Race
INDY 2023
Round 6

第107回インディアナポリス500でマーカス・エリクソンが2連勝にあと一歩の2位

us Indianapolis Motor Speedway

1911年に始まったインディアナポリス500マイルは、世界一の歴史だけでなく、世界最大の観客数を誇るイベントとしてインディアナ州インディアナポリスに作られた全長2.5マイルのオーバルコースで開催されてきています。先週からずっと好天に恵まれ続けたことも手伝って今年のチケットは完売し、超満員、30万人を超すファンが見守る中で200周、500マイルのレースはスタートが切られました。

第107回インディアナポリス500でマーカス・エリクソンが2連勝にあと一歩の2位

薄雲が広がり、気温は摂氏24℃というコンディションで始まったレースは、終盤になって太陽が顔を出し、日差しが照りつける中での戦いとなりました。予選10番手からスタートしたマーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)は、折り返し点の100周目過ぎにトップ5へと進出し、4回目のピットストップを終えたところでトップに立つというすばらしい戦いぶりをみせました。しかし、レース終盤に連続して起こったアクシデントによって赤旗中断が3回も行われ、最後のグリーンフラッグは最終ラップに振り下ろされました。
残り1周でのリスタートは2番手につけた方が有利でした。今年採用された空力パッケージではマシン同士が接近して走り続けることを可能としていたからです。メインストレートでの加速では2番手以下を引き離してみせたエリクソンでしたが、バックストレッチでジョセフ・ニューガーデン(シボレー)に先行されました。それでも昨年のINDY500ウイナー、エリクソンはターン3、ターン4をライバルのすぐ背後につけて周り、メインストレートで抜き去ることを試みました。その逆転がなっていればエリクソンは2001~2002年以来となる2年連続優勝を達成するところでしたが、0.0974秒差で2位フィニッシュ。Hondaは2020年の佐藤琢磨、2021年のエリオ・カストロネベス、2022年のエリクソンと3年連続でINDY500で勝利しており、今年は4連勝を目標としていましたが、通常では見られない3回もの赤旗中断の影響も受け、エリクソンと共に僅差の2位でゴールしました。
ポールポジションからスタートしたアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)は、レースが後半戦に入ったところでピットロード上でスピンしたリナス・ヴィーケイ(シボレー)に接触され、マシンを傷めました。マシンの修理で28番手まで下がったパロウは、そこから凄まじい追い上げをみせ続け、4位でのゴールを成し遂げました。2008年INDY500ウイナーでシリーズタイトル獲得6回のスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は6位、INDY500で2勝の佐藤琢磨(Chip Ganassi Racing)は、予選8番手から7位でゴールと、Chip Ganassi Racingはエントリーした4台がトップ7でゴールという驚くべき結果を残しました。

佐藤は序盤戦を8~10番手につけて戦っていました。折り返し点である100周目までに5番手に進出する戦略でしたが、トラフィック内でのハンドリングが芳しくはなく、ポジションを上げて行けない苦しい戦いを強いられ続けました。それでもピットストップでセッティング調整を重ね、マシンのハンドリングを向上させて行った彼は、最後はピットタイミングをライバル勢と違える作戦で逆転を目指しました。その思惑通りに上位へ進出はできなかった佐藤でしたが、次々と出された赤旗中断後のリスタートでポジションアップを重ね、佐藤は7位でのゴールを果たしました。その他のHondaドライバーでは、コルトン・ハータ(Andretti Autosport with Curb-Agajanian)が9位でゴールしています。
2023年のインディカーシリーズはこれで6戦が終了しました。パロウは今日のレース後半の猛チャージで4位フィニッシュしたことにより、シリーズポイントにおけるトップの座を守りました。また、今日2位だったエリクソンもポイントランキングは2番手。Chip Ganassi RacingのHondaドライバーたちがポイントスタンディングの1、2番手を占めています。


Marcus Ericsson
Marcus Ericsson 8
Chip Ganassi Racing
レースは不公平で危険な終わり方になっていたと思います。最後のリスタートを切るのには、残っていた周回数が少なすぎましたし、ピットスタートからのリスタートというのは初めてでした。あれではタイヤの温度を十分に上昇させることができません。今日の私たちはすべてのことを的確にこなしていました。Chip Ganassi Racingの全員がそうできていたと思います。自分もコクピットでの仕事は、すべて間違いなく行いきりました。最後のリスタートは最高のものを切り、ジョセフ・ニューガーデン相手にリードを広げることができました。しかし、バックストレッチでその座を守り抜くことができませんでした。アクセルは全開でしたが、トップを守りきることはできなかったんです。それでも私は自分たちの戦いぶりを誇りと感じています。そして、ジョセフを祝福します。彼はすべてを正しくやり遂げました。彼はチャンピオンにふさわしい。しかし、私はレースの終わり方に対してがっかりしています。あれはフェアではなかったと思うからです 

Takuma Sato
Takuma Sato 11
Chip Ganassi Racing
苦しいレースでした。レース中盤には反撃も試みましたが、トップ争いを演じるところまでは行きませんでした。マーカス・エリクソンはレース終盤に奮闘していました。たいへんな接近戦でしたが、私たちは皆エリクソンを応援していました。自分たちに関していえば、激しい戦いを支えてくれたNo.11のスタッフ全員を誇りに思っています。皆さんの声援に心からお礼を申し上げます 



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