予選5番手からスタートしたスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は、チームの作戦と持ち前のドライビングスキルによって今シーズン2勝目を飾りました。また、HondaドライバーたちはこのデトロイトGPで1-2-3-4フィニッシュを達成。Hondaは今シーズン3勝目、Hondaドライバーたちによる表彰台独占はAcuraグランプリ・オブ・ロングビーチに続き、今シーズン2回目です。
デトロイトGPがダウンタウンに戻って今年はまだ2年目です。全長1.645マイルのコースは路面改修されたことで昨年よりはスムーズでしたが、今年はレース中に雨が降ったために滑りやすいコンディションが助長され、マシンコントロールが非常に難しい戦いになりました。
多くのアクシデントが発生しましたが、ディクソンはベテランらしく、それらをかいくぐって冷静に周回を重ねました。そして、100周のレースがまだ40周以上を残している時点で、2番手のポジションを捨てピットインして燃料補給。そこからゴールまでを無給油で走りきる作戦に打って出ました。これが見事に成功し、66周目にトップに躍り出ると、そのまま勝利へと危なげなく逃げきりました。ディクソンがトレードマークとするスピードと燃費を高い次元で両立させた走り、Hondaエンジンの燃費性能の高さによって勝利が実現したのです。
現役最多勝ドライバーであるディクソンは、今回がキャリア通算58勝目。伝説のドライバー、A.J.フォイトが持つ歴代最多の67勝に並ぶまで、あと9勝となりました。また、ディクソンは2024年シーズンで最初に2勝目を挙げたドライバーとなり、総合ランキングのトップに躍り出ました。18点差で2位につけるのはアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)です。
2位でゴールしたのはマーカス・エリクソン(Andretti Global)でした。レース中盤に雨が降った時にもスリックタイヤのままコース上に残ったエリクソンは、グリップの低い路面でもポジションを守り続けることに成功し、路面が乾いてから猛チャージ。ゴール前2周で3位から順位を上げ、今シーズンの自己ベストとなる2位でフィニッシュしました。
3位はマーカス・アームストロング(Chip Ganassi Racing)でした。チームメートのディクソンと同じ作戦を採用し、燃費とスピードを両立させてのゴールを目指したアームストロングはそれをギリギリで成功させ、3位でチェッカーフラッグを受けた直後に燃料を使い果たしてストップしました。アームストロングの今までのキャリアベストは今シーズン第4戦での5位だったため、今回がキャリア初の表彰台登壇となりました。
そして、キャリア2勝をストリートで挙げてきているカイル・カークウッド(Andretti Global)は、レース中盤に24周に渡ってトップを走り、4位でゴールしました。
6月1日(土)に行われたIMSAのスポーツカーシリーズ戦ではAcuraが優勝し、翌日曜日にはHondaがインディカーのレースでトップ4を独占しての優勝をマーク。Hondaチームはこの勢いを携えて、シーズン第7戦の開催されるウィスコンシン州エルクハートレイクへと向かいます。