Endurance World Championship

【2021年総集編】F.C.C. TSR Honda Franceが総合5位で終える

FIM 世界耐久選手権(EWC)の2021年シーズンは、ル・マン24時間レース(フランス)、エストリル12時間レース(ポルトガル)、ボルドール24時間耐久レース(フランス)と、オートドローム・モストでの6時間耐久レースの全4戦で争われた。

【2021年総集編】F.C.C. TSR Honda Franceが総合5位で終える

2021年シーズンは、新型コロナウィルスの影響によりスケジュールが変更され、鈴鹿8時間耐久ロードレースとオッシャースレーベン8時間耐久レースがキャンセル。代わりにチェコで初開催となるモスト6時間耐久ロードレースが追加された。F.C.C. TSR Honda Franceは、これまでのジョシュ・フック、マイク・ディ・メリオに加え、高橋裕紀をチームに迎え、CBR1000RR-R FIREBLADE SPでの参戦となった。


「Total Control for the Track ~サーキットで本領発揮するマシン」がCBR1000RR-R FIREBLADE SPの開発コンセプト
「Total Control for the Track ~サーキットで本領発揮するマシン」がCBR1000RR-R FIREBLADE SPの開発コンセプト

開幕戦は、昨年優勝したル・マン24時間レース。新型コロナウィルスの影響で4月から6月12~13日に延期、無観客で開催された。 残り6時間時点では2番手を走行していたものの、マシントラブルでやむを得ずピットイン。チームスタッフが懸命に作業を行い、6番手でコースに戻ることに。しかし、クラッシュにより再びピットに入ることとなった。それでも最後まであきらめず、魂の力走を続けた F.C.C. TSR Honda Franceは9位でレースを終えた。


明け方まで表彰台圏内の走りを見せるもル・マン24時間レースで9位
明け方まで表彰台圏内の走りを見せるもル・マン24時間レースで9位

スーパーストッククラスに参戦する#55 National Motosは18番グリッドからスタートすると、レースの折り返し点ではクラス首位となり、すばらしいパフォーマンスを披露してクラス優勝。総合4位に輝いた。夜中にケビン・トゥルーブが右腕の異常を訴え、チームマネージャーがステファン・エゲアとグイラーム・アンティガの2名体制に変えたことを考えると、まさしく驚異的な勝利となった。


ル・マン24時間レーススーパーストッククラスで優勝し表彰台に登壇
ル・マン24時間レーススーパーストッククラスで優勝し表彰台に登壇

シーズンの第2戦は、エストリル・サーキットで行われたエストリル12時間レース。4番グリッドからスタートしたディ・メリオは、直後に2番手に浮上。そこから数回のピットの後もポジションを守り続ける。フック、ディ・メリオ、高橋の3名のライダーはノーミスでスティントをこなし、ラスト30分ではスリリングな走りを見せて優勝を勝ち取った。

また、#55 National Motosも力強いレースを見せた。グイラーム・アンティガ、ステファン・エゲア、エンツォ・ブーロムの3人組は、13番グリッド(スーパーストッククラスの4番手)からスタートし、同クラスの表彰台2位を獲得した。


エストリル12時間レースで見事な勝利を収めた
エストリル12時間レースで見事な勝利を収めた

第3戦となったのは、ボルドール24時間耐久レース。今シーズン初めて有観客のレースとなった。CBR1000RR-R FIREBLADE SPを駆るディ・メリオは好調なスタートを切り、2時間を経過した時点で2番手に浮上。しかし、高橋のスティントで2回の小さなトラブルによってピットストップが長引き、21番手でレースに戻ることに。そこからは、5番手まで追い上げる見事なカムバックを見せる。その後、午前0時に雨が降り出したものの、ライダーたちは着実なラップタイムを刻み、3番手まで浮上。だが、12時間経過した時点でトラブルで再度ピットイン。 チームワークと「ネバーギブアップ」精神にも関わらず、以降のレース復帰が叶わリタイアを余儀なくされた。

RAC41-CHROMEBURNER(クリス・リーシュ、グレゴリー・ファストレ、ウェイン・テッセルズ)は、スーパーストッククラス2位でフィニッシュし、総合4位でレースを終えた。


RAC41-CHROMEBURNERがスーパーストッククラスで2位表彰台
RAC41-CHROMEBURNERがスーパーストッククラスで2位表彰台

2021年シーズン最終戦はオートドローム・モストで行われた6時間耐久レースとなった。4番手スタートとなったディ・メリオはすばらしい滑り出しを見せ、2ラップ目には一時リードを取る好調な走りを見せる。しかし、3時間目に突入すると高橋がクラッシュしピットイン。迅速に修復作業が行われ、約17分間のピットストップの後、23番手でコース復帰。4時間目に突入した時点では21番手までポジションをアップしたが、テクニカルトラブルにより、チームはリタイアを強いられることとなった。

全4戦を終え、#5 F.C.C. TSR Honda Franceは91ポイントを獲得し、チャンピオンシップ5位という結果に終わった。


最終戦でチームワークの強さを見せるも無念のリタイア
最終戦でチームワークの強さを見せるも無念のリタイア


  • Standings
Pos. チーム Constr. Pts
1 YOSHIMURA SERT MOTUL Suzuki 175.5
2 BMW WORLD ENDURANCE TEAM BMW 133
3 WEBIKE SRC KAWASAKI France TRICKSTAR Kawasaki 115.5
4 VRD IGOL PIERRET EXPERIENCES Yamaha 105
5 F.C.C. TSR Honda France Honda 91
6 YART - Yamaha Official Team EWC Yamaha 88
7 MOTO AIN Yamaha 84
8 MOTOBOX KREMER RACING Yamaha 83.5
9 ERC ENDURANCE-DUCATI Ducati 78
10 MACO RACING Team Yamaha 69
11 Wójcik Racing Team Yamaha 57.5
12 TATI TEAM BERINGER RACING Kawasaki 44
13 Team LRP Poland BMW 42.5
14 Team Bolliger Switzerland Kawasaki 35.5
15 EMRT Endurance Monaco Racing Team Yamaha 22
16 gt endurance Yamaha 18
17 3ART BEST OF BIKE Yamaha 13

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