Race
INDY 2022
Round 14

ナッシュビルで今シーズン2勝目を挙げ、スコット・ディクソンがチャンピオン争いへ

us Streets of Nashville

インディカーシリーズは昨年から音楽の都ナッシュビルのダウンタウンでレースを開催しています。

ナッシュビルで今シーズン2勝目を挙げ、スコット・ディクソンがチャンピオン争いへ

テネシー州の州都ダウンタウンで行われるレースは2年目の今年も大盛況で、集まった大勢のファンの前でスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)がHondaエンジン搭載マシンでの優勝を飾りました。ディクソンにとっての今シーズン2勝目はキャリア通算53勝目で、マリオ・アンドレッティの記録を抜いた彼は67勝のAJ・フォイトに次ぐインディカー史上2番目に多い優勝回数を誇るドライバーとなりました。

雷雨のために2時間近く遅れてスタートした80周のレースは、アクシデントの多発するワイルドなものになりました。予選14番手だったディクソンはスタート直後に9番手まで順位を上げたのですが、1回目のピットストップでトラブルが発生して23番手まで後退し、その後にはバトルの中で追突されてサスペンションやアンダーフロアにダメージを負ったため、フルコースコーション中に4回ものピットストップを行ってマシンを修理する必要がありました。

それほどの大きな不利を跳ね返し、ディクソンがトップに立ったのは50周目に行ったピットストップのタイミングが絶妙だったからでした。彼がピットで給油とタイヤ交換を行った直後にフルコースコーションが出され、多くのドライバーたちがピットに向かうとディクソンは2番手まで大きくポジションを上げたのです。さらに、彼の前を走っていたドライバーは66周目にピット作業を受けるためにトップを明け渡しました。

ゴール前4周でアクシデントが起きたため、レースは一度中断され、ディクソンは残り2周のバトルを勝ち抜かねばならない状況に置かれました。マシンは満身創痍でしたが、ディクソンは積み重ねた経験を活かしてグリーンフラッグが振り下ろされると好ダッシュを決め、後続にアタックのチャンスを与えないままチェッカーフラッグを受けました。

ゴールでのディクソンと2位の差はわずかに0.1067秒しかありませんでした。インディカーシリーズのロードコースとストリートコースにおける史上4番目の僅差でナッシュビルの勝敗は決したのでした。

ナッシュビルのレース前、ディクソンのポイントスタンディングは4番手でしたが、今日の勝利によってトップと6点差の2番手に浮上しました。残り3戦、ディクソンはフォイトに並ぶ史上最多の7回目のタイトル獲得を目指して戦います。

予選4番手だったアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)が3位でゴールし、序盤のアクシデントでいったんは周回遅れに陥ったアレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)とコルトン・ハータ(Andretti Autosport with Curb-Agajanian)が4、5位でフィニッシュ。8位はルーキーのクリスチャン・ルンガー(Rahal Letterman Lanigan Racing)、9位はシモン・パジェノー(Meyer Shank Racing)、10位はジャック・ハーヴィー(Rahal Letterman Lanigan Racing)とHondaドライバー7人がトップ10でゴールしました。

佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)はマシンのトラブルなどもあって予選結果は20位でしたが、決勝日午前中のウォームアップセッションでマシンのパフォーマンスを向上させ、レースのスタートタイヤにハードコンパウンドを選びました。ソフトタイヤを装着したライバルたちが早めのピットストップを行った後もコースにとどまり続け、ポジションをゲインする作戦でした。その狙いは的中し、佐藤は1回目のピットストップを終える時点で13番手まで順位を上げていました。ところが、33周目のリスタートでルーキーのデブリン・デフランチェスコと絡み、佐藤と彼はコンクリートウォールにぶつかり、ともにリタイアとなりました。着実に順位を上げてトップ10フィニッシュを狙える位置にまで上がっていただけに悔やまれるアクシデントでした。


Scott Dixon
Scott Dixon 9
Chip Ganassi Racing
激しいレースでした。私たちはスタート直後のアクシデントに巻き込まれ、ホイールが壊れ、サスペンションが曲がり、ステアリングはまっすぐ向いていない状態になりました。アンダーウイングが壊れてダウンフォースが大きく失われたため、マシンの前後バランスを少しでも良くできるようにとフロントウイングを大幅に調整しました。チームとHondaに感謝します。状況に応じて採用した作戦が完ぺきでした。それでも、最後のタイヤは50周以上も走らないとならない状況でした。ピットストップにかかる時間を少なくしようとタイヤ交換を行わなかったことで私たちは2番手にまで順位を上げることができました。その後に新しいタイヤをつけたライバルたちが猛チャージをしていることを覚悟していましたが、彼らをどうにか封じ込めることができました。今日の勝利には特別なものを感じます。ナッシュビルで53勝目を記録できたことを本当にうれしいと感じています 

Takuma Sato
Takuma Sato 51
Dale Coyne Racing with RWR
今日のレースは本当に残念なものになりました。私たちはレース序盤からポジションを15番手まで上げ、トップ10入りを目指せる位置につけていましたが、そこまで到達することは叶いませんでした。デフランチェスコがターン10で私の走っているアウト側に膨らんできたため、2台揃って壁にクラッシュしてしまったんです。あのコーナーは普通なら2台が並んだまま通過できるんです。彼は私の方がぶつかってきたと言っていましたが、私はそうはしていません。私は彼のアウトサイドに並びかけ、私のことが絶対に見えるようにしました。彼は私を見たと思います。彼は”誰かが後方からぶつかってきた”とも言っていましたが、オンボードカメラの映像をチェックしたところ、そんなことは起きていませんでした。何が起きたのかといえば、彼はコーナーを曲がっていかなかったんです。彼は私に突っ込んできた。一番残念なのは、私たちがレースをゴールまで走り切れなかっただけでなく、質が高く、しかも激しいレースを戦えなかったことです。チームとしてみると、デイビッド・マルカスがすばらしい走りを見せていながら、彼もまた不幸な事態に襲われました。私たちが望んでいた1日とはなりませんでしたが、今週手に入れた勢いを持ち続けたいと思います。次のセントルイスでの私たちはきっと強力なレースを戦うことができるはずです 

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