アレクサンダー・ロッシがインディアナポリスのロードコースで今シーズン初勝利。ルーキーのクリスチャン・ルンガーが2位でHondaが1-2フィニッシュ
INDY500を1911年から開催し続けてきているインディアナポリス・モーター・スピードウェイには、その伝統あるオーバルコースの一部を利用しながら逆回りするロードコースが2000年に作られました。今年もインディカーシリーズはこのコースで2回レースを行うスケジュールを採用しています。
5月開催の75周のレースはウエットコンディションでの戦いとなり、今日の85周のレースは強い日差しが照りつける中、気温が摂氏28度まで上がったコンディション下で高速バトルが繰り広げられました。そして、予選2番手からスタートしたアレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)が今日のレースで最多となる44周のリードラップとともに今シーズン初勝利。2022年のインディカーシリーズは今回が第13戦目でしたが、今シーズン8人目のウイナーが誕生しました。
ハードコンパウンドのタイヤでスタートしたロッシは、7周目にチームメートのコルトン・ハータ(Andretti Autosport w/ Curb-Agajanian)にパスされましたが、彼とバトルしながらトップグループを走り、逆転のチャンスを窺っていました。1回目のピットストップでソフトタイヤにスイッチした彼らが3番手以下を引き離しにかかろうとしたとき、ハータのマシンの駆動系にトラブルが発生し、彼はリタイア。42周目にトップに立ったロッシは、そこからハイペースを緩めることなくゴールまで突き進み、2019年6月以来となる勝利のチェッカーフラッグを受けました。2016年に行われた記念すべき第100回INDY500で優勝しているロッシは、飛び抜けたスピードの持ち主ながら、数々の不運に見舞われて勝利のチャンスを逃してきましたが、待ち望んでいたキャリア8勝目を手に入れました。
5月のロードコース戦ではハータが勝ち、伝統のINDY500ではマーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)が優勝。そして、今年2回目のロードコースでのレースはロッシが勝利。Hondaはインディカーレースの聖地であるインディアナポリス・モーター・スピードウェイでの2022年の3レースすべてを制する完全スウィープを達成しました。
2位でゴールしたのはデンマーク出身ルーキーのクリスチャン・ルンガー(Rahal Letterman Lanigan Racing)でした。もちろん自己ベストリザルトで、彼は2022年に出場しているルーキーの中で最初の表彰台登壇を達成し、ルーキーポイントでのリードを広げました。
Hondaの2022年の4勝目は、今シーズン3回目の1−2フィニッシュとなりました。また、グレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)が7位、スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)が8位、アレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)が10位と、合計5人のHondaドライバーがトップ10でのフィニッシュを果たしました。
佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)は18番グリッドからハードタイヤを装着してスタートし、序盤の4周目にフルコースイエロー中のピットストップを行ってソフトタイヤに履き替えました。この後さらにイエローが出されれば大きなアドバンテージを得られる作戦でした。ライバル勢全員が1回目のピットストップを終えると佐藤の順位は大きく6番手にまで上がっていたのです。佐藤はその後に5番手まで浮上しましたが、ピットタイミングの影響で燃料をセーブする走りが必要だったため、コンディションによりマッチしていたソフトタイヤ装着でもペースを上げることができず、最終的に15位でゴールしました。