【2022シーズン総集編 ST600】荒川晃大が初タイトルを獲得
2021年のチャンピオン埜口遥希はアジアロードレース選手権へと活躍の場を移し、王者不在となったST600クラス。全5大会6レースが行われ、前年総合2位の小山知良(日本郵便Honda Dream TP)、同3位の荒川晃大(MOTOBUM HONDA)を中心にタイトル争いが繰り広げられた。
開幕戦でCBR600RR勢が表彰台独占
開幕戦モビリティリゾートもてぎでは、新生チームTN45 with MotoUP Racing Teamから参戦の羽田太河が初優勝を飾り、2位に小山、3位に荒川とHonda CBR600RR勢が表彰台を独占する好スタートとなった。40台で争われた予選は、荒川、羽田、鈴木光来(MOTOBUM HONDA)、國井勇輝(SDG Motor Sports RT HARC-PRO.)、阿部恵斗(ヤマハ)の上位5台が新記録を叩き出すレコードラッシュとなり、その中でもただひとり1分52秒台を記録した荒川が注目を集めた。
クラス2戦目はスポーツランドSUGOで開催。2レース制で行われた。レース1決勝では、ポールポジションの荒川に羽田が続きトップ争いを展開。2台は後続を突き放すが、レース後半には小山が追いつき、3台で激しいバトルとなった。バックマーカーも絡む接近戦の中で、小山が巧みに抑えきって勝利、2位に羽田、3位に荒川となった。
続くレース2では、途中、マシンがオイルを吹いたことにより転倒者が続出。レース再開後、荒川は一人1分30秒台のペースで独走し、2位の羽田に9秒130ものリードをとって今季初勝利を挙げた。
開幕から連続表彰台の荒川がポイントリーダーに
3戦目のオートポリスでは、3戦連続ポールポジションの荒川が決勝で好スタートを切ってホールショットを奪うも、1コーナーで羽田と横山翔太(ヤマハ)が接触転倒。赤旗が出されてレースディレイとなり、周回数は15周から10周へと減算された。再開後のレースでは、荒川は井手翔太(ヤマハ)、阿部(ヤマハ)とのトップ争いを展開するも、僅差の2位でフィニッシュ。勝利こそ逃したが、このレース6位の小山、ノーポイントに終わった羽田を抜いてランキングトップに浮上した。
岡山国際サーキットで行われた4戦目は台風の影響で不安定な天候となり、アクシデントが相次いだ。ドライコンディションで上位16台がコースレコードを更新した激しい予選とは一転、決勝では大雨の影響により転倒者が続出した。2度の赤旗中断の後、ヘビーウエットのコンディションで行われた10周のレースでは、荒川が2位、小山は4位でフィニッシュした。最終戦を前に、荒川が97ポイントでランキングトップ、2位に81ポイントの小山が続く。羽田は世界選手権Moto2参戦のため岡山大会以降は欠場となり、タイトル争いは荒川と小山の2人に絞られた。
迎えた最終戦、MFJグランプリ鈴鹿。荒川は初のチャンピオンに挑み、小山は逆転タイトルを懸けた争いとなった。予選で2分10秒776を記録した荒川は、自身のレコードを更新してポールポジションを奪う。決勝では序盤トップに立ちながらも、大接戦の中で徐々にポジションを落としていった。小山は9周目に荒川をとらえて3番手、12周目には2番手に浮上するも、トップの井手(ヤマハ)には及ばず。井手、小山、國井、荒川の順でチェッカーが振られ、國井が初の表彰台に登壇。荒川はこの最終戦以外全戦で表彰台に上がる安定した戦いぶりで、初のシリーズチャンピオンを獲得した。
Race Report
Rd.01 モビリティリゾートもてぎ:羽田太河が全日本初優勝
Rd.04 スポーツランドSUGO:レース1は小山、レース2は荒川が勝利を収める
ST600 ランキング
Pos. | Rider | Num. | チーム | Constr. | Pts |
---|---|---|---|---|---|
1 | 荒川晃大 | 3 | MOTOBUM HONDA | Honda | 113 |
2 | 小山知良 | 2 | JAPAN POST HondaDream TP | Honda | 104 |
3 | 阿部恵斗 | 5 | Team 51 GARAGE YAMAHA | ヤマハ | 79 |
4 | 井手翔太 | 12 | AKENO SPEED・YAMAHA | ヤマハ | 69 |
5 | 羽田太河 | 37 | TN45withMotoUPRacing | Honda | 65 |
6 | 鈴木光来 | 8 | MOTOBUM HONDA | Honda | 57 |
8 | 國井勇輝 | 33 | SDG Motor Sports RT HARC-PRO. | Honda | 44 |
10 | 伊藤元治 | 15 | MOTO BUM HONDA | Honda | 36 |
17 | Muklada SARAPUECH | 39 | Astemo Honda Dream SI Racing | Honda | 19 |
19 | 鈴木大空翔 | 21 | BATTLE FACTORY | Honda | 17 |
21 | 山口辰也 | 28 | Team T2y | Honda | 7 |
22 | 西村硝 | 38 | TN45withMotoUPRacing | Honda | 7 |
23 | 山田尚輝 | 29 | team elf | Honda | 2 |
24 | 千田俊輝 | 20 | SDG Motor Sports RT HARC-PRO. | Honda | 1 |