アレックス・パロウがロードアメリカでシーズン3勝目を挙げる
五大湖の一つであるミシガン湖の西側に広がるウィスコンシン州の田園地帯に1955年にオープンしたロードアメリカは、とても美しいサーキットとして名を馳せています。エルクハートレイク湖畔の緩やかにうねる地形を見事に利用し、緑の中を縫うようにレイアウトされた全長4.0124マイルのロードコースで、高速コーナーをいくつも備えたハイスピードサーキットとしても知られています。
ロードアメリカは今シーズンを前に路面の全面改修が行われたため、ラップスピードの大幅向上がなされました。予選ではHondaエンジン搭載マシンで戦うコルトン・ハータ(Andretti Autosport with Curb-Agajanian)が、昨年のポールポジションタイムより4.6711秒も速い1分40秒1945のベストでポールポジションを獲得。
55周のレースは快晴の空のもと、気温が20℃の心地よいコンディション下でスタートが切られました。キャンプとレースを楽しむ大勢のファンが陣取る目の前で、27台のインディカーは、例年以上のハイスピードでの抜きつ抜かれつの激しいバトルを繰り広げました。
コース上でのパスが444回も発生したレースを制して優勝したのは、予選3番手からスタートしたアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)でした。ポールポジションからスタートしたハータとの優勝争いは緊張感に満ちたまま続き、もうゴールまで6周となったところでパロウが勝負に出ました。ペースが上がらないハータをパロウはターン1でアウトサイドから豪快にパスしてトップを奪うと、第7戦デトロイトからの2連勝へと逃げきりました。インディアナポリスのロードコースでも優勝している彼にとってはシーズン3勝目です。シリーズランキングでトップにいる彼は、今日の勝利で2番手につけているチームメートのマーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)とのポイント差を51点から74点へと広げました。この勝利はHondaにとってはシーズン5勝目です。
今日のレースではスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)の熱い走りもファンを大いに沸かせていました。プラクティス2でアクシデントを起こしたディクソンは、乗り換えたスペアカーの準備が万全でなかったために、予選は出走した27台中23番手でしたが、レースでは2回目のピットストップを行った26周目まででトップ10まで大きくポジションアップし、その後も着々とオーバーテイクを重ねて4位でゴールしました。ハータはレース終盤に燃費をセーブしなければならない状況となり、5位でゴールしました。
ポイントスタンディング2番手でパロウを追っているエリクソンは、ロードアメリカでも安定したパフォーマンスをみせ、予選9番手から8位でフィニッシュしました。これで彼は開幕戦から8戦連続のトップ10フィニッシュです。Hondaドライバーはこの他にもクリスチャン・ルンドガールド(Rahal Letterman Lanigan Racing)が7位、カイル・カークウッド(Andretti Autosport)が9位でゴールし、合計6人がトップ10入りを果たしました。
次戦はシリーズ第9戦Hondaインディ200アットミッドオハイオ。一週末のインターバルの後、オハイオ州コロンバス郊外のミッドオハイオスポーツカーコースで開催されます。