チャンス活かした#17 Astemo NSX-GTが予選11番手から巻き返し優勝
5月3日(月)〜4日(火)、富士スピードウェイ(静岡県)で2021年度SUPER GTシリーズ第2戦が開催され、GT500クラスに5台のNSX-GT、GT300クラスに3台のNSX GT3が出走しました。
今回は通常300kmで行われる決勝レースの走行距離が500kmと長丁場となるため、レース中にドライバー交代をともなう2回のピットストップが義務づけられていました。
晴天となった月曜日の午後2時30分から公式予選が始まりました。NSX-GT勢はQ1セッションに苦戦。ここで上位8台に食い込み、Q2 セッションへ進出することができたのは#8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)のみでした。Q2セッションでの#8 ARTA NSX-GTは、ポールポジションの車両から0秒003後れの2番手タイムをマーク(1分26秒499)。決勝レースではフロントローからスタートすることとなりました。
日曜日は前日に引き続き晴天となり、午後2時30分、110周500kmの決勝レースがスタートしました。スターティンググリッド2番手だった#8 ARTA NSX-GT(福住)はシグナルがグリーンに変わってからの加速が鋭く、1コーナーのアウト側から先行車両をオーバーテイク。オープニングラップからトップに立つことに成功しました。
ところが、3周目に導入されたセーフティカーからのリスタートで、#8 ARTA NSX-GTは後続車両の逆襲を許し2番手に後退しました。一方、公式予選Q1セッションのタイムアタックに失敗し11番手からスタートした#17 Astemo NSX-GT(塚越広大)は31周で早めのピットインを行い、ドライバー交代を敢行。このタイミングでコース上の停止車両を排除するため今回から導入されたFCY(フルコースイエロー)が宣言され、走行中の全車が徐行に入った結果、ピット作業のロスタイムを最小限に抑えて事実上の順位を一気に上げることに成功しました。この結果、GT500クラス全車が1回目のドライバー交代を終えた44周目に#17 Astemo NSX-GT(ベルトラン・バゲット)はトップに進出することとなりました。
その後トップを快走した#17 Astemo NSX-GT(バゲット)は、タイヤ消耗を感じ取ったため68周目に2回目のドライバー交代のためピットインしました。この間に、野尻から福住へとドライバー交代を迅速に済ませた#8 ARTA NSX-GTが順位を入れ替えてトップに立ち、NSX-GTは1-2態勢を固めて終盤戦に突入しました。しかし、2番手に続いた#17 Astemo NSX-GT(塚越)はペースが上がらず、87周目には後続車にオーバーテイクされて3番手へ後退しました。
97周目、3回目のFCYが宣言され、フィニッシュまで13周を残した状態でリスタートが行われました。この直後、2番手の車両がトラブルでレースから脱落して、NSX-GTは再び1-2態勢になりました。しかし、FCY中にイエローフラッグ無視をしたとしてトップを走る#8 ARTA NSX-GT(福住)にドライブスルーペナルティーが科せられたため、#17 Astemo NSX-GT(塚越)が繰り上がってトップに立ちました。その後、#17 Astemo NSX-GT(塚越)は追いついてきた後続車を退け残り周回を走り抜き、0秒831差で優勝のチェッカーフラッグを受けました。
4位には、公式予選に失敗してGT500クラス最後尾の15番手からスタートした #1 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)が入賞しました。ドライブスルーペナルティーを受けた#8 ARTA NSX-GT(野尻/福住)は8位、#64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹)は10位でレースを終え、それぞれ選手権ポイントを獲得しました。
GT500決勝リザルト
Pos. |
Num. |
マシン |
ドライバー |
Time/Gap |
1 |
17 |
Astemo NSX-GT |
塚越広大/ベルトラン・バゲット |
3:03'07.846 |
2 |
14 |
ENEOS X PRIME GR Supra |
大嶋和也/山下健太 |
+0.831 |
3 |
37 |
KeePer TOM'S GR Supra |
平川亮/阪口晴南 |
+1.117 |
4 |
1 |
STANLEY NSX-GT |
山本尚貴/武藤英紀/牧野任祐 |
+1.552 |
5 |
3 |
CRAFTSPORTS MOTUL GT-R |
平手晃平/千代勝正 |
+34.102 |
6 |
39 |
DENSO KOBELCO SARD GR Supra |
H.コバライネン/中山雄一 |
+36.390 |
8 |
8 |
ARTA NSX-GT |
野尻智紀/福住仁嶺 |
+45.083 |
10 |
64 |
Modulo NSX-GT |
伊沢拓也/大津弘樹 |
+1'20.667 |
11 |
16 |
Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT |
笹原右京/大湯都史樹 |
+1'26.826 |
GT300決勝リザルト
Pos. |
Num. |
マシン |
ドライバー |
Time/Gap |
1 |
60 |
SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT |
吉本大樹/河野駿佑 |
3:04'16.736 |
2 |
61 |
SUBARU BRZ R&D SPORT |
井口卓人/山内英輝 |
+0.712 |
3 |
55 |
ARTA NSX GT3 |
高木真一/佐藤蓮 |
+1.286 |
4 |
65 |
LEON PYRAMID AMG |
蒲生尚弥/菅波冬悟 |
+21.580 |
5 |
10 |
GAINER TANAX with IMPUL GT-R |
星野一樹/石川京侍 |
+1 Lap |
6 |
88 |
JLOC ランボルギーニ GT3 |
小暮卓史/元嶋佑弥 |
+1 Lap |
9 |
18 |
UPGARAGE NSX GT3 |
小林崇志/名取鉄平 |
+1 Lap |
19 |
34 |
Yogibo NSX GT3 |
道上龍/密山祥吾 |
+2 Laps |
GT500 ポイントランキング
Pos. |
Num. |
ドライバー |
マシン |
Pts |
1 |
14 |
大嶋和也/山下健太 |
ENEOS X PRIME GR Supra |
35 |
2 |
17 |
塚越広大/ベルトラン・バゲット |
Astemo NSX-GT |
26 |
3 |
37 |
平川亮/阪口晴南 |
KeePer TOM'S GR Supra |
23 |
4 |
36 |
関口雄飛/坪井翔 |
au TOM'S GR Supra |
15 |
5 |
39 |
H.コバライネン/中山雄一 |
DENSO KOBELCO SARD GR Supra |
13 |
6 |
1 |
山本尚貴/武藤英紀 |
STANLEY NSX-GT |
11 |
7 |
1 |
牧野任祐 |
STANLEY NSX-GT |
8 |
9 |
8 |
野尻智紀/福住仁嶺 |
ARTA NSX-GT |
7 |
13 |
64 |
伊沢拓也/大津弘樹 |
Modulo NSX-GT |
1 |
GT300 ポイントランキング
Pos. |
Num. |
ドライバー |
マシン |
Pts |
1 |
56 |
藤波清斗/J.P.デ・オリベイラ |
リアライズ日産自動車大学校 GT-R |
24 |
2 |
60 |
吉本大樹/河野駿佑 |
SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT |
23 |
3 |
65 |
蒲生尚弥/菅波冬悟 |
LEON PYRAMID AMG |
23 |
4 |
61 |
井口卓人/山内英輝 |
SUBARU BRZ R&D SPORT |
16 |
5 |
55 |
高木真一/佐藤蓮 |
ARTA NSX GT3 |
11 |
6 |
52 |
吉田広樹/川合孝汰 |
埼玉トヨペットGB GR Supra GT |
11 |
14 |
18 |
小林崇志/名取鉄平 |
UPGARAGE NSX GT3 |
2 |