第7戦終了時点で山本鯨がランキング総合1位に

最終戦は11月に延期された第2戦中国大会。ヒート1は山本が富田らとトップグループを形成するスリリングな展開に。山本は15周目の最終ラップ直前で富田に逆転を許すものの、最終ラップで再びトップに立つと、0.11秒差で逃げきって優勝。富田は3位となり、山本のポイントリードは10点に拡大したが、優勝決定はヒート2に持ち越されることとなった。



まさに今年最後の大一番となったヒート2。もし富田が優勝した場合、山本がチャンピオンとなるには、3位以内に入る必要があった。しかし、山本は1周目で転倒。21番手とほぼ最後尾からのレースとなってしまう。1周目3番手とのギャップは12秒以上。しかし、山本はここから「王者」の走りを見せつける。

2周目に12番手、3周目に8番手、4周目には5番手まで追い上げ、ついに7周目には、山本が小方を抜いて4番手に浮上。そして、残り3周というところでトップに立っていた富田が能塚智寛(カワサキ)に交わされてしまう。この時点で、山本がチャンピオンになる条件は6位以内に緩和。レースはそのまま能塚が優勝し、富田が2位、山本が4位という劇的な幕切れとなり、山本が年間ランキング総合1位の座をつかみ取った。


Honda勢は全日本モトクロス選手権3クラスでチャンピオンに輝いた
Honda勢は全日本モトクロス選手権3クラスでチャンピオンに輝いた

レース後、山本は今季限りの現役引退を表明。IA1クラス3年連続4度目のチャンピオンとして、レースを去ることとなった。年間を通して健闘を見せた小方はランキング総合5位。総合6位に小島庸平(Bells Racing)、総合7位に大塚豪太(T.E.SPORT with GOSHI)、総合9位に横澤拓夢(TKM motor sports いわて)が入り、ランキング10位以内にHonda勢が5人を占める結果となった。


小方誠はランキング総合5位でシーズンを終えた
小方誠はランキング総合5位でシーズンを終えた

IA1 ポイントランキング

Pos.

Num.

ライダー

マシン

総合ポイント

1

1

山本鯨

Honda

264
2

2

富田俊樹

ヤマハ

261
3

5

能塚智寛

カワサキ

239

3

渡辺祐介

ヤマハ

237
5

4

小方誠

Honda

196
6

6

小島庸平

Honda

108
7

7

大塚豪太

Honda

102

8

星野優位

ヤマハ

97
9

10

横澤拓夢

Honda

91
10

19

安原志

カワサキ

87

14

14

道脇右京

Honda

67
17 11 池谷優太 Honda 19 
19

29

小野千成

Honda

3
20

18

道脇白龍

Honda

2

21

38

田中教世

Honda


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