ルーキーのデビッド・マルカスが2位フィニッシュで初めて表彰台に!佐藤琢磨が今シーズンベストとなる5位でゴール
ミズーリ州の大都市セントルイス近郊にあるワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイで開催されたインディカーシリーズ第15戦において予選13番手だったルーキーのデビッド・マルカス(Dale Coyne Racing with HMD Motorsports)が2位でゴールし、キャリア初の表彰台にデビュー15戦目にして上りました。
全長1.25マイルの非対称オーバルコースでのレースは、悪天候を避けるべく予定より30分早い夕方5時過ぎにスタートが切られましたが、残り周回数が50周を切ってから雨に見舞われ、赤旗中断とされました。幸いにも雨は短時間で上がり、懸命の乾燥作業が施された結果、2時間以上をかけて乾燥作業が行われ、夜9時過ぎにリスタートが切られました。
陽が完全に沈み、気温も路面温度も大幅に降下した、赤旗前とは明らかに異なるコースコンディションでのレースには残り36周でグリーンフラッグが振り下ろさました。
レース再開時に5番手につけていたマルカスは、残り30周でポイントリーダーのウィル・パワー(シボレー)を抜いて4番手に浮上しました。雨による中断の間もグランドスタンドの下などでレース再開を辛抱強く待っていたファンは、20歳のマルカスの目覚ましい追い上げに気づき、彼がランキング7番手のパト・オワード(シボレー)もパスして3番手にポジションを上げると大歓声を上げました。その応援の声に応え、マルカスは最後の10周でトップ争いに急接近。最終ラップにスコット・マクラフリン(シボレー)を抜き去り、ウイナーとなったジョセフ・ニューガーデン(シボレー)に0.4708秒まで迫って2位でゴールしました。
今年のインディ500でルーキー最上位の16位フィニッシュを果たしたマルカスは、これまでに3回のトップ10フィニッシュを記録してきました。ルーキーオブザイヤー争いは、マルカスと同じく2位でのフィニッシュを一度記録しているクリスチャン・ルンガー(Rahal Letterman Lanigan Racing)が第15戦終了時点でリードしており、マルカスが今回の2位フィニッシュで彼に11点差に迫りました。
佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)は予選8番手から6、7番手をキープして周回を重ね、レースがこう着状態に入ったとみて2回目のピットストップを予定より20周ほども早く行いました。この作戦が功を奏し、佐藤は127周目にトップに躍り出て、ハイペースを保ち続け、2番手以下に6秒以上の差をつけました。148周目までトップを走り続けた佐藤でしたが、アクシデントによるフルコースコーションが出され、ペースカーランの間に3回目のピットストップを敢行し、ポジションを8番手まで下げました。そこから佐藤は上位陣でのバトルで3台をパスし、今シーズンの自己ベストとなる5位でのフィニッシュを成し遂げました。
ポイント2番手で今回のシリーズ第15戦を迎えていたスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は8位、ポイント3番手だったマーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)は7位、ポイント5番手だったアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)は9位でゴール。
2022年シーズンも残すところ2戦となりましたが、チャンピオン争いではディクソンがトップと14点差の3番手、エリクソンがトップと17点差の4番手、パロウはトップと43点差の5番手につけています。
インディカーシリーズは1週末のインターバル後、アメリカの西海岸へと移動してオレゴン州ポートランドのロードコースで第16戦を開催します。