Race Final Result
EWC 2023
Round 3

Team HRC with 日本郵便が2連覇達成 3位までをHonda勢が独占

jp Suzuka Circuit
Team HRC with 日本郵便が2連覇達成 3位までをHonda勢が独占

夕方から雨の予報があったものの、ドライコンディションのまま6時間が経過し、170周をクリアしたTeam HRC with 日本郵便(高橋巧、長島哲太、チャビ・ビエルゲ)の高橋はトップを快走します。2番手にグレッグ・ブラック(スズキ)、3番手にはTOHO Racing(清成龍一、國峰啄磨、榎戸育寛)の清成というトップ3の布陣。Honda勢は5番手にSDG Honda Racing(名越哲平、浦本修充、埜口遥希)の浦本、7番手にHonda Dream RT 桜井ホンダ(伊藤和輝、日浦大治朗、荒川晃大)の伊藤。9番手にF.C.C. TSR Honda France(マイク・ディ・メリオ、アラン・テシェ、タラン・マッケンジー)のディ・メリオ、10番手にHonda Asia-Dream Racing with SHOWA(モハメド・ザクワン・ビン・ザイディ、アンディ・ファリド・イズディハール、ナカリン・アティラプワパ)のザイディが走行します。

18時過ぎ、1コーナーに雨が降り出したという情報が飛び込みます。雨はすぐにやみ、路面はドライコンディションのままでしたが、黒い雲が1コーナー方面にかかり、再び雨が降りそうな状況となります。コースのほかの場所では、明るいながらも雨がぱらついて、フラッグポストからはレッドクロスフラッグが提示。それでも、上位陣のタイムは大きく変わりませんでした。

178周をトップでクリアした高橋のラップタイムは2分09秒722。それでも、各ピットではレインタイヤの用意が進みます。サーキットの上空は暗くなり、18時12分過ぎに雨が降り始めました。

レインタイヤへの交換のため、ピットインを指示するチームも出始めます。184周目、高橋は2分34秒548までタイムが落ちますが、トップチームの多くはスリックタイヤのまま周回することを選択。一方で、SDG Honda Racingの埜口、Honda Dream RT 桜井ホンダの伊藤はピットインしました。

高橋はペースを落としながらも、大きなリードを活かして慎重に周回を重ねていきました。難しいコンディションの中、清成は2分21秒870と、高橋の2分33秒116に比べて10秒以上速いタイムで周回し、前を行くブラックにプレッシャーをかけます。ライトオンのサインが出されて夜の走行へと移行した後、ブラックはレインタイヤに交換してピットアウトしますが、アウトラップで転倒し大きくポジションを落としました。

ブラックの転倒により、清成は2番手へと浮上します。ラップタイムは2分26秒877と、ライバル勢と比べてハイペースで周回。186周目には2分15秒635とぺースアップします。

高橋は189周目にピットインして長島に交代し、スリックタイヤを交換してコースイン。2番手には清成、3番手に津田拓也(スズキ)、4番手に埜口、5番手にはディ・メリオが浮上してきました。7番手に伊藤、8番手にザイディ、10番手をAstemo Honda Dream SI Racing(作本輝介、水野涼、渡辺一馬)の渡辺が走行します。

190周目、長島は2分10秒587とタイムを上げ、2番手清成も2分11秒135を記録します。埜口は2分12秒675で先行する津田を追い、188周目に3番手へ浮上。5番手走行のディ・メリオも2分11秒750で追い上げ、伊藤も6番手へ浮上します。

レッドクロスフラッグは振られ続け、雨が降り続く状況の中でレースは進んでいきます。193周目、長島は2分17秒471とペースダウンしますが、首位は変わりません。2番手に清成、3番手埜口で周回を重ねました。ディ・メリオはテシェに、清成は榎戸へと交代し、それぞれポジションをキープしてコースインしました。

200周目は長島がトップで通過、2番手に榎戸、3番手埜口で通過、4番手にはテシェが浮上してきます。5番手にマーセル・シュロッター(スズキ)、6番手は荒川で通過。スタンドのファンは応援するチームのカラーのペンライトをともし始めます。

残り30分、雨は上がり、終盤の戦いとなりました。長島は2分10秒841で201周目をクリアします。榎戸も2分09秒772とペースアップし、埜口は2分12秒045で通過します。埜口がピットインし、最後に名越へとライダーチェンジ。タイヤ交換、給油を終え3番手のままコースに復帰しました。

210周をトップで長島がクリア。2番手榎戸、3番手名越、4番手テシェ、6番手荒川、8番手イズディハール、10番手渡辺の順でコントロールラインを通過しました。残り15分を切り、暗闇の中で周回を重ねていきます。

19時24分過ぎ、215周目に長島がピットイン、給油のみを行ってトップのままコースへと復帰します。チェッカーライダーとして飛び出していった長島は、危なげなく216周目を走り切って歓喜のチェッカーを受け、Team HRC with 日本郵便が連覇を達成。高橋は通算5勝目を挙げ、宇川徹が持つ最多優勝記録に並びました。

2位にはTOHO Racing、3位にSDG Honda Racingが入り、Honda勢が表彰台を独占。4位にはF.C.C. TSR Honda Franceが入り、EWCレギュラー参戦チームの中ではトップでチェッカーを受けました。6位にHonda Dream RT 桜井ホンダ、8位にHonda Asia-Dream Racing with SHOWA、10位にAstemo Honda Dream SI Racingと、トップ10までに7台のHonda勢が入りました。

※2位でゴールしたTOHO Racingは8月8日(火)に失格の裁定が下され、以降の順位が繰り上げとなりました。



Takumi Takahashi
Takumi Takahashi 33
Team HRC with Japan Post
勝つことができてほっとしています。最後のスティントで雨が降ってきて、これは意地悪なのかと思いました。ラップタイムが遅すぎたようですが、転ぶわけにはいかないので、最低限リスクを冒さずに走り切りました。長島選手もチャビも、よいペースで走ってくれて、優勝という結果につながりました。チームのみんなに感謝しています。これで最多優勝記録に並ぶことができました。これまで何度もチャンスがありながら達成できずにいましたが、やっと達成できたので、また機会をもらえたら、記録を伸ばしたいと思います 

Tetsuta Nagashima
Tetsuta Nagashima 33
Team HRC with Japan Post
今年の鈴鹿8耐は、ケガをしてしまったことで、正直、本当に走れるのか分からない状況でした。本当にタイムを出せるのかと不安もありました。出さなければ参戦できないですし、出させてもらったら、勝たなければなりません。重圧もあったので、勝つことができてほっとしています。昨年の鈴鹿8耐は初めてのことばかりで、高橋選手に頼って夢中で走りましたが、今年は少し成長して、最後のスティントも自分を抑えながら走り切り、優勝につなげることができたのだと思います。僕にチャンスをくれたHRCの皆さんに感謝しています 

Xavi Vierge
Xavi Vierge 33
Team HRC with Japan Post
鈴鹿8耐に参戦できたことは最高の経験になりました。初めての挑戦でしたが、最高のチームメートに恵まれて、たくさんのことを学ぶことができました。自分のスティントのときにセーフティカーが入り、経験がなかったので、どうしていいか分かりませんでした。でも、絶対に失敗してはいけないので、慎重に走りました。高橋選手も長島選手も、雨の路面を走るという大変なスティントを担当しました。3人だから、困難を乗り越えることができたのだと思います。チームのサポートにも感謝しています。こんなアメイジングな経験ができるのなら、何度でも挑戦したいと思いました 

Teppei Nagoe
Teppei Nagoe 73
SDG Honda Racing
金曜日の走行で転倒してしまい、身体を痛めたことで、チームと相談して休息の時間を取り、決勝に備えることになりました。予選もトップ10トライアルも、チームメートに頼りました。僕の代わりに浦本選手はチームを引っ張ってくれました。急きょ代役として参戦してくれた埜口選手も支えてくれました。チームメートに感謝します。自分ができなかったことを、チーム力でカバーして、表彰台を獲得できたと思います 

Naomichi Uramoto
Naomichi Uramoto 73
SDG Honda Racing
まず、チームとチームメートにありがとうと言いたいです。初めて鈴鹿8耐の表彰台に上ることができました。レース内容としては、納得できてはいません。ライダーの中では、自分が一番年上だったので、もっとチームを引っ張らなければならなかったという気持ちが残りました。それでも3位になることができました。それはチームメートに恵まれたからだと思います。こうやってレースができているのは、自分を支えてくれるスポンサー、家族があってこそだと思いました。よい形で鈴鹿8耐を終えることができたので、スペインスーパーバイク選手権の後半戦に集中します

Haruki Noguchi
Haruki Noguchi 73
SDG Honda Racing
レースウイークからチームに合流して、名越選手、浦本選手に引っ張ってもらい、初めての鈴鹿8耐を走ることができました。名越選手のコンディションのこともあり、自分は3スティントを担当することになりました。雨の走行では順位を上げることができました。とてもいい経験をさせてもらいました。チームメート、チームに感謝しています。来週にはアジアロードレース選手権があるので、そこでもいい結果を残したいと思います 

Mike Di Meglio
Mike Di Meglio 1
F.C.C. TSR Honda France
クラッシュしたことは、チームには申し訳なかったのですが、なんとかコースに復帰することができました。それもあり、終盤にコンディションが急変したときは、5番手まで上がるためにベストを尽くしました。表彰台に上がることが夢だったのですが、ここで4位でフィニッシュできたことは、とてもよかったと思います。ボルドールでチャンピオンを決めたいです 

Alan Techer
Alan Techer 1
F.C.C. TSR Honda France
4位でフィニッシュできたことは、(チャンピオンシップを戦う)我々にとってよかったです。多くのポイントを取れましたしね。我々はチャンピオンシップに勝つことだけを考えているので、これで次のボルドールに集中することができます。勝ってチャンピオンを取りたいです 

Tarran Mackenzie
Tarran Mackenzie 5
F.C.C. TSR Honda France
当初はレースに出ることになるなんて思っていなかったので、初めての鈴鹿8耐は難しかったです。チャンピオンシップを争うチームに何度か迷惑をかけてしまったけれど、無事走りきることができてホッとしています。応援してくれたファンの皆さん、ありがとうございました 

Ryuichi Kiyonari 104
TOHO Racing
40歳になる自分を使ってくれたチームに感謝します。鈴鹿8耐決勝まで、マシンを仕上げるために人を増やし、モノを買いそろえ、寝ずに働き、準備してくれました。スタッフの働きがあったから上がれた表彰台です。急きょ榎戸選手がチームに加わってくれ、新しい風を吹き込み、チームに力を与えてくれたように思います。國峰選手と一緒に、自信を持って挑めました。表彰台に連れてきてくれたチームとチームメートに感謝します。ありがとうございました 

Takuma Kunimine 104
TOHO Racing
自分自身、レースウイークを通して調子がよくなくて、チームにうまく貢献できていなかったのですが、チームメートのおかげで、表彰台に上がることができました。鈴鹿8耐の表彰台に上がることが夢だったので、とてもうれしかったです。参戦させてくれたスポンサー、チームに感謝します 

Ikuhiro Enokido 104
TOHO Racing
表彰台で 「8耐最高」 とシュプレヒコールをして、そこでエネルギーを使ってしまいました。うまいコメントが思いつきません。鈴鹿8耐は長くつらいレースで、一人では乗り越えることができないと感じました。清成選手、國峰選手というすばらしいライダーと一緒だったから、ここまで走ることができたと思っています。僕をチームに加えてくれたTOHO Racingの皆さんに感謝します。鈴鹿8耐の表彰台は最高でした 



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