INDY500で2度の優勝を誇る佐藤琢磨選手が 第109回INDY500にレイホールチームから出場
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INDY500で2度の優勝を誇る佐藤琢磨選手が 第109回INDY500にレイホールチームから出場

株式会社ホンダ・レーシング(以下、HRC)のExecutive Advisor(エグゼクティブ・アドバイザー)であり、2017年と2020年の2度のINDY500の覇者である佐藤琢磨選手が、5月に米国インディアナ州のインディアナポリス・モーター・スピードウェイ(以下、IMS)で開催されるインディアナポリス500(以下、INDY500)にRahal Letterman Lanigan Racing(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング、以下RLL)から参戦することがチームから発表になりました。


左/佐藤琢磨選手 右/佐藤選手が駆る75号車
左/佐藤琢磨選手 右/佐藤選手が駆る75号車


INDY500は1911年に第1回が開催された歴史ある自動車レースであり、2025年は第109回目にあたります。佐藤選手は2010年からインディカーシリーズに参戦。2013年にはロングビーチで初勝利を飾りました。2017年にはアンドレッティ・オートスポーツから参戦し、アジア人として初めて、INDY500で優勝しました。2018年には、かつて所属していたRLLチームに復帰、同チームから2020年に自身2度目のINDY500優勝を果たします。今年、佐藤選手のドライブする75号車には、2024年と同様に、シートメタル業界の世界的な機械工具メーカーおよびサプライヤーであるAMADA AMERICA, Inc.(アマダ・アメリカ)がメインスポンサーとなり佐藤選手をバックアップします。

佐藤選手はホンダ・レーシング・スクール・鈴鹿(HRS)のプリンシパル(校長)を務めつつ、2024年にはHRCのエグゼクティブ・アドバイザーにも就任。世界のトップカテゴリーレースで活躍してきた知見を活かし、四輪レースでの国内外のドライバー育成戦略やプログラムの策定、レースの参戦計画や運営体制などに助言とサポートをする役責を担っています。


佐藤琢磨選手のコメント
「RLLとともに第109回INDY500に参戦できることに、抑えきれないほどの喜びを感じています。ボビー、マイク、デイビッド、そしてチームの全員に、心からのお礼をいま一度、申し上げたいと思います。また、タイトルスポンサーを務めてくださるアマダを筆頭に、パナソニック オートモーティブシステムズ、Niterraグループ日本特殊陶業、デロイト トーマツ コンサルティング、ナック、本田技研工業、ホンダ・レーシングをはじめ長年レース活動をサポートしてくださっているスポンサーの皆さまにもお礼を申し上げます。No.75を掲げた新しいマシンは、RLLの伝統的なデザインをベースに、ダイナミックでリフレッシュされたカラーリングが施されていて、とても魅力的な仕上がりとなっています。チームとの旧交を温めることになった昨年の参戦はすばらしい経験でした。そして今年は、さらに多くの懐かしい顔ぶれがそろうので、昨年以上に特別な挑戦になるとともに、大きな自信を与えてくれます。チーム一丸となって戦うことが楽しみで仕方ありません」

 

渡辺康治HRC社長のコメント
「2度のINDY500チャンピオンであり、HRCのエグゼクティブ・アドバイザーでもある佐藤選手が今年も、世界三大レースの一つであるINDY500に挑戦することとなりました。ぜひ、3度目の優勝を勝ち取れるよう、HRCとして、そして日本人として、応援していきます」

 

デイビッド・ソルターズ HRC US社長のコメント
「2度のINDY500ウイナーのタク(佐藤選手の米国での愛称)を今年もこの壮大なレースに迎えられてうれしいです。昨年のINDY500以後、インディカーもハイブリッド化されました。タクはまだこの新しいパワーユニットでの走行を経験していないので、彼がスムーズにハイブリッド・インディカーに慣れることができるように、HRC USとしても技術面からサポートしていきます」

 

ボビー・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの共同オーナー)のコメント
「今年も琢磨を私たちのINDY500プログラムに迎え入れることができて、本当にうれしく思っています。彼のIMSにおける経験、才能、そして堂々たる存在感は、この地で挙げた2勝により明快に証明されています。彼がチームに持ち込んだ規範と細部へのこだわりは、チームのプログラムに計りえないほどの価値をもたらしました。チームのエントリーにアマダがプライマリー・スポンサーとして協力してくださることにも喜びを感じています。彼らは、INDY500だけに限らず、私たちのレーシング・プログラムの一部としての活動を継続してくれました。アマダが作った工作機械を日常的に活用している私たちにとっては、これ以上ないほど幸せなことです」

 

マイク・ラニガン(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの共同オーナー)のコメント
「今年も佐藤琢磨とともにINDY500に挑めることを、RLLとしてとても誇りに感じています。IMSでの琢磨は常に速く、これまでに挙げた2勝は、世界で最も壮観なレースにおける彼の実力を示すものです。個人的には、チームが琢磨に『3度目の優勝』のチャンスをもたらすことを楽しみにしていると同時に、プライマリー・スポンサーを務めるアマダに深く感謝しています」

 

マイク・ギャラン(アマダ・アメリカ CEO)のコメント
「第109回INDY500に参戦する有力チームのRLLと佐藤琢磨をサポートできることに、たいへんな喜びを覚えています。このパートナーシップは、テクノロジーの限界を追求し、最高のパフォーマンスを発揮するという、私たちとチームに共通した思いを反映したものです。『世界最大のレース』と言われるINDY500で、アマダとRLLのシナジーが発揮されることを楽しみにしております」


佐藤選手は、2010年のインディカーシリーズ参戦以来、同シリーズで通算221回のスタートを切り、現役ドライバーの中で7位、歴代で22位にランクインしています。彼のインディカーでのハイライトには、2017年および2020年のINDY500、2013年のロングビーチ、2018年のポートランド、2019年のアラバマおよびイリノイ戦での計6回の勝利が含まれ、そのうち4勝はRLLでのものです。これまでの14回の表彰台フィニッシュのうち、10回はRLLでのものであり、10回のインディカーポールのうち3回もRLLでのものです。2024年のINDY500ではHondaエンジン搭載ドライバーの中で2番目に速い予選スピードを記録しました。今年は16回目のINDY500参戦になります。

インディカーは昨年6月のミッドオハイオ戦からEnergy Recovery System(エナジー・リカバリー・システム、ERS)が2.2リッターV6ツインターボエンジンに付加され、ハイブリッド化されました。このうち、Energy Storage System(エナジー・ストレージ・システム、ESS)はHRC USが供給しています。インディカー用のESSでは、リチウムイオン電池ではなく、軽量で瞬発力に優れたスーパーキャパシタを採用しているのが特徴です。ERSは約60馬力のエクストラパワーを発生することが可能で、ステアリングのボタンにより追い越し時などにドライバーが有効に使うことが可能で、レース展開をより醍醐味のあるものにしています。FIA※1フォーミュラ・ワン世界選手権(F1)、IMSA※2ウェザーテック・スポーツカー選手権に続き、Hondaが関わるグローバル四輪レースでの電動化の事例の一つとなります。

※1 FIA とは、Fédération Internationale de l'Automobile(国際自動車連盟)の略称
※2 IMSAとは、International Motor Sports Association(国際モータースポーツ協会)の略称


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