【2022シーズン総集編】野尻智紀が2年連続シリーズチャンピオン。Honda勢が10戦6勝を挙げる
2022年の全日本スーパーフォーミュラ選手権は全7大会が行われ、うち3大会で新たに土日2レース制のフォーマットが採用されたことで、全10戦でタイトルが争われた。
連覇に向け、開幕2戦で野尻が快調な滑り出し
昨シーズン、シリーズチャンピオンに輝いた#1 野尻智紀(TEAM MUGEN)は、富士スピードウェイで行われた開幕戦で予選6番手だったものの、決勝では2位でフィニッシュ。同じ週末に開催された第2戦ではポール・トゥ・ウインを飾り、前年王者の底力を見せてシリーズ2連覇へ向け快調な滑り出しを見せた。
また、開幕戦では若手の活躍も目立った。開幕直前にシリーズフル参戦が決まった#15 笹原右京(TEAM MUGEN)が開幕戦の公式予選でポールポジションを獲得、第2戦決勝ではルーキーの#55 三宅淳詞(TEAM GOH)が5位入賞を果たした。
#1 野尻は第2戦以降、第3戦鈴鹿、第4戦オートポリス、第5戦スポーツランドSUGOと4戦連続でポールポジションを獲得し、その速さが2022年シーズンも健在であることを見せつけた。しかし、決勝レースではなかなか流れに乗れず、第3戦以降は勝利から遠ざかることに。
松下、笹原のSF初勝利 ルーキー三宅が初表彰台
一方で、第3戦鈴鹿では#50 松下信治(B-MAX Racing Team)が雨中の激走で国内トップフォーミュラ初優勝を飾ったほか、第4戦では三宅がチームと自身にとって初の3位表彰台に登壇。第5戦では#65 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)が2位に入賞、第6戦では#15 笹原がやはり国内トップフォーミュラで初めて優勝するなど、フレッシュな顔ぶれの活躍が目立った。
また、昨年チームを移籍して以来苦戦しがちだった2020年度シリーズチャンピオン、#64 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)が第7戦で覚醒、ポールポジションから雨のレースを支配して、2020年の第5戦鈴鹿以来の優勝を飾っている。
連続ポールポジションを獲りながらなかなか勝てなかった#1 野尻だが、第3戦から第7戦までの5戦中4戦で表彰台に登壇。シリーズポイントを着実に積み重ね、シリーズ最終大会鈴鹿サーキットでの開催を前に、シリーズ連覇に王手をかけてレースウイークを迎えた。
TEAM MUGENの1-2フィニッシュでチャンピオン決定
快晴となった鈴鹿サーキットで最終大会を迎えた#1 野尻は、走り出しこそタイムが出なかったものの、チームの対応がうまく進み、公式予選ではポールポジションを獲得。土曜日に開催された第9戦決勝レースでは、タイヤ交換のタイミングでチームメートの#15 笹原の先行を許したが、#15 笹原に続いて2位に入賞し、TEAM MUGENが1-2フィニッシュを達成。これによりポイントを加算した#1 野尻は、2年連続シリーズチャンピオンの座を勝ち取った。
松田次生以来、14年ぶりとなる2年連続の戴冠を果たした野尻は、翌日に行われたシリーズ最終戦JAF鈴鹿グランプリで緊張から解き放たれたかのように激走。公式予選でポールポジションを獲得すると、決勝レースではオープニングラップから後続を引き離していく。セーフティカーが介入する混乱も乗り越え、一度もポジションを譲ることなくポール・トゥ・ウイン。まさにチャンピオンらしいシリーズの締めくくりとなった。
チーム部門では、#1 野尻の所属したTEAM MUGENが初めてのシリーズチャピオンを獲得。また第9戦で3位に入賞して表彰台に上がったルーキーの#53 佐藤蓮(TEAM GOH)がルーキー・オブ・ザイヤーに輝いた。
Race Report
Rd.01 富士スピードウェイ:開幕戦で野尻智紀が2位表彰台を獲得
Rd.02 富士スピードウェイ:新フォーマットの開幕第2戦で野尻智紀がポール・トゥ・ウインの快勝
Rd.03 鈴鹿サーキット:松下信治がウエットで圧倒的速さを見せ、9番手から逆転で初優勝
Rd.04 オートポリス:ルーキー三宅淳詞が3位に入り、自身とチームに初表彰台をもたらす
Rd.05 スポーツランドSUGO:大湯都史樹が2位で今季初表彰台、野尻智紀が3位フィニッシュ
Rd.06 富士スピードウェイ:笹原右京が初優勝。野尻智紀は3位でライバルとの差を広げる
Rd.07 モビリティリゾートもてぎ:山本尚貴がポール・トゥ・ウインで今季初優勝、野尻智紀は3位表彰台を獲得
Rd.08 モビリティリゾートもてぎ:牧野任祐が3位表彰台。野尻智紀は4位でポイントリーダーの座をキープ
ポイントランキング
Pos. | Driver | Num. | チーム | Constr. | Pts |
---|---|---|---|---|---|
1 | Tomoki NOJIRI | 1 | TEAM MUGEN | Honda | 154 |
2 | Sacha FENESTRAZ | 4 | KONDO RACING | Toyota | 89 |
3 | Ryo HIRAKAWA | 20 | carenex TEAM IMPUL | Toyota | 87 |
4 | Ritomo MIYATA | 37 | Kuo VANTELIN TEAM TOM’S | Toyota | 64 |
5 | Tadasuke MAKINO | 5 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | Honda | 61 |
6 | Ukyo SASAHARA | 15 | TEAM MUGEN | Honda | 57 |
8 | Toshiki OYU | 65 | TCS NAKAJIMA RACING | Honda | 43 |
9 | Hiroki OTSU | 6 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | Honda | 33 |
10 | Naoki YAMAMOTO | 64 | TCS NAKAJIMA RACING | Honda | 32 |
12 | Ren SATO | 53 | TEAM GOH | Honda | 25 |
13 | Nobuharu MATSUSHITA | 50 | B-Max Racing Team | Honda | 21 |
14 | Atsushi MIYAKE | 55 | TEAM GOH | Honda | 21 |
19 | Nirei FUKUZUMI | 12 | Threebond Drago CORSE | Honda | 3 |