SUPER GT

【2021シーズン総集編】NSX-GT勢が8戦中4勝を挙げ、シリーズをリードするもタイトル連覇を逃す

2021年のSUPER GTシリーズは、国内6カ所のサーキットで全8戦が開催された。HondaはGT500クラスに、前年チャンピオンコンビの#1 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)を筆頭に5チームを擁して参戦した。

【2021シーズン総集編】NSX-GT勢が8戦中4勝を挙げ、シリーズをリードするもタイトル連覇を逃す

前半戦でディフェンディングチャンピオンがリードを奪う

岡山国際サーキットで行われた開幕戦ではトヨタ勢が上位を占め、Honda勢は#17 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)の5位が最上位となってしまう。巻き返しを図った第2戦富士スピードウェイでは、予選11番手スタートの#17 Astemo NSX-GTが優勝。第3戦が延期となった影響で、先に行われた第4戦ツインリンクもてぎでは、#1 STANLEY NSX-GTがポール・トゥ・ウインを果たした。#1 STANLEY NSX-GTは、次に行われた第3戦鈴鹿サーキットでもHonda勢最上位の4位入賞。前半4戦が終了した時点で、ランキングトップは40点で#1 STANLEY NSX-GTの山本、2番手は開幕戦の欠場により3点少ない37点の牧野。5番手には30点の#17 Astemo NSX-GT(塚越/バゲット)と続いていた。


第4戦ツインリンクもてぎで優勝した#1 STANLEY NSX-GTの山本/牧野
第4戦ツインリンクもてぎで優勝した#1 STANLEY NSX-GTの山本/牧野

ARTAの歯車かみ合い2連勝 タイトル争い急浮上

後半戦の入り口となる第5戦はスポーツランドSUGOで開催された。ここでは#8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)がポールポジションを獲得。レース前半は快調に首位を独走するが、ピット作業違反でペナルティーを受けて大きく後退。NSX-GT勢トップとなったのは10番手からジャンプアップした#1 STANLEY NSX-GTで、2位表彰台に登壇した。

10月23~24日、オートポリスで開催された第6戦。予選では#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹)がポールポジションを獲得。決勝レースでもトップを快走、これに#64 Modulo NSX-GTと#8 ARTA NSX-GTが続き、序盤で1-2-3体制を築く。ところが18周目、トップを走る#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTの右リアタイヤが突然外れてレースから脱落。その後は#8 ARTA NSX-GTがトップに立って快調に周回を重ね、独走したまま65周を走り切り優勝を飾った。


第6戦オートポリス シーズン初勝利を挙げた#8 ARTA NSX-GTの野尻/福住
第6戦オートポリス シーズン初勝利を挙げた#8 ARTA NSX-GTの野尻/福住

ツインリンクもてぎで開催されたシリーズ第7戦。3番手スタートの#8 ARTA NSX-GTは2番手に浮上し、トップの12号車の背後へ。順位を入れ替えることができないまま迎えた最終ラップで、2コーナーを抜けた12号車がガス欠を起こして突然失速、目前でそれをかわしてトップに立った#8 ARTA NSX-GTが逆転優勝のチェッカーフラッグを受けた。#1 STANLEY NSX-GT(山本/牧野)は無得点に終わったものの、山本が60点でポイントランキングトップ。2連勝の#8 ARTA NSX-GT(野尻/福住)が55点の3番手へ躍進。#17 Astemo NSX-GT(塚越/バゲット)が52点で続いて、NSX-GT勢はランキング上位を占めた状態でシリーズ最終戦へと向かった。


第7戦ツインリンクもてぎ #8 ARTA NSX-GTが2連勝
第7戦ツインリンクもてぎ #8 ARTA NSX-GTが2連勝

シリーズ連覇へあと10周 まさかのアクシデント

11月27~28日、富士スピードウェイで行われたシリーズ最終戦。直線の長い富士は、敏捷なコーナリングを得意とするNSX-GTにとって必ずしも適したサーキットではなく、厳しい戦いが予想されていた。しかしその中でも、公式予選では#1 STANLEY NSX-GTが2番手につけ、タイトル2連覇に向けて一歩前進。#8 ARTA NSX-GTはQ2に進出し6番手につけたものの、チャンピオンの可能性を残す#17 Astemo NSX-GTは10番手にとどまってしまう。

決勝レースが始まると、#1 STANLEY NSX-GTはストレートスピードの伸びるライバル車に先行を許し序盤4番手に後退したが、6位以内でフィニッシュすれば自力で王座を獲得できる計算であった。ところが、フィニッシュまで残り10周となった51周目の第1コーナーに進入したところ、内側から接触を受けて右フロント部を破損。緊急ピットインを余儀なくされ大きく後退。この結果、優勝した36号車にポイントで逆転を許し、目前にあったチャンピオンの座を失うこととなった。


第8戦富士スピードウェイ シリーズ2連覇を目前で逃した#1 STANLEY NSX-GT
第8戦富士スピードウェイ シリーズ2連覇を目前で逃した#1 STANLEY NSX-GT

一方、事実上のランキング2番手からこのレースを迎えた#8 ARTA NSX-GTは、ピット作業中にドアが脱落するトラブルが発生して大きくタイムロス。レース終盤猛然と追い上げ、NSX-GT勢最上位の6位でレースを完走したが、36号車には届かずランキング2位でシーズンを終えた。

最終戦でまさかの逆転を許しタイトル連覇を逃したが、参戦3メーカー中では最多の4勝を挙げ、シリーズのほとんどをリードしたNSX-GT勢。勝利のなかった#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT、#64 Modulo NSX-GTの2台もそれぞれポールポジションを獲得するなど、全車が速さを見せたシーズンとなった。




GT500 ポイントランキング

Pos. Num. Driver Machine Pts
1 36 関口雄飛/坪井翔 au TOM'S GR Supra 64
2 8 野尻智紀/福住仁嶺 ARTA NSX-GT 60
3 1 山本尚貴 STANLEY NSX-GT 60
4 1 牧野任祐 STANLEY NSX-GT 57
5 14 大嶋和也/山下健太 ENEOS X PRIME GR Supra 52
6 17 塚越広大/ベルトラン・バゲット Astemo NSX-GT 52
16 16 笹原右京/大湯都史樹 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT 20
18 64 伊沢拓也/大津弘樹 Modulo NSX-GT 5
19 1 武藤英紀 STANLEY NSX-GT 3

GT300 ポイントランキング

Pos. Num. Driver Machine Pts
1 61 井口卓人/山内英輝 SUBARU BRZ R&D SPORT 67
2 56 藤波清斗/J.P.デ・オリベイラ リアライズ 日産自動車大学校 GT-R 55
3 60 吉本大樹/河野駿佑 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT 49
4 55 高木真一/佐藤蓮 ARTA NSX GT3 45
5 244 三宅淳詞/堤優威 たかのこの湯 GR Supra GT 44
6 65 蒲生尚弥/菅波冬悟 LEON PYRAMID AMG 43
23 34 道上龍/密山祥吾 Yogibo NSX GT3 5
25 18 小林崇志/名取鉄平 UPGARAGE NSX GT3 4

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