ディクソンが今シーズン初優勝でポイントランキング2位へ浮上。トップのパロウは7位でリードを広げる
インディカーシリーズ第14戦は、インディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースを使った今年2回目のレースです。 1909年創設の同サーキットでは、全長2.5マイルの伝統あるオーバルコースの一部を利用したロードコースを2000年に設置。近年のインディカーシリーズは、このロードコースで1シーズンに2回のレースを行っています。
今年5月に行われたレースでは、アレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)がシーズン初優勝を飾りました。今シーズン2レース目は8月開催とあって、最高気温が31℃まで上がった厳しいコンディションのもと、チームメートのスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)が、1周目で巻き込まれたアクシデントを乗り越えて、すばらしい勝利を収めました。
スタート直後のアクシデントでマシンに小さなダメージを受けたディクソンは、ピットでクルーたちによる素早い修復作業を受けるとコースへ戻り、85周のゴールまで2回だけのピットストップで走りきる作戦に打って出ました。スタートでハードタイヤを装着していましたが、1回目のピットストップで修理、燃料補給、さらにタイヤをハードからソフトにスイッチし、その後の全周回をソフトタイヤで走る作戦を採用。これらが見事に的中し、レース終盤にポールポジションスタートだったグレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)の猛追を受けながらも、それをギリギリで跳ね返して今季初優勝を飾りました。
この勝利はディクソンにとって、インディカー歴代2位のキャリア54勝目。歴代最多の67勝という記録を持つA.J.フォイトにまた一歩近づきました。また、1シーズンに少なくとも1勝をマークするというインディカーレコードホルダーですが、今日の勝利で自身の記録を19年連続へと更新しました。しかも、319レース連続出場となる新記録樹立のレースで達成したのです。
ポールポジションからスタートしたレイホールは快調に周回を続け、最後の最後でディクソンの背後に迫りました。85周で争われたレースの最終10ラップ、レイホールの追い上げはすさまじく、ファイナルラップでの大逆転も十分考えられるスリリングな展開になりました。しかし、コンマ5秒ほど届かず、2017年以来となる優勝にあと一歩の2位でフィニッシュ。これはレイホールにとって今シーズンのべストリザルトです。そして、Hondaはナッシュビルから2戦続けて1-2フィニッシュをマークしました。
今シーズン4勝でポイントスタンディングのトップをひた走るアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)は、予選9番手(グリッド降格となったドライバーがいたため、スタートは8番手)から7位でフィニッシュ。ポイントスタンディング2位との差を84ポイントから101ポイントへと大きく広げました。なお、ポイントスタンディング2位はジョセフ・ニューガーデン(Team Penske)からこの日優勝したディクソンに代わっています。残るは3戦です。
優勝したディクソン、2位のレイホールのほかにも、クリスチャン・ルンガー(Rahal Letterman Lanigan Racing)が4位でゴールし、上記の通りパロウが7位。前戦ナッシュビルでキャリア2勝目を挙げたカイル・カークウッド(Andretti Autosport)が9位に入り、マーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)が10位と、6人のドライバーたちがトップ10圏内でのフィニッシュをマークしました。また、ナッシュビルでデビューしたばかりのルーキー、リヌス・ルンドクヴィスト(Meyer Shank Racing)が参戦わずか2戦目にして12位でフィニッシュ。しかも、これは今日のレースでのルーキー最上位でした。
これでHondaは今シーズン9勝目。ポールポジションは今週末のレイホールによるものが10回目で、インディカー・マニュファクチャラーズポイントでライバルを暫定38ポイントリードしています。
次戦はインディアナポリスから北米大陸を西進したミズーリ州セントルイスの郊外、イリノイ州マディソンにあるワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイで開催されます。オーバルコースでのレースは、これが今シーズン最後となります。