
Hondaの2026年モータースポーツ活動計画についてお知らせします。
Hondaは、創業者である本田宗一郎が技術で世界一になることを目指して1959年のマン島TTレースに初参戦して以来、世界中のさまざまな二輪・四輪レースに参戦し続けています。多くの先人達が世界を舞台に戦い、何度難題にぶつかってもあきらめずに「挑戦」を続けることでそれを克服し、勝利を積み重ねてきました。モータースポーツは、技術を磨きエンジニアを育てる最高の舞台です。2026年も、この「挑戦」の志をさらに強くし、共に戦うライダー・ドライバー・関係者の皆様とモータースポーツ活動を展開していきます。
【二輪モータースポーツ活動】
2025年は、鈴鹿8時間耐久ロードレースでは「Honda HRC(ホンダ・エイチアールシー)」が4連覇を達成し、高橋巧(たかはしたくみ)選手が自身のもつ最多勝記録を7勝に更新しました。またFIM※1トライアル世界選手権、FIM X-Trial世界選手権ともにトニー・ボウ選手がチャンピオンを獲得し、両シリーズあわせて38連覇という大偉業を成し遂げました。さらに、米国で開催されているスーパーモトクロス世界選手権の250ccクラスにおいて、日本人として初めて下田丈(しもだじょう)選手がチャンピオンを獲得しました。
2026年は、FIMロードレース世界選手権MotoGPクラスでは、ワークスチーム「Honda HRC Castrol(ホンダ・エイチアールシー・カストロール)」は、ジョアン・ミル選手、ルカ・マリーニ選手の2台体制を継続します。サテライトチームは、2025年と同様にHonda LCR(ホンダ・エルシーアール)から、昨年母国グランプリであるフランスGPで優勝を飾ったヨハン・ザルコ選手に加え、昨年のMoto2クラスチャンピオンのディオゴ・モレイラ選手が新たに参戦します。
FIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)では、ワークスチーム Honda HRCはライダーの顔ぶれを一新するとともに、開発ライダーにはWSBKでチャンピオンを6度獲得しているジョナサン・レイを迎え、「CBR1000RR-R FIREBLADE SP」の戦闘力をさらに向上させていきます。
FIMモトクロス世界選手権では、最高峰クラスのMXGPクラスにおいて、これまでの2台体制から3台体制にチーム力を強化するとともに「CRF450R」の戦闘力のさらなる向上によって、MXGPクラスで4年ぶりのチャンピオン奪還を目指します。
FIMトライアル世界選手権 TrialGPクラス、FIM X-Trial世界選手権では、トニー・ボウ選手が自身の記録更新となる両シリーズ合計40連覇に挑みます。また現在、サウジアラビアで開催中のダカールラリー2026でもタイトル奪還に向けて奮闘しています。
Hondaは、2040年代に全ての二輪製品でのカーボンニュートラルを実現することを目指し、ICE(内燃機関)の進化にも継続的に取り組みながら、今後の環境戦略の主軸として二輪車の電動化に取り組んでいます。モータースポーツにおいても引き続き電動化を続けていきます。昨年FIMトライアル世界選手権 Trial2クラスに参戦しランキング2位を獲得した「RTL ELECTRIC」は、戦いの舞台をトライアル世界選手権最高峰クラスのTrialGPクラスに移し参戦します。
※1 FIMとは、Fédération Internationale de Motocyclisme(国際モーターサイクリズム連盟)の略称
【四輪モータースポーツ活動】
2026年、HondaはAston Martin Aramco Formula One Team(アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラワン・チーム、以下AMAF1)に、ワークスパートナーとしてパワーユニット(以下、PU)を供給することで、FIA※2フォーミュラ・ワン世界選手権(以下、F1)に新たに参戦します。Hondaのモータースポーツ活動を担う株式会社ホンダ・レーシング(以下、HRC)が、F1 PUの開発、製造、運用といったレース参戦の中核を担当します。
2025年は、Oracle Red Bull Racing(オラクル・レッドブル・レーシング)およびVisa Cash App Racing Bulls (ビザ・キャッシュアップ・レーシング・ブルズ)に対し、チームパートナーとして技術支援およびマーケティング協力を行う最終年となりました。最終戦・第24戦アブダビGPで、マックス・フェルスタッペン選手がポール・トゥ・ウインを達成し、8年にわたるパートナーシップを締めくくるにふさわしい結果となりました。2026年からは新たなパートナーであるAMAF1とともに、頂点を目指して全力で戦います。
国内レースでは、2025年の全日本スーパーフォーミュラ選手権※3で、TEAM MUGEN(チーム・ムゲン)の岩佐歩夢(いわさあゆむ)選手がドライバーズチャンピオンを獲得しました。また、牧野任祐(まきのただすけ)選手と太田格之進(おおたかくのしん)選手が所属するDOCOMO TEAM DANDELION RACING(ドコモ・チーム・ダンディライアン・レーシング)がチームチャンピオンを獲得しました。2026年シーズンもダブルタイトル獲得を目標に戦っていきます。
SUPER GTシリーズ※4においては、STANLEY TEAM KUNIMITSU(スタンレー・チーム・クニミツ)の山本尚貴(やまもとなおき)選手/牧野任祐選手組が年間2位の成績を収めました。2026年は、PRELUDEをベースとした「Honda HRC PRELUDE-GT(ホンダ・エイチアールシー・プレリュード・ジーティー)」を新たに投入します。
運営体制面では、Honda HRC PRELUDE-GTを走らせる5つのチームを横断でサポートするテクニカルディレクターを新たに配置することで、5台のHonda HRC PRELUDE-GTを駆るチームやドライバーとの連携を深め、HRC Sakura開発部門へのフィードバックの質向上を図ります。また、8号車のチーム名を新たに「Team HRC ARTA MUGEN」とし、HRCから専任のエンジニアを複数名配置するなど、HRCの関与を深めていきます。これらの取り組みのもと、チャンピオン奪還を目指します。
また、2025年に全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権でチャンピオンを獲得した野村勇斗(のむらゆうと)選手が新たにSan-Ei Gen with B-Max(サンエイゲン・ウィズ・ビーマックス)からスーパーフォーミュラへ、Astemo REAL RACING(アステモ・リアル・レーシング)からSUPER GT GT500クラスに参戦します。
北米においては、インディカー・シリーズに参戦する5チームにHonda Racing Corporation USA(ホンダ・レーシング・コーポレーション・ユーエスエー、以下、HRC US)からPUを供給します。また、IMSA※5ウェザーテック・スポーツカー選手権の最高峰GTPクラスにはHRC USが供給するAcura(アキュラ)ブランドのマシン「ARX-06」2台が参戦します。昨年に引き続き、Meyer Shank Racing(メイヤー・シャンク・レーシング)とのパートナーシップにおいて2台体制のうち93号車は、チームオペレーションの主要部分をHRC USのエンジニアが担い、人材育成と技術開発の両方をさらに加速させます。さらに、昨年からIMSAに挑戦する太田格之進選手が、今年もデイトナ24時間レースを含む2大会に同チームより参戦します。
※2 FIA とは、Fédération Internationale de l'Automobile(国際自動車連盟)の略称
※3 統括・運営:株式会社日本レースプロモーション
※4 統括・運営:株式会社GTアソシエイション
※5 IMSAとは、International Motor Sports Association(国際モータースポーツ協会)の略称
《二輪ライダー・四輪ドライバー育成》
「モータースポーツで世界に通用する選手を育成する」ことを目的として、1992年に二輪の「鈴鹿サーキット・レーシングスクール ジュニア」を設立。1993年に「鈴鹿サーキット・レーシングスクール カート(SRS-Kart)」、1995年には「鈴鹿サーキット・レーシングスクール フォーミュラ(SRS-Formula)」を開校し、二輪・四輪ともに世界のトップカテゴリーで活躍できるライダー・ドライバーの育成に取り組んできました。その結果、これまでに数多くの卒業生が国内外の二輪・四輪それぞれのカテゴリーで活躍しています。また、2022年よりHRCが従来以上にライダー・ドライバー育成へ意思を入れ、名称を「ホンダ・レーシング・スクール・鈴鹿(以下、HRS)」に変更。国内外で活躍するライダー、ドライバーを講師に迎えて運営しています。
二輪においては、トップカテゴリーを目指した選手育成システムとして、2026年も引き続きMotoGPのMoto2・Moto3クラスに参戦するHonda Team Asia(ホンダ・チーム・アジア)の活動を継続するとともに、若手育成のプログラムとしてIdemitsu Moto4 Asia Cup(イデミツ・モトフォー・アジア・カップ)を活用し、世界で活躍できるライダーのさらなる発掘・育成に取り組みます。
四輪においては、HRSの次のステップとして、Hondaのドライバー育成プログラム「ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)」を展開し、欧州のジュニアフォーミュラカテゴリーや日本のFIA-F4、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権などへの挑戦の場を提供し、選手の成長とステップアップのための環境を整えています。
2025年、フォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン・チャンピオンシップ(FRECA)とフォーミュラ・リージョナル・ミドルイースト・チャンピオンシップ(FRMEC)で活躍した加藤大翔(かとうたいと)選手は、2026年、FRMECから名称変更したフォーミュラ・リージョナル・ミドルイースト・トロフィー(FRME)に参戦しつつ、FIA-F3にステップアップします。また、HRSのスカラシップを獲得した土橋皇太(つちはしこうた)選手がフランスF4選手権へ、2025年のFIA-F4選手権(日本)で総合4位の成績を収めた新原光太郎(しんばらこうたろう)選手は全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権に参戦。FIA-F4選手権(日本)には2年目となる百瀬翔(ももせしょう)選手と、HRSを卒業した黒沢和真(くろさわかずま)選手が新たに参戦します。
■モータースポーツ普及活動
Hondaは、モータースポーツの普及にも積極的に取り組んでいます。モータースポーツ初心者でも気軽に楽しめるイベントを開催するなど、幅広い層の皆様にモータースポーツの魅力を伝えることを目的としたさまざまな活動を行っています。
<株式会社ホンダ・レーシング(HRC)二輪ワンメイクレースシリーズ>
HRCによるワンメイクレースは、モータースポーツを楽しむカテゴリーと将来のMotoGPライダー育成を目的としたカテゴリーに分かれ、日本全国約30カ所のサーキットで開催されています。
市販車両を使用した「HRC GROM Cup」、「CBR250R Dream Cup」、「CBR250RR Dream Cup」に加え、HRCの市販レーサーを使用したミニバイククラスの「NSF100 HRCトロフィー」や、将来のMotoGPライダーを育成するための「HRC NSF250R Challenge」も開催しています。
これらのHRCワンメイクレースシリーズは、全国各地のサーキットで開催され、一定の条件を満たした参加者を対象に全国大会の実施や、育成クラスへのステップアップ支援制度など、参加者がレースを楽しんだり、夢を実現したりするプログラムです。
<Honda エコ マイレッジ チャレンジ 2026>
Hondaは、創造力と自由な発想、そして技術を結集した手作りのマシンを用いて、1Lのガソリンで何km走行できるかを競う「Honda エコ マイレッジ チャレンジ」を1981年から開催しています。2026年大会も、国内3か所での地区大会および全国大会の開催を予定しています。
本大会は、次世代を担う若者の技術力育成と環境意識の向上を目的とした取り組みであり、Hondaが掲げる2050年カーボンニュートラル実現に向けた活動の一環として進化を続けています。2026年大会からは公式燃料をカーボンニュートラル燃料へ切り替えるとともに、全国大会では新たに「電動二輪車クラス」を設立し、より多様な技術挑戦の場を提供していきます。