ミシガン湖沿いの都市ミルウォーキーから西に6マイルほど入ったところ、ウィスコンシン州立の催事場内に全長1マイルのオーバルコースが作られたのは1903年のことです。このアメリカを代表するショートオーバルは、これまで何度も名勝負の舞台となってきました。しかし、諸般の事情から2016年以降インディカー・レースが開催されず、ファンたちは伝統あるオーバルでのレース復活を熱望してきました。ミルウォーキーに戻ってきた待望のレースを観戦するため多くのファンが集まり、彼らの大きな期待に応えるエキサイティングなバトルが行われました。
アレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)は12番グリッドからのスタートで、レース序盤は慎重に戦っていましたが、2回目のピットストップを終えてから一気にペースアップして7番手に浮上。3回目のピットストップの後には2番手にジャンプアップし、優勝争いに加わります。しかし、最後のピットストップ直後にフルコースコーションが発生し、不運にも7番手に後退。それでも、残り48周で切られたリスタートの後に2つポジションをばん回し、5位でゴールすることに成功しました。15戦で13回目となるトップ5フィニッシュを飾ったパロウは、総合ランキング2番手につけるウィル・パワー(シボレー)を43点リードして残り2戦に臨むこととなりました。
パロウのチームメート、ルーキーのリヌス・ルンドクヴィスト(Chip Ganassi Racing)も、ミルウォーキーで見事な走りをみせました。今シーズン、第3戦バーバーと第13戦ワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイで表彰台に上がっているルンドクヴィストは、今日の6位フィニッシュにより、栄誉あるルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得をほぼ決定づけました。
また、今日のレースではクリスチャン・ルンガー(Rahal Letterman Lanigan Racing)が最も多くのポジション・ゲインを果たしたドライバーとなりました。26番グリッドからスタートしたルンガーは、コース上でオーバーテイクを重ねます。チームの作戦も力強い味方となり、17個のポジションアップを果たして9位でのゴールを達成しました。
土曜日は夕方17時過ぎからのレースでしたが、日曜日のスタートは14時。周回数は同じく250ラップですが、土曜日と異なり暑いコンディションでのバトルになりそうです。