ロマン・グロージャンが2位で今季初表彰台に上り、昨年度チャンピオンのアレックス・パロウも3位でフィニッシュ
昨年はパンデミックによるスケジュール変更でシーズン最終戦として開催されたACURAグランプリオブロングビーチでしたが、今年は恒例の4月開催に復帰。すばらしい天候にも恵まれたレースウイークエンドは、以前と変わらない活気にあふれていました。HondaのパフォーマンスブランドであるACURAが冠スポンサーを務めるアメリカ伝統のストリートレースは、今年が第47回目の開催となります。
南カリフォルニアならではの日差しを心地よい海風が和らげる、まさにレース日和という快適なコンディションの下、ロングビーチのストリートコースで26台のインディカーが激しいバトルを繰り広げました。
レース序盤はポールポジションからコルトン・ハータ(Andretti Autosport w/ Curb-Agajanian)がトップを快走しました。残念ながら彼は1回目のピットストップで3番手に後退した後、壁にヒットする単独アクシデントでレースを終えました。
予選6番手だったロマン・グロージャン(Andretti Autosport)がハードチャージを見せて観客を沸かせました。チームのタイヤ戦略も良かったグロージャンは、自身のガッツあふれる走りもあって終盤にパロウらをパスし、初優勝を目指してアタックを続け、2位でのフィニッシュをつかみ取りました。フランス出身の元F1ドライバーにとって今季初めての表彰台登壇です。
また、予選3番手だった昨年度チャンピオンのアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)はレース中盤戦にトップを快走し、最終的に3位でゴールしました。シーズン3戦目で早くも2回目の表彰台に立った彼はポイントスタンディングで3番手につけています。
グロージャンとパロウだけでなく、他のHondaドライバー、Hondaチームも激しいバトルを戦い抜き、スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は予選16番手から6位まで大きくポジションアップしてゴール。グレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)は予選13番手から7位。アレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)は8位、昨年インディ500で史上最多タイとなる4勝目を挙げたエリオ・カストロネベス(Meyer Shank Racing)は予選14番手から9位とトップ10に4チーム、6人のドライバーたちが入りました。
佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)にとって、ここロングビーチは2013年にインディカーでのキャリア初優勝を記録したコースです。今回はマシンのセッティングから予選は23位と厳しい結果になっていましたが、ペナルティーを受けたルーキーがいたため、22番グリッドからスタートを切りました。得意のコースで追い上げるレースを期待されていた佐藤は、燃料をセーブして29周目まで1回目のピットストップを引っ張り、9番手までポジションを上げました。ピット作業後のレース中盤、佐藤は14番手を走り、2回目のピットストップを56周目に行った後には13番手に浮上。トップ10まで食い込んで行こうと奮闘していました。
しかし、ゴールを目前に多重クラッシュによるフルコースコーションが出され、残り5周でのリスタートとなると、新品タイヤ装着というアドバンテージを持ったライバルからのアタックを受け、佐藤はライン外側に押し出される形となってタイヤバリアに突っ込むアクシデントに見舞われます。ゴールまであと1周半で完走を逃す17位という結果となりました。佐藤のポイントスタンディングは3戦終了時点で15番手となっています。
次戦はHondaグランプリオブアラバマ。南部アラバマ州バーミンガム郊外にあるアップダウンに富んだ緑豊なバーバーモータースポーツパーク(全長2.3マイル)を舞台とする戦いは、5月1日決勝です。