2.2L V6ツインターボエンジンと6速シーケンシャル・ギアボックスをつなぐベルハウジング内に搭載される新システムは、通常のバッテリーよりも効率の高いスーパーキャパシターを使ったエネルギー・ストレージ・システム(ESS)と、モーター・ジェネレーター・ユニット(MGU)を組み合わせ、既存のシャシーへの搭載が可能ながら、先進性を備えたものです。ハイブリッドによって追加されるパワーはおよそ60馬力でステアリング上のボタンでコントロールすることができます。すでに搭載されているプッシュ・トゥ・パス(オーバーテイクシステム)との併用も可能とされ、それらを使うタイミングや場所はドライバーたちが自由に選べるため、彼らのレース組み立てと判断とがこれまで以上にレース結果に影響を及ぼします。
ハイブリッドマシンでの最初のレースとなったHondaインディ200アット・ミッドオハイオは、走行初日の金曜日こそ雨が降りましたが、予選日は盛夏の到来を感じさせる快晴に恵まれ、アレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)がポールポジションを獲得しました。アメリカ建国記念日の週末とあってミッドオハイオには多くの観客が詰めかけ、コースサイドを埋め尽くした満員のファンを前にレースが行われました。ポールスタートだったパロウは、接戦の末に2位でフィニッシュしました。
ポールポジションからすばらしいスタートを切ったパロウは、最初のピットストップまでに2番手以下を大きく突き放しました。しかし、レース中盤には後続との差が縮まり、2回目のピットストップでギアを1速に入れるのに一瞬手こずったこともあり、パト・オワード(シボレー)を追う2番手へと後退。そこから彼ら2人は息詰まるバトルを展開し、2人は0.4993秒という僅差でゴールへと雪崩れ込みました。53周のリードラップを記録したパロウは、今シーズン3回目の表彰台登壇、7回目のトップ5フィニッシュにより、レース前に23点だったポイントリードを48点へと広げました。
パロウに続き、コルトン・ハータ(Andretti Global w/ Curb-Agajanian)が4位、マーカス・エリクソン(Andretti Global)が5位と、Hondaドライバー3人がトップ5でのフィニッシュを達成。その後方ではクリスチャン・ルンガー(Rahal Letterman Lanigan Racing)が7位、カイル・カークウッド(Andretti Global)が8位でゴールしました。