今大会、Honda勢は、リアタイヤのフィーリングに苦しみました。その理由は、2月のテストで使用したタイヤと今大会投入されたミシュランのタイヤが違ったためで、ミシュランが今季投入する予定のタイヤに合わせたマシン開発を行ってきたHonda勢としては、大苦戦の大会となりました。
今大会、ミシュランが投入したタイヤは、2018年のタイGPで使用した、より耐熱性にすぐれたリアタイヤで、この大会でマルク・マルケスは優勝しています。しかし、2022年型RC213Vには、うまく適合せず、Honda勢は大苦戦。決勝はウエットコンディションになりましたが、グリッドが後方だったために厳しい戦いを強いられ、本来のパフォーマンスを発揮することができませんでした。
その厳しい状況の中で予選16番手(マルク・マルケスの欠場で15番グリッド)のエスパルガロは、激しい水しぶきの中で粘り強い走りを見せ、12位でフィニッシュしました。エスパルガロは、2週間後のアルゼンチンGPでは、ミシュランの2022年製リアスリックタイヤを使用し、ウインターテストで見せた本来の走りができることを願っています。
予選19番手(マルク・マルケスの欠場で18番グリッド)のアレックス・マルケスは、序盤、水しぶきで視界が悪いという厳しい条件の中でややポジションを落としますが、その後、エスパルガロを追撃し13位でフィニッシュしました。
チームメートの中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、予選24番手(23番グリッドからスタート)から追い上げのレースに挑みましたが、水しぶきによる視界の悪さとヘルメットのバイザーになにかが不着したことで、さらに視界が悪くなるという厳しいレースとなり19位に終わりました。
今大会は、スタート前に激しい雨になり、雨が上がるのを待ってのスタート進行となり、およそ1時間遅れました。しかし、コース上の水量が多く、後方グリッドからスタートした選手は、激しい水しぶきと視界の悪さに苦戦することになりました。今大会は、本来27周のレースでしたが、Moto2クラスがスタートする前に、高い路面温度に対処するために20周に短縮されました。
次戦アルゼンチンGPは、3年ぶりの開催となります。過去2年はコロナ禍の中で大会が中止になっていますが、今大会低迷したHonda勢は、久しぶりのアルゼンチンGPでの雪辱に闘志を燃やしています。
前日の予選で2度の転倒を喫し、決勝日朝のウォームアップで再度激しく転倒したマルク・マルケスは、ロンボク島マタラムにある病院にヘリコプターで搬送され、検査を受けました。その結果、脳震とうなどで体調不良と診断されドクターストップがかかり欠場となりました。マルク・マルケスは、スペインに帰国後、さらなる検査を受ける予定です。