今シーズン、Honda/M-TECエンジンを用いるユーザーは、#1 野尻智紀、#15 笹原右京(TEAM MUGEN)、#5 牧野任祐、#6 大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、#12 福住仁嶺(ThreeBond DragoCORSE)、#50 松下信治(B-Max Racing Team)、#53 佐藤蓮、#55 三宅淳詞(TEAM GOH)、#64 山本尚貴、#65 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)の6チーム計10名です。
今回の開幕戦は、9日(土)に第1戦の公式予選および決勝、10日(日)に第2戦の公式予選および決勝という1大会2レース制のフォーマットで開催されました。9日(土)の午前中に行われた第1戦の公式予選でポールポジションを獲得したのは、今年初めてレギュラー参戦することになった笹原でした。また、ルーキーの佐藤が健闘して2番手に続き、Honda勢がグリッドの最前列に並んで決勝レースを迎えました。
ところが、決勝レースのスタートでは、ポールポジションの笹原がエンジンストールで出遅れ、佐藤も予選3番手の平川亮(トヨタ)の先行を許してしまいました。一方、予選6番手からレースを始めたディフェンディングチャンピオンの野尻は、規則で定められた最小限の周回数である10周を走ってピットインし、いち早くタイヤ交換義務を消化して上位進出を狙う作戦を選びました。
タイヤ交換を終えた野尻はスパートし、トップを走る平川との間隔を縮めにかかりました。平川は25周を走り終えたタイミングでピットイン。タイヤ交換を行い、コースに復帰したときには野尻が先行して事実上のトップに立ちました。野尻は逃げ切りを図りましたが、フレッシュタイヤのアドバンテージがある平川が背後に迫り、野尻は30周目の第13コーナーで平川の先行を許しました。
野尻は2番手に後退、残り11周を走りきって、予選順位から4ポジションアップの2位でチェッカーフラッグを受けました。以下、6位に牧野、7位に大湯、9位に佐藤、10位に三宅が入賞し、それぞれ選手権ポイントを獲得しました。
翌10日(日)は前日にも増して好天となり、気温、路面温度とも上昇する中で第2戦の公式予選が行われました。その結果、野尻が渾身のタイムアタックでポールポジションを獲得、笹原が3番手、佐藤が4番手につけました。
午後の第2戦決勝レースでは、前日に引き続き笹原がスタートに失敗して順位を落としましたが、野尻は危なげなく首位に立ち、2番手には宮田莉朋(トヨタ)が続きました。
野尻は第1戦とは異なり1セット目のタイヤで周回数を稼ぐ作戦を選んで首位を守ったまま25周を走りピットイン、タイヤ交換を行いました。コースに復帰すると、野尻の後方1.6秒後方に平川が肉薄しており、残りの周回は第1戦と同様に野尻と平川のデッドヒートとなりました。しかし、野尻は後続との差を見つつ冷静に周回を重ね、トップのまま残りのレースを走りきって、自身通算7回目となる優勝のチェッカーフラッグを受けました。5位にはルーキーの三宅が躍進、7位に大津、10位に笹原が入賞、それぞれ選手権ポイントを獲得しました。この結果、野尻は選手権ポイントを38点とし、36点の平川を押さえてランキングトップに立ちました。