パロウが自身初、Hondaにとっては4年連続となるポールポジションを獲得。佐藤琢磨は予選8番手
見事なまでの快晴に恵まれた第107回インディアナポリス500マイルの予選2日目、1909年に完成されたスピードのメッカで最も勇猛果敢な走りを見せ、ポールポジションを獲得したのはスペイン出身ドライバーのアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)でした。
Hondaにとって4年連続の獲得となるポールポジションは、最高気温が27℃まで上がったコンディション下での極めて激しい戦いとなりました。気温が今年一番高くなり、照りつける日差しによってコース路面の温度も上昇。時速230マイルを超える高速で走るインディカーにとって、ダウンフォースの確保が難しくなるコンディションでしたが、驚くべきマシンコントロール能力を発揮して戦いました。
ポールウイナーとなったパロウと、予選2番手のリナス・ヴィーケイ(シボレー)との間にあったのは、わずか0.006マイルという小さなスピード差でした。インディカーの長い歴史において最も僅差の予選1、2番手となったのです。
昨年のパロウはチームメートのスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)に僅差で敗れての予選2番手でしたが、今年の彼は6人の間で争われた予選ファイナルに空気抵抗をできる限り減らすようセッティングされたマシンで挑みました。ぎりぎりのダウンフォースしか発生していないマシンでアクセル全開の走行を続けるのは至難の業ですが、パロウはほぼ完ぺきと言っていい4周連続走行によるアタックを行い、時速234.217マイルの4ラップ平均を記録しました。これは昨年のディクソンによるポールポジションスピードを上回るもので、インディ500史上で2番目に速いポールポジション獲得スピードとなりました。
インディカーのシリーズチャンピオンに6度輝き、インディ500での勝利も2008年に飾っているディクソンは、史上初の3年連続ポールポジションを目指して戦い、ファスト6による予選ファイナルまで進出しました。ディクソンの決勝レースへの出走は6番グリッドから行われます。
予選1日目にトップから12番手につけるスピードを記録した者たちが、2日目の午後2時からファスト12予選を戦いました。その中に含まれていたHondaドライバーの中にはインディ500で2度優勝している佐藤琢磨(Chip Ganassi Racing)と、昨年のインディ500ウイナーのマーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)もおり、佐藤は8番グリッド、エリクソンは10番グリッドを手にしました。
予選2日目には最後列のグリッド三つを競い合うラストチャンス予選も開催され、そちらには昨日の予選アタックで31番手から34番手までの4ラップ平均を出した選手たちが参加。三つのグリッドをかけて四人のドライバーたちが争奪戦を行い、Rahal Letterman Lanigan Racingのドライバー、クリスチャン・ルンガーとジャック・ハーヴィーが決勝進出を果たし、Dale Coyne Racing with RWRから出場するルーキー、スティング・レイ・ロブも32番グリッドから初のインディ500出場を果たすこととなりました。残念ながら予選不通過となったのはグレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)でした。
今日のファスト6予選が終了した時点で、第107回インディ500に出場する33台が決定しました。Hondaエンジン・ユーザー総勢17台は、4年連続のインディ500優勝を目指してレースに臨みます。
5月22日(月)はエンジンのターボチャージャーのブースト圧がレース仕様に下げられ、午後1時から3時まで決勝レースに向けたプラクティスが開催されます。インディ500の決勝は5月28日(日)に行われます。