アレクサンダー・ロッシがレース終盤に激しく追い上げて僅差の2位。スコット・ディクソンが3位でHonda勢2人が表彰台に
インディ500の翌週はミシガン州デトロイトでのストリートレースというのがインディカー・シリーズでは恒例となっています。ベルアイルという島の公園内に作られるバンピーかつハイスピードなコースでのレースでは、アレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)が2位、スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)が3位でゴールし、Hondaドライバー2人が表彰台に上りました。
インディカー・シリーズのストリートコースとロードコースにおいては、ソフトとハードの両タイヤをレース中に使うことが義務づけられていますが、それぞれをどのタイミングで、どれほどの周回に渡って使うのかが今年のデトロイトグランプリでは大きなポイントとなっていました。レースでトップ3フィニッシュして表彰台に上った3人のドライバーたちは、それぞれが独自の作戦で戦っていました。ウイナーは2ストップ作戦でスタート、レース中盤をハードタイヤを戦い、最後にソフトタイヤを装着しました。それに対して2位となったロッシは、11番グリッドから優勝を目指すためには変則的な3ストップ作戦が必要と考え、ソフトタイヤで走るのをスタート後の4周だけとしました。5周目からゴールまで、ロッシは安定感の高いハードタイヤを続けて投入して大逆転優勝を狙い、目標達成にあと一歩のところまで行き、今シーズン初の表彰台に上りました。
そしてディクソンはハードタイヤでスタートし、ソフトタイヤをレースの中盤に使う2ストップ作戦で予選9番手からの3位フィニッシュを果たしました。
レース終盤のロッシの追い上げは非常にエキサイティングでした。最後のピットストップを終えてコースに戻った時に15秒あった差が、20周ほどで1秒にまで縮まったのです。最終ラップの後半には大逆転があるかもしれない、という距離までトップ2台が接近し、彼らのバトルは集まった観客を大いに沸かせていました。
アレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)は予選で18番手でしたが、レースでは12ものポジションアップを実現して6位でのフィニッシュを達成しました。彼のチームメートで今年のインディ500ウイナーとなったマーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)も7位でゴールしています。また、コルトン・ハータ(Andretti Autosport w/ Curb-Agajanian)が8位、シモン・パジェノー(Dale Coyne Racing with RWR)が9位と、Hondaドライバー6人がデトロイトではトップ10入りを果たしました。そして、予選で6番手に食い込む大活躍をしたルーキーのデビッド・マルカス(Dale Coyne Racing with HMD Motorsports)が、インディカー・シリーズでは自身初となるファステストラップを記録しました。彼のフィニッシュはトップ10圏外の11位でしたが、先週のインディ500から2週連続でルーキー最上位フィニッシュを記録しました。
佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)は、予選2番手でフロントローからスタートし、序盤戦ではトップ5にポジションをキープしていました。しかし、ソフトタイヤのグリップ低下が激しかったことから作戦を急きょ変更して9周でピットストップに向かいました。そこで装着したハードタイヤでもペースを上げることができず、33周目を終えたところで2回目のピットストップを敢行。そこからゴールまででは速いペースを保つことができていましたが、50周目の3回目のピット作業でタイムロスがあり、13位でのゴールとなりました。