Race
SUPER GT 2021
Round 7

ARTA NSX-GTが2連勝

jp Mobility Resort Motegi

11月6日(土)~7日(日)、ツインリンクもてぎ(栃木県)で2021年度SUPER GTシリーズ第7戦が開催され、GT500クラスに5台のNSX-GT、GT300クラスに3台のNSX GT3が出走しました。

ARTA NSX-GTが2連勝

このレースでは全車両に対して「サクセスウエイトが半減される」ことが競技規則で定められているため、#1 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)が60kg、#8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)が35kg、#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹)が13kg、#17 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)が44kg、#64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹)が5kgとなります。ただし、半減してもサクセスウエイトが50kgを超える#1 STANLEY NSX-GTの場合、燃料流量リストリクターを1ランク縮小したうえで実ウエイトを43kg積むことになります。

公式予選が行なわれる土曜日は朝から晴天となりました。午後の公式予選Q1セッションでは#1 STANLEY NSX-GT、#64 Modulo NSX-GTの2台がノックアウトされましたが、Q2セッションに進出した3台は#8 ARTA NSX-GTが3番手、#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTが5番手、#17 Astemo NSX-GTが8番手となりました。#17 Astemo NSX-GT(バゲット)はタイムアタックで2番手に食い込むタイムを記録していましたが、走路外走行のペナルティーにより記録が抹消されたため、Q2最下位となったものです。なお、GT300クラスでは#18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/名取鉄平)がポールポジションを獲得しました。

決勝レースの行なわれる日曜日も引き続き晴天となり、午後1時に決勝レースのフォーメーションラップが始まりました。スタートが切られると、3番手の#8 ARTA NSX-GT(福住)は前方の24号車をかわして2番手に進出しましたが、後方からうまく加速してきた12号車にオーバーテイクを許し、3番手に戻ってレースを始めました。

2回のフルコースイエロー(FCY)を挟み3番手を守った#8 ARTA NSX-GT(福住)は、23周を走ってピットに入り、ドライバー交代、給油、タイヤ交換を行ないました。コースに復帰した#8 ARTA NSX-GT(野尻)は、序盤先頭を走っていた19号車がドライバー交代を終えてコースに戻ったところで追いついてオーバーテイク、12号車に続く2番手に順位を上げました。

30周目の時点で#8 ARTA NSX-GT(野尻)とトップの12号車との間隔は約3秒ありましたが、40周を過ぎる頃から徐々に縮まり始め、50周を迎える頃には1秒を切るまでに至りました。しかし、オーバーテイクの難しいコースレイアウトが特徴のツインリンクもてぎで、周回遅れのGT300クラス車両をかわしながら走る#8 ARTA NSX-GT(野尻)はなかなかそれ以上接近することができず、1秒弱の間隔で2番手のまま最終ラップを迎えることとなりました。

ところが、トップで2コーナーを抜けた12号車がガス欠を起こして突然失速。#8 ARTA NSX-GT(野尻)は目前でそれをかわしてトップに立つとそのままコースの残りを走り抜け、優勝のチェッカーフラッグを受けました。#8 ARTA NSX-GT(野尻/福住)は2連勝を遂げ、4位には#17 Astemo NSX-GT(塚越/バゲット)、5位には#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原/大湯)が入賞、シリーズポイントを獲得しました。この結果、#1 STANLEY NSX-GT(山本/牧野)は無得点に終わりましたが、シリーズポイントランキングトップ&2番手(山本が60点、牧野が57点)の座を守り、野尻/福住組が55点で3番手へ躍進。さらに、塚越/バゲット組が52点の4番手に続いて、NSX-GT勢はシリーズランキングトップ4を占めた状態でシリーズ最終戦を迎えることとなりました。


Masahiro Saiki
Masahiro Saiki
レース後半、タイヤの消耗と燃費が問われる40周のロングラン勝負で決着したレースでした。8号車の優勝はもちろん、17号車が前の車両に引っかかりながらも前へ出るレースができたことをうれしく思います。ランキングではNSX-GTが3台上位に並んでシリーズ最終戦を迎えることになりましたが、いまのSUPER GTは1ポイントを獲得することさえ難しい、非常に激しいレースになっているので決して楽観はできません。今回のレースを精査して最終戦に備えます。これまで同様の応援をよろしくお願いします

Tomoki Nojiri
Tomoki Nojiri 8
ARTA
12号車のピットを見て『たぶん給油時間が短かったんだな』と直感していたのでこれは(燃費が)厳しいんじゃないか、プッシュすれば追い詰められるんじゃないかと思っていました。そうしたら最終ラップに入った1コーナー手前でスロットルを抜いているか、ガス欠か、というような挙動を見せて、2コーナーを立ち上がってからも加速していかなかった。その瞬間にこれは僕たちのレースだ、引き寄せたなと前に出ました。僕たちのマシンは(燃費については)大丈夫だと言われていましたが、気をつけてチェッカーまでを走りきりました。シリーズチャンピオンの可能性をもって最終戦を迎えますが、まずは一つのレースとして優勝を狙います。シリーズチャンピオンはその結果ついてくるものだと思っています

Nirei Fukuzumi
Nirei Fukuzumi 8
ARTA
第4戦のツインリンクもてぎではパフォーマンスがあまりよくなかったのですが、前回優勝した流れでマシンのほうも仕上げられたし、チームも一丸となれた結果が出たかなと思います。3番手からスタートしてすぐに12号車に抜かれてしまって若干焦ったり、その後いくつかミスをしてしまったのですが、なんとか前走車とのギャップを詰めてピットインして、後は申し訳ないけど野尻さんにまかせようとバトンタッチしました。今回の優勝は本当に回りの人に助けてもらった結果だと思って感謝しています。チャンピオン争いのことなどとても考えられないような状態でシーズンを送ってきましたが、ここで連勝してチャンスが巡ってきたかなと思います。まだまだできることはいっぱいあると思うので、野尻さんをはじめチームとしっかりコミュニケーションをとって最終戦に向けて準備をします

GT500決勝リザルト

Pos. Num. Machine Driver Laps Time/Gap
1 8 ARTA NSX-GT 野尻智紀/福住仁嶺 63 1:50'50.741
2 19 WedsSport ADVAN GR Supra 国本雄資/宮田莉朋 63 +18.807
3 12 カルソニック IMPUL GT-R 平峰一貴/松下信治 63 +19.905
4 17 Astemo NSX-GT 塚越広大/ベルトラン・バゲット 63 +25.939
5 16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT 笹原右京/大湯都史樹 63 +35.998
6 14 ENEOS X PRIME GR Supra 大嶋和也/山下健太 63 +36.883
12 1 STANLEY NSX-GT 山本尚貴/牧野任祐 63 +53.336
13 64 Modulo NSX-GT 伊沢拓也/大津弘樹 63 +1'21.482

GT300決勝リザルト

Pos. Num. Machine Driver Laps Time/Gap
1 21 Hitotsuyama Audi R8 LMS 川端伸太朗/篠原拓朗 59 1:51'52.316
2 55 ARTA NSX GT3 高木真一/佐藤蓮 59 +1.850
3 56 リアライズ日産自動車大学校 GT-R 藤波清斗/J.P.デ・オリベイラ 59 +13.059
4 88 JLOC ランボルギーニ GT3 小暮卓史/元嶋佑弥 59 +13.540
5 25 HOPPY Porsche 松井孝允/佐藤公哉 59 +23.390
6 61 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口卓人/山内英輝 59 +24.422
12 34 Yogibo NSX GT3 道上龍/密山祥吾 58 +1Lap
RT 18 UPGARAGE NSX GT3 小林崇志/名取鉄平 5 +54Laps

GT500 ポイントランキング

Pos. Num. Driver Machine Pts
1 1 山本尚貴 STANLEY NSX-GT 60
2 1 牧野任祐 STANLEY NSX-GT 57
3 8 野尻智紀/福住仁嶺 ARTA NSX-GT 55
4 17 塚越広大/ベルトラン・バゲット Astemo NSX-GT 52
5 36 関口雄飛/坪井翔 au TOM'S GR Supra 44
6 12 平峰一貴/松下信治 カルソニック IMPUL GT-R 43
16 16 笹原右京/大湯都史樹 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT 19
17 64 伊沢拓也/大津弘樹 Modulo NSX-GT 5
18 1 武藤英紀 STANLEY NSX-GT 3

GT300 ポイントランキング

Pos. Num. Driver Machine Pts
1 61 井口卓人/山内英輝 SUBARU BRZ R&D SPORT 55
2 56 藤波清斗/J.P.デ・オリベイラ リアライズ 日産自動車大学校 GT-R 49
3 55 高木真一/佐藤蓮 ARTA NSX GT3 45
4 244 三宅淳詞/堤優威 たかのこの湯 GR Supra GT 40
5 11 平中克幸/安田裕信 GAINER TANAX GT-R 35
6 88 小暮卓史/元嶋佑弥 JLOC ランボルギーニ GT3 34
23 34 道上龍/密山祥吾 Yogibo NSX GT3 5
25 18 小林崇志/名取鉄平 UPGARAGE NSX GT3 4

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レポート公開日
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