Final Practice (Carb Day)
INDY 2024
Round 5

決勝前のファイナルプラクティスでディクソンが最速。カストロネベスが2番手

us Indianapolis Motor Speedway

5月24日(金)、第108回インディアナポリス500マイル(INDY500)のファイナルプラクティスがインディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われました。カーブデイとも呼ばれるこの日、選手たちは2時間にわたり決勝に向けてマシンの最終調整を行いました。今年のレースもスターティンググリッドに並ぶのは伝統にのっとり33台のインディカー。2日間の予選を戦って決勝出場を決めたドライバーたち33人が青空の下、やや風が強く吹くコンディションでのレースを想定しながら周回を重ねました。

決勝前のファイナルプラクティスでディクソンが最速。カストロネベスが2番手

ファイナルプラクティスでの最速ラップとなる平均時速227.206マイルを記録したのは、2008年のINDY500ウイナーで、INDY500の予選において5回のポールポジション獲得歴を誇るスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)でした。インディカー・シリーズで6度タイトルを獲得しているディクソンは、INDY500での2度目の優勝を遂げるべく、90周を走り込むことでマシンの仕上がりを高めたようです。

2番手は平均時速226.939マイルのラップをマークした、エリオ・カストロネベス(Meyer Shank Racing w/ Curb-Agajanian)でした。史上最多タイとなるINDY500での4勝目を2021年に達成したカストロネベスは、前人未到の5勝目に向け、ディクソンを上回る103周を走行。マシンのファインチューニングを成功させました。

そのほかのHondaドライバーたちも決勝レースに向けて、安定感とスピードの両立を目指しました。

コルトン・ハータ(Andretti Global w/ Curb-Agajanian)は平均時速226.220マイルで4番手につけ、ルーキーのトム・ブロンクビスト(Meyer Shank Racing)は平均時速225.450マイルで5番手でした。さらに、2022年INDY500ウイナーのマーカス・エリクソン(Andretti Global)は平均時速225.418マイルで6番手。フェリックス・ローゼンクヴィスト(Meyer Shank Racing)は平均時速225.310マイルで8番手。2021年と2023年のインディカーチャンピオンで、昨年のINDY500においてポールポジションを獲得したアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)が平均時速225.302マイルの自己ベストラップで9番手と、トップ10に7人のHondaドライバーが入りました。

2017年と2020年の2度、INDY500で優勝している佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)は平均時速224.630マイルで14番手でした。予選後の月曜日に行われたプラクティスでは、決勝用のマシンセッティングを納得のいくレベルまで高められなかった佐藤でしたが、ファイナルプラクティスでは精力的に97周を走ったことで、レースに向けての手応えをつかんだようです。

今年のINDY500に出場する33台のうち、Hondaエンジンが搭載されているのは17台。“The Greatest Spectacle in Racing”とも称される決勝は現地5月26日(日)に開催されます。


Scott Dixon
Scott Dixon 9
Chip Ganassi Racing
プラクティスは順調に滑り出すことができました。ただ、今日はコンディションが2時間の走行時間内に何度も変化していたので、難しかったです。プラクティスの序盤はとても走りやすく、いくつかセッティングを変更しましたが、その調整の結果はいいものも悪いものもありました。プラクティスを通して、戦闘力の高いライバルがとても多いと感じました。決勝はとても激しい戦いになると思います。実際のレースでないと分からない点が多くあるのは事実ですが、今日の私たちは、レースで勝てる力があるという感触をつかみました。もちろん、レースでは自分でコントロールできない要素がいくつもあります。勝負はゴール前の20~40周で決まるでしょうから、その時にトップ争いにいることがまずは重要です。私たちはベストを尽くし、答えが出るのを待つだけです

Hélio Castroneves 06
Meyer Shank Racing w/ Curb-Agajanian
チームのエンジニアたちが最高のセットアップを見つけてくれたおかげで、ファイナルプラクティスでのマシンは非常によくなりました。ピットストップの練習もすばらしかったと思います。チームがハードワークをこなしたことで、とても大きな意義のある一日になりました。今からレースがとても楽しみです

Takuma Sato
Takuma Sato 75
Rahal Letterman Lanigan Racing
今日は月曜日よりもいい1日となりました。先週は予選の走りにずっと集中していたため、レース・トリムで走るのは今日が最初のチャンスとなりました。月曜日の走行は怖くて仕方ありませんでしたが、今日の状態はだいぶよくなりました。もっとうまくいったかもしれませんが、クルマの状態は悪くなく、まずまず妥当な仕上がりだと思います。まだ最終的な調整は必要ですが、少なくともその範囲まではたどり着いています。(ここまで予選セットアップ中心の作業を進めてきたことについて)予選用セットアップに集中しなければいけませんでした。雨が降ったことで状況がより困難になったことは間違いありませんが、それは誰にとっても同じことです。ただし、昨年の状況(チームの予選結果のことを指す)があったので、チームメートのためにも、予選での走行に集中する必要がありました。これが達成できたことを、本当にうれしく思っています。トップ10で予選を通過できたことも、喜ぶべきことです。このレースはスタートポジションが極めて重要です。トラック上でのポジションも大きな意味を持っています。これについて僕たちはハッピーで、この結果に誇りを抱いていいと思います。それでも、レースに向けたセットアップのための時間がもう少しだけあったらと思わずにはいられません。僕たちのクルマがトラフィックのなかで最強でないことは事実ですが、レースの前半はなんとかポジションを落とさずに走り続けて、どんな状況にあるかを見極めたいと思います。そしてレース後半に向けては、トウのなかでも安心して走れるようなダウンフォース・セッティングに仕上げられればと願っています。そして、レース終盤にはコンペティティブになっていたいですね

David Salters
David Salters
カーブデイが終わりました。日曜日のレースに向け、満足のいく準備ができたと思います。この先は、大舞台となるレースデイに向けて細部にまで注意を徹底し、目標の達成を目指すのみです。全員がいい働きをしてきたこともあり、今日の調整を通じて私たちにも決勝を戦える力があると実感しました。しかし、プラクティスはプラクティスであり、実際に勝敗を決めるのはレースです。私たちの努力の成果が明らかになるのは決勝日であり、それこそがINDY500です。実際には予想外の展開になることが多いですから、決勝がとても楽しみです


Gallery image Gallery image Gallery image Gallery image Gallery image Gallery image

レポート公開日
戻る