Race
INDY 2024
Round 2

ディクソンがロングビーチで今シーズン初勝利。ハータが2位、パロウが3位でHonda勢が表彰台を独占

us Streets of Long Beach

4月19日(金)~21日(日)、49回目を迎えるAcuraグランプリ・オブ・ロングビーチが海辺のストリートコースで盛大に開催され、スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)が劇的な勝利を飾りました。Hondaにとって、この第2戦が2024年インディカー・シリーズでのシーズン初勝利となりました。

ディクソンがロングビーチで今シーズン初勝利。ハータが2位、パロウが3位でHonda勢が表彰台を独占

清々しい快晴の下、レースは全長1.968マイルのコースを85周して争われました。大観衆が見守る中、予選8番手だったディクソンはスタートしてすぐに7番手へと1つポジションアップ。ルーキーのクリスチャン・ラスムッセン(シボレー)がクラッシュしてフルコースコーションとなった17周目に、ディクソンは最初のピットストップを行いました。2回のピットストップでゴールまでを走りきるには早過ぎるとも考えられるタイミングでしたが、ディクソンはここからスピードと燃費セーブを両立させた走りを続け、62周目にトップに躍り出ます。

ライバルたちはディクソンの燃料が最後まで持たないと考えていましたが、ディクソンは豊富な経験を活かして逃げの体勢に入りました。そんなディクソンに勝負を挑んだのは予選3番手だったジョセフ・ニューガーデン(シボレー)で、2回目のピットストップを終えると凄まじい追い上げを始めました。トップを走るディクソンに猛追するニューガーデン、そのし烈なバトルに観衆は熱狂します。

ディクソンが急接近を許したのは、彼が最後の戦いに備えて燃料をセーブし、ペースを抑えていたからでした。インディカー・シリーズで6度もチャンピオンになっている彼は、ライバルが背後に迫っても全く動じることはなく、そこからペースアップ。プッシュ・トゥ・パスを巧みに使いながらリードを続けました。

ディクソンにアタックを仕かけるところまで距離を縮めきれずにいたニューガーデンは、77周目にコルトン・ハータ(Andretti Global with Curb-Agajanian)と接触して後退。これでディクソンの勝利が決定したかと思われましたが、息の詰まるバトルはさらに続きました。ハータがディクソンとの差を一気に縮め、アタックしてきたのです。

しかし、ディクソンは2021年にロングビーチで優勝しているハータの攻撃も封じ込め、2015年以来となるロングビーチでの2勝目を飾りました。この勝利はディクソンにとっては今シーズン初、キャリア57勝目、そして2005年からの20年連続勝利となりました。2年連続優勝を果たしたHondaにとって、今年のAcuraグランプリ・オブ・ロングビーチは24回目のエントリーで17回目の勝利です。

ハータが2位、予選6番手だったアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)は3位でゴール。Hondaのホームレースで、Hondaドライバーたちが表彰台を独占しました。また、マーカス・エリクソン(Andretti Global)が5位でフィニッシュし、Hondaドライバー4人がトップ5入りを達成。さらに、カイル・カークウッド(Andretti Global)が7位、Hondaにとって今季初のポールポジションを獲得したフェリックス・ローゼンクヴィスト(Meyer Shank Racing)が9位と、Honda勢6人がトップ10でフィニッシュしました。

次のレースとなる2024年シリーズ第3戦は来週末にアラバマ州バーミンガム郊外のバーバー・モータースポーツ・パークで開催されます。


Scott Dixon
Scott Dixon 9
Chip Ganassi Racing
今日のレースではもっと多くのラップにフルコースコーションが出されると予測していたものの、そうはなりませんでした。それを考慮して序盤は燃費を全く気にせず走っていたのですが、その作戦がレース終盤に自らを危機に陥れるところでした。しかし、チームがレース展開に見事に対応してくれました。ロングビーチはAcura、そしてHondaにとってのホームレースですから、たくさんの従業員や関係者の方々がレースを見にきてくださっています。Honda、そしてHRC USで働いているスタッフに深く感謝します。ご覧の通り、今日の私たちの勝因はHondaエンジンの燃費性能の高さによるもので、大きなアドバンテージとなりました。レースに勝ったのはもちろんすばらしいことですが、ホームレースでの勝利は普段の勝利以上に大きな意味があります

Colton Herta
Colton Herta 26
Andretti Global w/ Curb-Agajanian
ディクソン選手が燃費をセーブしなければならない状況にあったことは知っていました。レース終盤に彼との差を縮めることはできたものの、追いつくところまでに私たちはタイヤをかなり消耗させてしまい、ゴールを前にした終盤戦でアタックを仕かける余力が残っていませんでした。今日はディクソン選手を讃えたいと思います。私たちのマシンも非常に安定した速さを発揮できていました。Acuraグランプリ・オブ・ロングビーチはとてもすばらしいイベントです。そのレースで私たちはHondaドライバーによる1−2-3フィニッシュを達成できたのですから、喜びはひとしおです。
レース終盤のニューガーデン選手との接触は、私の判断ミスによるものでした。あのヘアピンコーナーへの私の侵入スピードが速すぎたために、彼のマシンのリアにぶつかってしまいました。ひどい接触ではなかったのですが、彼の後輪が浮き上がったためにアンチストールが作動して大きく後れを取りました。彼のチャンスをつぶしてしまい、申し訳なく感じています。私は彼をとても尊敬していますから、今回のような戦い方をしたくはありません。しかし、今日はそうした事態になってしまいました。私は今回の一件を自らの記憶に強く留め、これからのレースに臨むつもりです

Alex Palou
Alex Palou 10
Chip Ganassi Racing
難しいレースでした。ニューガーデン選手、ハータ選手らと私の実力は非常に拮抗していました。その一方でディクソン選手は私たちとは異なる作戦で戦っていました。あの作戦を成功させて勝つことができたのは彼だけです。私は今日、表彰台フィニッシュができたことを喜びたいと思います。周回遅れを交えたバトルの中で、もう少しいい走りをすることが可能だったかもしれません。しかし正直なところ、新スポンサーとともに初めての表彰台に上ったことを今は喜びたいですね。そして、私たちのチームの1人が勝利を挙げたことを誇りに感じています



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