カーブデーのファイナルプラクティスで佐藤琢磨が最速ラップをマーク
世界で最も長い歴史を誇り、レースデーの観客数が世界ナンバーワンのスポーツイベントであるインディアナポリス500マイルが、いよいよ今週末に迫っています。
今年のインディアナ州インディアナポリスは、先週火曜日のINDY500向けプラクティスの1日目を除いて好天が続いており、決勝を明後日に控えた今日も朝から青空が広がっていました。230mphで疾走するインディカーのファイナル・プラクティスを一目見ようと、今日のインディアナポリスモータースピードウェイにはとても多くのファンが押し寄せました。
レースの決勝を控えた週の中頃に各エントリーがキャブレターの調整を行えるようにと設けられたのがファイナルプラクティスで、その開催日はカーブレションデーと呼ばれるようになりました。現在では省略されたカーブデーという名称で親しまれています。金曜日が恒例のカーブデーには、決勝出場を決めた33エントリーが最後のマシン調整やピットストップの練習などを行うだけでなく、その後にはピットストップコンテストやミュージックコンサートも開かれることから、地元のファンに人気の高い1日として定着しています。
2時間の走行は午前11時にスタート。気温が18℃とやや涼し目のコンディションで始まり、セッション終了時は23℃に上がっていました。レースデーはもっと暑くなるとの予報ですが、決勝の200周を想定したマシンチェックを行うのにほぼ適したコンディションに今日は恵まれたと言えます。
今年のINDY500決勝レースにHondaエンジン搭載マシンは16台が出場します。今日はその中から佐藤琢磨(Chip Ganassi Racing)が、全長2.5マイルの超高速オーバルコースで最速ラップとなる227.855mphをマークしました。彼は86周という多くのラップをこなすことにより、マシンセッティングの最終調整を行うだけでなく、決勝に向けたデータ収集も重ねました。佐藤は、2017年と2020年に続くINDY500での3勝目に対する強い意欲を今日の最速ラップ記録によって示しました。走行を終えてマシンを降りた佐藤は、大きな手応えをつかんだ、充実した表情を浮かべながら、沸き起こったファンの歓声に応えていました。
佐藤のチームメートで、2008年のINDY500ウイナー、そして、6回ものシリーズタイトル獲得歴も持つスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は227.285mphの自己ベストマイルの2番手でした。さらに、今年のレースにポールポジションから出走する2021年インディカーチャンピオンのアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)も226.945mphで4番手と、予選で活躍していたChip Ganassi Racing勢がファイナル・プラクティスでも力強いパフォーマンスを見せました。また、今年の第3戦でキャリア初優勝を飾ったばかりのカイル・カークウッド(Andretti Autosport)が226.872マイルで5番手と好調をアピールしていました。さらに、カークウッドのチームメートであるコルトン・ハータ(Andretti Autosport with Curb-Agajanian)とロマン・グロージャン(Andretti Autosport)が7、8番手のスピードをマークして走行を終えました。
明日の土曜日はスピードウェイでドライバーズミーティングが行われ、その後に出場33人のドライバーたちによるインディアナポリスの中心部でのパレードが盛大に行われる予定です。そして日曜日には、アメリカ中西部に夏の到来を告げる伝統のイベント、INDY500が華々しく開催されます。