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【Rally 2023総集編】Hondaが2年連続のマニュファクチャラーズタイトルを獲得

1月のダカールラリーを開幕戦として始まり、10月まで全5戦のシリーズとして開催された2023年のFIM世界ラリーレイド選手権(W2RC)。Hondaのワークスチーム「Monster Energy Honda Team」のライダー、リッキー・ブラベック(20年ダカールラリー勝者)、ホセ・イグナシオ・コルネホ、パブロ・キンタニラ、エイドリアン・ヴァン・ベバレンという4人は、世界で最も過酷な場所での数カ月にわたるマシンテストとトレーニングをともに行い、万全の状態で23年シーズンに臨んだ。

【Rally 2023総集編】Hondaが2年連続のマニュファクチャラーズタイトルを獲得

15日間にわたって行われるダカールラリーは、プロローグと全14のステージによって構成される。ステージ1、砂丘にグラベルが続く369kmに及ぶスペシャルステージを含むループステージで、ブラベックが優勝。ほかのライダーもすばらしいパフォーマンスを発揮した。

しかし、難しいグラベルが多い上に降雨で泥地となったステージ3でブラベックが転倒。病院に搬送されて検査を受け、大きなケガはなかったものの、そのままリタイアとなった。


リッキー・ブラベック/ダカールラリー2023
リッキー・ブラベック/ダカールラリー2023

それでも、ヴァン・ベバレンが小さな砂丘やラクダ草に覆われた非常にきついルートであるステージ5で優勝を勝ち取り、コルネホも2位でフィニッシュ。Monster Energy Honda Teamにとって誇らしい日となった。キンタニラは10位だったものの、転倒したジョアン・バレーダの救助に当たったため、この分のタイムが考慮され、後に7位に変更された。


エイドリアン・ヴァン・ベバレン/ダカールラリー2023
エイドリアン・ヴァン・ベバレン/ダカールラリー2023

その後、ステージ6のルート変更と天候不順によってステージ7は中止となるも、Monster Energy Honda Teamのライダーたちは着実に各ステージを攻略。ダカールラリーも終盤に差し掛かり、ステージ12は「エンプティ・クオーター(空虚の地)」で繰り広げられる2日間のマラソンステージ。メカニックのサポートを受けることができない厳しいルールの中、コルネホがチームに見事にステージ優勝をもたらした。ステージ2位のダニエル・サンダース(Red Bull GASGAS Factory Racing)とは49秒差、3位のトビー・プライス(Red Bull KTM Factory Racing)との差は1分58秒の接戦だった。

そして、ダカールラリーはステージ14で幕を閉じ、Monster Energy Honda Teamのライダー4人のうち3人が完走を果たした。キンタニラはステージ14にてトップと3分15秒の差でステージ3位を獲得し、総合4位。ヴァン・ベバレンはキンタニラに続いて総合5位となった。コルネホは最終ステージの泥地に苦戦して34位でステージを終えたが、総合8位を守りきり、完走したすべてのライダーがトップ10入りを果たした。


ダカールラリー2023を完走したヴァン・べバレン、コルネホ、キンタニラ
ダカールラリー2023を完走したヴァン・べバレン、コルネホ、キンタニラ

W2RC第2戦は、アラブ首長国連邦で開催されたアブダビ・デザート・チャレンジ。全5ステージによるこのラリーで、ヴァン・ベバレンが自身2度目となる総合優勝を勝ち取った。コルネホは3位とわずか2秒差の総合4位、ブラベックは7位でフィニッシュした。アブダビ・デザートチャレンジ終了時点で、ヴァン・ベバレンは首位とはわずか4ポイント差のランキング2位。マニュファクチャラーズ・ランキングでは、Hondaは75ポイントを獲得し、首位と9ポイント差の総合2位につける。


エイドリアン・ヴァン・ベバレン/アブダビ・デザート・チャレンジ
エイドリアン・ヴァン・ベバレン/アブダビ・デザート・チャレンジ

第3戦はメキシコを舞台にしたソノララリー。ステージ1をキンタニラが3位フィニッシュと好調なスタートを切り、ブラベックはステージ3で3位の好成績を収める。そして、139kmのスペシャルステージと259kmのリエゾンで構成された最終ステージまで、メンバー全員が完走を果たす。チームで最も安定した走りをみせたヴァン・ベバレンが、チーム最上位の総合6位を獲得。ブラベックは総合8位、キンタニラは総合9位、コルネホは総合11位となった。


リッキー・ブラベック/ソノララリー
リッキー・ブラベック/ソノララリー

続く第4戦は、デサフィオ・ルータ40。アルゼンチンで開催される人気のラリーが、W2RCシリーズに初めて組み込まれたことで多くの注目を浴びた。チームトップの成績を収めたのはブラベック。ステージ2から最終ステージまでをすべて3位で走破するという安定のパフォーマンスを発揮して、総合3位で表彰台を獲得した。続くヴァン・ベバレンは、プロローグをトップで終えた後にステージ1で3位、最終ステージではステージ優勝を決めて総合5位となった。ほかのメンバーも完走し、キンタニラが総合6位、コルネホが総合7位となった。

また、この大会ではワークスチーム4人に加えて、CRF450 RALLYを駆るトーシャ・シャレイナ(Honda Team)が総合優勝を果たし、Hondaは過去11大会中9大会で優勝という記録を打ち立てた。


リッキー・ブラベック/デサフィオ・ルータ40
リッキー・ブラベック/デサフィオ・ルータ40

2023年のW2RCもいよいよ最終戦のモロッコラリー。Monster Energy Honda Teamは、新たに2023年のダカールラリーで総合3位のスカイラー・ハウズを5人目のメンバーに加え、6日間に及ぶ最終戦に臨んだ。

しかし、W2RC最終戦は波乱のスタートとなった。新メンバーのハウズがプロローグでリタイア、前戦で表彰台を獲得したブラベックもマシントラブルによりステージ1でのリタイアとなった。

それでも、残されたライダーたちは全力を尽くし、キンタニラが最終ステージ優勝を含む総合3位を獲得。コルネホは総合6位、ヴァン・ベバレンは総合7位となった。

そして、ダカールラリーからスタートした2023年のW2RCは幕を閉じ、Monster Energy Honda Team のライダー全員の活躍によって、Hondaが2年連続のマニュファクチャラーズタイトルを獲得した。


Monster Energy Honda Team/モロッコラリー
Monster Energy Honda Team/モロッコラリー

来シーズンのW2RCは、2024年1月5日からのダカールラリーを開幕戦としてスタートする。Monster Energy Honda Teamは新たにシャレイナをチームに迎え、ライダー6名の体制で臨む。



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